退役陸軍中将とアンガス・キング上院議員、トランプ氏の軍事戦略がロシアと中国を勢いづける恐れと警告
重要ポイント
- •退役陸軍中将マーク・ハートリング氏と無所属のアンガス・キング上院議員は、The New York Timesへの共同寄稿で、トランプ政権の軍事戦略がロシアと中国を勢いづける可能性があると警告した。
- •両氏は、米国によるウクライナ支援の縮小と、ドイツおよび東欧での米軍削減によって、ウクライナを越えて侵略が拡大した場合にワシントンは同盟国を守らないとプーチン氏が判断する可能性があると主張した。
- •両氏は、約7カ月にわたるイランとの戦争によって米国の弾薬備蓄が減少し、米国の地域基地の脆弱性が露呈したことで、プーチン氏と習近平氏に米軍の限界に関する洞察を与えたと指摘した。
- •論説は、ルーマニア上空のドローン、ドイツでの破壊工作、ポーランド領空へのミサイル侵入など、ロシアの挑発が強まっており、NATOを巻き込む衝突のリスクが高まっていると指摘した。
- •ハートリング氏とキング氏は、ウクライナ支援の再開、対ロシア制裁のより厳格な執行、東欧からの米軍撤退の撤回を政権に求めた。

退役した米陸軍の三つ星将軍と、無所属の米上院議員が、ドナルド・トランプ大統領の軍事戦略によってロシアと中国が勢いづき、米国とNATO同盟国がより大きなリスクにさらされる可能性があると警告している。
退役陸軍中将マーク・ハートリング氏とメイン州選出のアンガス・キング上院議員は、月曜日にThe New York Timesに共同寄稿した論説で、トランプ政権が「戦略の不可解な放棄」によって米国の信頼性を損なったと主張した。両氏によれば、抑止力は2つの柱に基づく。敵対的な侵略に対応できる軍事能力を持つこと、そしてワシントンがその能力を行使する用意があると敵対者に確信させることだ。両氏は、特にイランに対するトランプ氏のアプローチによって、米国が無防備な状態に置かれていると論じた。
この論説は、NATO領域全体でロシアの挑発が強まっているパターンを指摘している。例として、ルーマニア上空を飛行するドローン、ドイツでの破壊工作、ポーランドの領空に侵入したミサイルを挙げた。NATOの設立条約は、加盟国の1カ国に対する武力攻撃を全加盟国への攻撃とみなすことを定めており、こうした事案は同盟内で特に敏感に受け止められる。両氏は、これらの事案によって同盟を巻き込む衝突の危険が高まったと述べた。
欧州における米陸軍部隊の元司令官であるハートリング氏と、上院軍事委員会および情報特別委員会に所属するキング氏は、ロシアとの紛争が続く中で政権がウクライナへの支援を縮小したことを、米国の決意が弱まっている証拠だと指摘した。また、ドイツに駐留する米軍の規模縮小や、東欧でのローテーション展開の縮小も批判した。こうした動きによって、ロシアのウラジーミル・プーチン大統領が、ウクライナを越えて侵略を拡大した場合にワシントンは同盟国を支援しないと判断する可能性があると論じた。
両氏は、イランとの戦争が別の弱点を露呈させたと述べた。約7カ月に及ぶ戦闘の後に米国の弾薬備蓄が減少したことに加え、米国の地域基地が攻撃に対して脆弱であることが、米国の敵対者に軍事上の弱点を明らかにしたという。備蓄水準は、補充が短期間では回復できない防衛生産能力に左右されるため、軍事的な即応態勢を測る指標として広く扱われている。両氏は、イランがプーチン氏と中国の習近平国家主席に「われわれの戦術と軍事力の限界についての講義」をしたと表現した。さらに、トランプ氏はこの紛争で軍事目標をほとんど達成できていないと付け加えた。
両氏はまた、昨年イエメンのフーシ派勢力に対して実施された52日間の爆撃作戦にも言及した。この作戦は、紅海を通過する船舶に対する同勢力の脅威を取り除くことにほとんど成果を上げなかったと指摘した。
これらの要因が重なれば、米国には長期戦を継続する資源も決意もないと敵対者が結論づける可能性があると、両氏は警告した。ロシアや中国の軍事能力はイランをはるかに上回るため、こうした判断はより重大な意味を持つという。
ハートリング氏とキング氏は、政権に対し、ウクライナへの支援を再開し、対ロシア制裁をより厳格に執行し、東欧からの米軍撤退を撤回するよう求めた。また、トランプ氏に対して、米国と欧州の長年にわたる同盟関係を損なうことをやめるよう訴えた。こうした提言は、読者が注視すべき具体的な指標を示している。ウクライナへの米軍事支援の水準、対ロシア制裁の執行の厳格さ、欧州における米軍展開の規模はいずれも、政権の政策運用の変化が論説で提起された懸念に直接応える分野だ。
両氏は、信頼できる抑止力を回復できなければ、深刻な結果を招く可能性があると論じた。ウクライナを見捨てることは、さらなる侵略への「招待に近い」メッセージを送ることになると述べた。両氏は、政権が「殺傷力とテストステロン」を重視しても、自分たちが有害だとみなす軍事・外交上の決定を埋め合わせることはできていないと結論づけた。