SanDiskとKioxia、日本のNANDメモリ工場に310億ドル超を投資へ
重要ポイント
- •SanDiskとKioxiaは今後6年間で310億ドル超を日本のNAND生産に投資する計画で、これは25年間の提携で日本に投じた総額の約60%に相当する。
- •中心は北上市に新設するFab3工場で、推定費用は約113億ドル、2029年度以降の稼働開始を予定している。
- •両社は投資総額の約3分の1について日本政府の支援を求めており、計画の実現はこの支援が条件となっている。
- •投資は、データセンターで使用される高密度フラッシュメモリに対するAI関連需要の急増が背景にある。
- •2034年12月まで延長された合弁事業はKioxiaのBiCS Flash 3D NAND技術を共同開発しており、歴史的にサムスンに次ぐ世界第2位のNAND生産者である。

SanDiskとKioxiaは、今後6年間で310億ドル超を日本のNANDフラッシュメモリ生産に投資することを確約した。この額は、両社が25年にわたる提携の中で日本に投じてきた総額の約60%に相当し、それをその期間の4分の1足らずの間に集中して投入するものである。
8月27日に発表された投資は総額約5兆円で、三重県の四日市と岩手県の北上という既存2施設のインフラ更新および技術改良に充てられる。計画の中心となるのは、北上サイトに新設する製造工場「Fab3」である。
Fab3工場
Fab3単独の推定費用は1.8兆円、約113億ドルに上る。この単一施設が投資総額の3分の1以上を占め、稼働開始は2029年度以降が見込まれている。
参考として、KioxiaとSanDiskの合弁事業はこの4半世紀で日本に500億ドル超(約9兆円)を投資してきた。2032年までにさらに310億ドルを加えることは、資本投入の大幅な加速を意味する。
両社は今回の投資を、AIワークロードによる高密度フラッシュメモリ需要の急増に明確に結び付けている。AIデータセンターは学習データセット、モデルチェックポイント、検索負荷の高い推論ワークロードのために大容量ストレージに依存しており、業界全体でNANDサプライヤーが生産能力を拡張している。
前提条件としての政府支援
この310億ドル計画は、日本政府の支援を条件としている。発表と同日、KioxiaとSanDiskのCEOは高市早苗日本首相と会談し、政府による資金調達の可能性について協議した。両社は投資総額の約3分の1について公的支援を求めていると伝えられている。
この要請は、東京がTSMCの熊本工場や先端チップベンチャーのRapidusなど国内主要半導体プロジェクトに補助金を交付してきた近年の日本の産業政策の方向性と一致する。北上における過去のKioxia・SanDiskの生産能力拡張も政府支援を受けている。
提携が生み出すもの
KioxiaとSanDiskはメモリ業界において長年の実績を持つ。2026年1月に2034年12月まで延長された両社の合弁事業は、半導体業界で最も持続力のある提携の一つである。両社はKioxiaの3D NAND技術であるBiCS Flashを共同製造しており、現行の第10世代は両社の共同開発によるものである。
3D NANDは、メモリセルを平面上に配置するのではなく垂直に積層する技術である。世代が進むごとに層数が増え、物理的な面積を比例的に増やすことなく記録密度を高めることができる。
KioxiaとWestern Digital(SanDiskの最近の分離前の親会社)は、歴史的にサムスンに次ぐ世界第2位のNANDメーカーであった。NAND業界は循環性が非常に強く、過去には供給過剰により価格の急落や生産削減が発生したことから、この規模の資本計画は通常、段階的に進められ、需要動向や政府支援を条件とする。
今後数か月で注目されるのは、日本政府が要請された補助金をどのような条件で承認するか、そしてFab3の建設が2029年度以降の稼働目標に向けてどの程度のペースで進むかである。