米国、マダガスカルのレアアース事業を最大484万ドルで支援
重要ポイント
- •DFCはマダガスカルのAmpasindavaレアアース事業に最大484万ドルを拠出する。
- •Harena Rare Earthsは同事業の75%を保有しており、総投資額は約1億5,000万ドルと見積もられている。
- •事業は2028年半ばまでに年間約4,000メトリックトンのレアアース酸化物生産を目指し、そのうち約1,700メトリックトンが磁石材料となる。
- •中国は世界のレアアース生産の70%以上を占めており、代替供給源の確保は戦略上重要だ。
- •Harenaは現在も許認可、影響調査、パイロットプラントの段階にあり、資金提供発表後にロンドン上場株は上昇した。

米国国際開発金融公社(DFC)は、マダガスカルのレアアース事業に最大484万ドルを拠出することを決定した。これは、戦闘機から電気自動車まであらゆるものを支える鉱物をめぐって中国の支配力を弱めようとするワシントンの広範な取り組みの中で、小規模ながら明確な賭けと言える。
資金の対象は、ロンドン上場のHarena Rare Earths Plcが運営し、75%の持ち分を保有するAmpasindavaイオン性粘土レアアース事業。総投資額は約1億5,000万ドルで、DFCの拠出は事業関係の構築に向けた頭金に近く、全額を賄うものではない。
レアアースがこれまで以上に重要な理由
中国は現在、世界のレアアース生産の70%以上を占めている。対象となるNeodymium、Praseodymium、Dysprosium、Terbiumなどの材料は、EVモーター、風力タービン、民生用電子機器、防衛システムで使われる永久磁石の重要な原料だ。
Ampasindava事業は、2028年半ばまでに年間約4,000メトリックトンのレアアース酸化物生産を目指している。そのうち約1,700メトリックトンが、NdPr(Neodymium-Praseodymium)およびDyTb(Dysprosium-Terbium)といった高付加価値の磁石材料になる見通しだ。
Harena Rare Earthsは現在、必要な許認可手続き、環境・社会影響調査、そして概念実証のパイロットプラントの構築を進めている。商業生産は今後数年以内に始まる見込みで、2028年半ばが目安となる。
より大きな戦略の駆け引き
米国務省は、中国以外からのレアアース供給を多様化するための広範な戦略の一環として、この事業への支援を確認した。
これはDFCによるHarena Rare Earthsへの初めての支援であり、マダガスカルのイオン性粘土鉱床が新たな供給源を探す米国政策当局の注目を集めたことを示している。
ロンドンでHREE.Lとして取引されるHarenaの株価は、この資金提供のニュースを受けて上昇した。1億5,000万ドル規模の事業に付随する484万ドルの政府支援だけで単独に劇的な資本ではないが、米政府がこの事業を財政的に支えるに値する戦略的重要案件とみなしていることを示す信用シグナルとして機能する。
投資家にとっての意味
オーストラリアのLynas Rare Earthsは長年にわたり、最も有力な中国以外の生産者であり、米国もカリフォルニア州のMP MaterialsによるMountain Pass鉱山など国内案件に投資してきた。しかし、これらの事業だけでは中国の規模を相殺できない。
Ampasindavaのようなプロジェクトは、多様化の次の段階を示す。複数の法域に散在する比較的小規模な事業によって、供給集中リスクを抑える役割を果たす。EV、防衛、電子機器などの分野の購入者にとって重要なのは、単一の鉱山が中国を置き換えることではなく、長期的な調達の強靭性を支える複数の供給 विकल्पが生まれることだ。
マダガスカルの1億5,000万ドル規模の事業は、ネバダ州の鉱山にはない実行リスクを伴う。政情安定、許認可の所要期間、インフラ不足、そしてパイロットプラントから商業生産へ拡大する難しさはいずれも大きな課題だ。まだ許認可と調査の段階にある事業として、2028年半ばの生産目標は野心的だ。