トランプ氏の特使トム・バラック氏、ゴラン高原めぐり米政策と決裂、MAGA陣営から辞任要求
重要ポイント
- •トム・バラック氏は、イスラエルが国連決議と国際秩序に反して今なおゴラン高原を占領していると述べた。
- •ローラ・ルーマー氏はバラック氏の発言を批判して辞任すべきだと述べ、マルコ・ルビオ国務長官に訂正を求めた。
- •トランプ氏は2019年の宣言でゴラン高原をイスラエルの一部であると承認し、それまでの米国政策を転換させた。
- •イスラエルは1967年にゴラン高原をシリアから占領し、1981年にイスラエル法の下で併合したが、この併合は国際的承認を得ていない。
- •コロンビアは8月10日、ゴラン高原に対するイスラエルの支配を正式に承認した2番目の国となった。

ドナルド・トランプ大統領の駐トルコ大使が、ゴラン高原をめぐる米国の公式政策に公然と反する発言を行った。イスラエルは国連決議に逆らって同地域を支配していると主張したこの発言は、大統領自身の支持運動の内部からの反発を招いている。
トム・バラック氏はトランプ氏のシリア・イラク担当特使も務めており、金曜日にレバノン系オーストラリア人起業家マリオ・ナワファル氏とのインタビューでこの発言を行った。この発言は、同氏が仕える政権の代表的な外交政策の一つと真っ向から対立するものであり、ゴラン高原の法的地位が長年外交上の争点となっている地域に波紋を投げかけた。
「シリアとのゴランでは、彼らは国連決議に反し、ゴランはシリアのものだとしてきた国際秩序すべてに逆らって、今なおゴランを占領している」とバラック氏はミドルイースト・アイに語った。
反発は即座に広がった。トランプ氏の親密な盟友である極右活動家のローラ・ルーマー氏はXに投稿し、バラック氏は「米国の外交政策を理解していないのだから辞任すべきだ」と述べた。また同氏はマルコ・ルビオ国務長官に大使を正すよう求め、根拠を示さないまま、バラック氏は「アラブの資金に操られている」と主張した。
この決裂は、この問題におけるトランプ氏自身の足跡を踏まえると衝撃的である。2019年3月25日、トランプ氏は宣言に署名し、「米国はゴラン高原がイスラエル国の一部であることを承認する」と宣言、満面の笑みを浮かべるベンヤミン・ネタニヤフ首相とともに数十年にわたる米国の政策を転換させた。
イスラエルは1967年の戦争でこの戦略的に重要な高原をシリアから奪い、1981年にイスラエル法の下で正式に自国に編入した。この併合は国際的な承認を一度も得ておらず、国連決議はイスラエルに対し1967年6月4日のラインへの撤退を引き続き求めている。
ワシントンはこの併合を承認する唯一の国であり続けてきたが、今月に入り、コロンビアが8月10日にゴラン高原に対するイスラエルの支配を正式に承認する2番目の国となったとThe Media Lineが報じた。
バラック氏の矛盾した発言は、トランプ政権が地域の他の戦線で圧力を強めているさなかに出たものだ。トランプ氏は今週、イランに対する「前例のない」経済戦争を発表し、テヘランに核計画の放棄とホルムズ海峡の再開を強いる「経済Dデイ」を約束した。こうした地域全体を視野に入れたメッセージ発信により、ホワイトハウスがイランに強硬姿勢を示し続けるなかで、バラック氏の発言と政権の公式路線との乖離はとりわけ目立つものとなっている。
一方、マスード・ペゼシュキアン・イラン大統領は国営メディアに対し、「全世界がわれわれの勝利を承認しており、米国は嫌われている」と述べたとSeattle Timesが報じている。