ウォルマートが予想を下回る、アリババはAI支出で利益75%減、ビットコインは7万ドルを回復
重要ポイント
- •ウォルマートの米国既存店売上高は2.6%増となり、ウォール街が予想した3.8%増を下回った。
- •アリババはAIインフラとチップへの支出を大幅に増やした結果、純利益が約75%減少した。
- •コインベースはビットコインが再び7万ドルを超えたことで上昇し、他の暗号資産関連株の押し上げにも寄与した。
- •ブレント原油は、イランとホルムズ海峡をめぐる緊張による供給リスクの高まりを受け、5取引日連続で上昇した。
- •ディアは3年ぶりに四半期利益が増加に転じ、2026年の利益予測の下限を引き上げた。

ウォール街は、ウォルマートの決算での予想下振れ、アリババにおけるAI(人工知能)支出の急増、コインベースを押し上げた暗号資産相場の上昇、原油価格の5日続伸、そしてディアによる強気の利益見通しといった材料がひしめく、多忙な取引セッションを終えた。
以下では、本日投資家が注目している株式市場の5大ニュースを整理する。
ウォルマート、売上高予想を下回る
ウォルマートは、米国の既存店売上高が前年比2.6%増となり、ウォール街が予想していた3.8%増を下回ったと発表した。近年、市場予想を上回り続けてきた小売業者にとって、今回の下振れは珍しいものである。
同社は通期の業績見通しをわずかに引き上げたが、投資家の懸念を和らげる効果はほとんどなかった。裁量支出の減速と、消費者がより慎重になっている兆候が、今回の株価反応の背景にある主な懸念材料となっている。
ウォルマートは米国の消費動向を最も明確に示す指標の一つとみなされている。同社は売上高で米国最大の小売業者であり、個人消費は米国の経済活動の約3分の2を占める。そのため、ウォルマートの予想下振れは同社自体にとどまらない意味を持つ。ターゲットやホームデポなど他の主要小売業者の決算も通常同じ時期に発表され、消費動向をさらに読み取る材料となるだろう。
アリババ、AI戦略の資金確保のため利益を削る
アリババの純利益は、人工知能(AI)への支出を大幅に増加させた結果、直近四半期で約75%減少した。同社はデータセンター、先端チップ、クラウドインフラに投資しており、設備投資額は約75%急増した。
クラウドおよびAI関連の売上高は、この期間も引き続き成長した。それでも、この支出規模をめぐっては、これらの投資が回収までにどれほどの時間を要するのかという疑問が生じている。
この増額は、業界全体で広がる設備投資の急増と歩調を同じくしている。マイクロソフト、アルファベット、アマゾン、メタはいずれもAIデータセンター向けの資本予算を引き上げており、テンセントやバイドゥなど中国の同業他社もAI投資の拡大を明らかにしている。アリババは、こうした世界的なAI競争で戦うため、短期的な利益圧力を吸収する用意があるとみられる。
コインベース、ビットコインとともに上昇
コインベースは、ビットコインが再び7万ドル(70,000ドル)を超えたことを受けて上昇した。同取引所は、ストラテジー(Strategy)や複数のビットコインマイニング企業など、他の暗号資産関連株とともに堅調に推移した。
この上昇は、債券市場の流動性への懸念の緩和に加え、米国における暗号資産関連法制への期待の高まりにも支えられた。ワシントンでの協議は、ステーブルコイン規則や、取引所と発行体により明確な運用指針を定める市場構造全体の枠組みを中心に進められている。
ビットコイン価格の上昇は、個人投資家の関心と取引量を押し上げる傾向があり、これは取引所の収益に直接恩恵をもたらす。暗号資産関連株は、規制関連ニュースと全般的な市況の両方に対して引き続き敏感である。
原油、5日続伸
ブレント原油は、イランおよびホルムズ海峡をめぐる緊張により供給懸念が高止まりしたことを背景に、5取引日連続で上昇した。米国とイランの交渉は、進展の兆しをほとんど示していない。
ホルムズ海峡は世界で最も重要な原油の輸送要衝の一つであり、世界の原油取引の約5分の1がこの海峡を通過している。だからこそ、同海域における輸送リスクは価格を素早く動かすのである。
原油価格の上昇はエネルギー生産者に恩恵をもたらす一方で、燃料・輸送コストも押し上げ、インフレを助長する可能性がある。投資家がすでに米連邦準備理事会(FRB)による高金利の維持期間を巡って議論している折だけに、この点は重要だ。
原油価格が上昇を続ければ、原油は株式市場にとって徐々に大きなリスク要因になり得る。
ディア、好調な四半期を受け見通しを引き上げ
ディアは、3年ぶりとなる四半期利益の増加を発表し、2026年の利益予測の下限を引き上げた。建設・林業部門の売上高は約18%増加した。その一因は、AIデータセンターの拡張に伴うインフラ支出であり、同分野は非住宅建設支出の中で最も堅調な領域の一つとなっている。
この結果は、穀物価格の低迷に伴う農業機械需要の長年の低迷からの転換点を示すものである。また、AI支出がテックセクターをはるかに超えて設備メーカーにまで及ぶなど、経済全体に浸透しつつある様子を浮き彫りにしている。
ディアの業績発表は、この日で最も強い決算反応の一つを呼んだ。