ビスタ・エナジー(VIST)株、ピーター・ティール氏のファンドが7,600万ドルの保有を開示し5.67%上昇
重要ポイント
- •金曜日に公表されたフォーム13Fによると、ティール・マクロは6月30日時点で約7,600万ドルに相当するビスタ・エナジーの米国預託証券(ADS)約120万株を保有していた。
- •ビスタ・エナジーの持ち分は、約1億1,800万ドルのアマゾン保有に次ぐ、当四半期のファンドで2番目に大きい開示済み株式保有だった。
- •ティール・マクロの新規開示7銘柄のうち6銘柄がエネルギー関連で、アメリカン・エレクトリック・パワー、DTEエナジー、ファーストエナジー、CMSエナジー、ビストラのほか、小型モジュール炉開発企業のX-エナジーが含まれていた。
- •アルゼンチン最大の独立系エネルギー企業であるビスタ・エナジーは、バカ・ムエルタ層でシェール油資源を開発しながら、同国に65億ドル超を投資してきた。
- •ピーター・ティール氏は4月にブエノスアイレスへ移住し、政府が外国投資の誘致を進めるなか、ハビエル・ミレイ大統領や政権高官と面会している。

月曜日、ピーター・ティール氏のヘッジファンドがアルゼンチンの石油生産会社ビスタ・エナジーへの大型保有を開示したことを受け、同社株価が急上昇した。ニューヨーク証券取引所で「VIST」として取引される同社株は、規制提出書類が同社に新たな注目を集めたことで5.67%上昇し、72.18ドルとなった。この開示は、ティール・マクロ(Thiel Macro)によるエネルギー・公益事業会社へのエクスポージャー拡大をも浮き彫りにした。
ティール・マクロ、7,600万ドルのビスタ・エナジー持ち分を開示
金曜日に公表された規制提出書類によると、ティール・マクロLLCは6月末時点でビスタ・エナジーの米国預託証券(ADS)約120万株を保有していた。この書類はフォーム13Fと呼ばれる、米国の上場株式を1億ドル超で管理する米国の機関投資家が証券取引委員会(SEC)に提出を義務づけられる四半期ごとの開示であり、6月30日時点の保有状況を報告するものであるため、同日以降に保有状況が変化している可能性もある。当該持ち分の価値は約7,600万ドルで、ビスタは第2四半期における同ヘッジファンドの最大級の開示済み保有銘柄の一つとなった。
報告期間中、ビスタ・エナジーの持ち分はティール・マクロのアマゾン保有に次ぐ規模だった。ファンドは四半期末時点で約1億1,800万ドル相当のアマゾン株49万5,000株を保有しており、ビスタがティール・マクロの開示済み上場株式ポートフォリオのかなりの部分を占めていたことを意味する。
ビスタ以外にも、ティール・マクロは発電、公益事業、エネルギーインフラに関連する複数の企業を新たに組み入れた。新規保有銘柄には、アメリカン・エレクトリック・パワー(American Electric Power)、DTEエナジー(DTE Energy)、ファーストエナジー(FirstEnergy)、CMSエナジー(CMS Energy)、ビスタ・エナジーとは別の米国の電力会社であるビストラ(Vistra)、小型モジュール炉の開発企業であるX-エナジー(X-Energy)が含まれる。ファンドの新規開示7銘柄のうち、実に6銘柄がエネルギー関連事業だった。各四半期終了後45日以内に提出される次回の四半期13F報告書では、これらのエネルギー関連保有が維持、追加、売却のいずれになったかが判明する。
ビスタ・エナジー、バカ・ムエルタでの事業を拡大
ビスタ・エナジー(Vista Energy, S.A.B. de C.V.)はアルゼンチン最大の独立系エネルギー企業として事業を展開し、シェール油の生産に重点を置いている。同社はネウケン盆地のシェール層バカ・ムエルタで資源開発を進めており、米国エネルギー情報局(EIA)の評価では同層は世界最大級のシェール油・シェールガス資源に数えられている。アルゼンチンが石油生産の拡大と国際的なエネルギー輸出を追求するなか、同社の事業は拡大してきた。シェブロン、シェル、トタルエナージュといった国際石油メジャーも、同国で最も重要な非在来型エネルギー地域の一つである同盆地で鉱区を保有している。
ビスタは生産能力とインフラの構築を進めながら、アルゼンチンに65億ドル超を投資してきており、バカ・ムエルタの豊富なシェール資源を活用して同国石油産業における地位を強化してきた。一方、事業環境の改善により、アルゼンチンのエネルギー部門にエクスポージャーを持つ企業への関心が高まっている。
ハビエル・ミレイ大統領の政権は、複数の産業にわたって外資を呼び込むことを目指す経済改革を推進してきた。アルゼンチンが石油、天然ガス、リチウム、鉱物資源を豊かに保有していることから、エネルギーはこの戦略の中核に位置している。こうした政策は、国際的な資産運用会社の間で高まるビスタ・エナジーの存在感を支える重要な背景となっている。
ピーター・ティール氏、アルゼンチンとの結びつきを強化
ティール氏は今年初め、米国から家族とともにブエノスアイレスに移住した。4月の到着以降、ミレイ政権の幹部らとより緊密な関係を築いており、ビスタ・エナジーへの保有は、拡大を続けるアルゼンチンのエネルギー産業との金融面での大きな結びつきを新たに加えるものとなっている。
移住後、ティール氏は経済大臣ルイス・カプト氏および規制緩和大臣フェデリコ・ストゥルセネッガー氏と会っており、ミレイ氏がアルゼンチン経済の変革を進めるなかで、大統領顧問のサンティアゴ・カプト氏とも面会している。また今年初めには、政府の外資誘致の取り組みのさなかに、ティール氏はミレイ大統領自身とも協議を行った。
開示を受けてビスタ・エナジー株は5.67%上昇して72.18ドルとなり、時間内の強い上昇基調をさらに伸ばした。7,600万ドルの持ち分により、同石油生産会社はティール・マクロの報告済み株式保有のなかでも最重要級の位置を占めており、今回の提出書類は、エネルギー・電力会社へ向けたファンドのより広範なシフトを裏付けるものとなっている。