ニュース株式JPモルガン・チェース、歴史的な時価総額1兆ドルに迫る ダイモンCEOの20年の戦略が実を結ぶ

JPモルガン・チェース、歴史的な時価総額1兆ドルに迫る ダイモンCEOの20年の戦略が実を結ぶ

著者: Fortune Crypto·

重要ポイント

  • JPモルガン・チェースは月曜朝、時価総額が約9,700億ドルとなり、世界で初めて時価総額1兆ドルを達成する銀行となる目前に迫っている。
  • 同社の評価額は、ジェイミー・ダイモン氏がトップに就任する直前の2005年末には1,380億ドルだった。先月は米国の銀行として過去最高の四半期利益を計上した。
  • ダイモン氏の下、JPモルガンは要塞バランスシートを活かし、2008年の金融危機でベア・スターンズとワシントン・ミューチュアルを、15年後の地域銀行危機ではファースト・リパブリックを買収した。
  • ウェルズ・ファーゴのマイク・メイヨ氏は、過去6年間のJPモルガンの時価総額増加の約3分の2が1株当たり利益の倍増によるものと推計。今後7~8年で時価総額2兆ドルに到達する可能性があるとみる一方、その道のりは保証されていないと指摘している。
  • 後継問題は引き続き最重要課題であり、マリアン・レイク氏の辞退後は共同社長のダグ・ペトノ氏とトロイ・ローバ氏が有力候補とみられている。投資家は長年、同社株に10~15%の「ジェイミー・プレミアム」を上乗せして評価してきた。
JPモルガン・チェース、歴史的な時価総額1兆ドルに迫る ダイモンCEOの20年の戦略が実を結ぶ

JPモルガン・チェースは、銀行として史上初の節目に迫っている。

資産規模で米国最大の銀行であるこの金融の巨人は、月曜朝の時価総額が約9,700億ドルで、ささやかな株高が実現すれば、世界で初めて時価総額1兆ドルに到達する銀行となる。2005年12月30日、ダイモン氏がトップに就任する直前の1,380億ドルという評価額とは比べものにならない水準だ。先月、JPモルガンは米国の銀行として過去最高の四半期利益を計上した。

これまで「1兆ドルクラブ」を構成してきたのはテクノロジー企業ばかりだ。2018年にアップルが米国企業として初めてこの水準を突破し、その後マイクロソフト、アルファベット、アマゾン、エヌビディア、メタが続いた。JPモルガンが加われば、銀行としては初めてとなる。

20年にわたる戦略

1兆ドル到達は、ジェイミー・ダイモンCEOが20年かけて磨き続けてきた戦略の最新の成果となる。その戦略とは、危機に耐えうる財務体力を維持し、競合が投資を控えるときにも投資を続け、業界の混乱期を利用して事業を拡大するというものだ。

この組み合わせにより、JPモルガンは競合が圧力にさらされる局面で攻めに出ることが何度もできた。ダイモン氏は長年、同社の「要塞バランスシート」を強調してきた。2008年の金融危機ではこの体力を背景にベア・スターンズと、米国史上最大の銀行破綻となったワシントン・ミューチュアルを買収し、15年後の地域銀行危機では米連邦預金保険公社(FDIC)からファースト・リパブリックを買い取った。

「業界最高水準の投資能力」

ただし、JPモルガンの強みは買収だけにとどまらない。

銀行業界のベテランアナリストであるウェルズ・ファーゴのマイク・メイヨ氏は8月13日のレポートで、JPモルガンの強みは、支店網、銀行員、テクノロジーに多額の投資を行う財務的余裕があり、その投資が生む成長をさらに投資に回せる点にあると指摘した。メイヨ氏によれば、この「フライホイール(好循環)」により、JPモルガンは個人向け銀行、投資銀行、トレーディング、ウェルスマネジメントの各分野で業界をリードするフランチャイズを築き上げてきたという。

メイヨ氏はさらに、この「卓越した成長を実現する業界最高水準の投資能力」が、同社が今後7~8年で時価総額2兆ドルに到達する後押しになると付け加えた。

とはいえ、2兆ドルへの道が保証されているわけではない。メイヨ氏は、過去10年には同氏が「本物の」とみなす景気後退がなく、異例に堅調な市場が業界全体の収益を押し上げてきた点を指摘する。また、JPモルガンの株価は、金融危機以降でほぼ最高水準の予想利益倍率で取引されている。

そのため、利益を成長させ続けることがいっそう求められている。メイヨ氏の推計では、過去6年間のJPモルガンの時価総額増加のうち約3分の2は1株当たり利益の倍増によるもので、株価がより高い倍率で評価されたことによる部分は3分の1にとどまるという。

ダイモン氏の後

JPモルガンの強みが真に組織に根付いたものかどうかを試す最大の試練は、ダイモン氏が退任するときに訪れるかもしれない。

70歳のダイモン氏は2006年から会長兼CEO(最高経営責任者)としてJPモルガンを率いており、米国の主要銀行の中で最も長く在任する経営者である。投資家は長年、同社株に10~15%の「ジェイミー・プレミアム」を上乗せして評価してきた。メイヨ氏は、JPモルガンの企業文化と経営陣の強さを維持することが業績を持続する上で決定的に重要だと記し、目前に迫る後継者問題にも言及した。

「CEOの後継問題は今後も最重要課題であり続けるだろう」と同氏は記した。

ダイモン氏の後継者を巡る問題は、米国企業界で最も長く続く懸案の一つだ。マリアン・レイク氏が辞退した後は、最近共同社長に就任したダグ・ペトノ氏とトロイ・ローバ氏が有力候補とみられている。

この記事は元々、Fortune.comに掲載されたものです。