グリーンボンド、持続的な課題にもかかわらず四半期で過去最高を記録
重要ポイント
- •ムーディーズによると、2026年第2四半期のグリーンボンド世界発行額は主に欧州の発行体に牽引され、過去最高の1,930億ドルに達した。
- •2012年の26億ドルから2023年の5,750億ドルへの急増にもかかわらず、グリーンボンドは世界の債券市場の約3%にとどまっている。
- •IEEFAは、規制の複雑さ、高い発行コスト、グリーンウォッシング、「グリーン」「サステナブル」の定義の不整合を低調な普及の理由として挙げている。
- •2024年後半に施行されたEUグリーンボンド基準は、EUタクソノミーに整合した自主的枠組みを発行体に提供し、市場の信頼性と比較可能性を強化する。
- •英国のシンクタンクは、世帯のエネルギー料金を年間約250ポンド削減できると試算される国が保証する「ソーラーボンド」構想を提案している。

グリーンボンドは依然として世界の債券市場のごく一部にすぎないが、気候変動などの環境問題への消費者の関心が高まる中、同セクターには大きな成長潜在力がある。グリーンボンドの発行は、グリーントランジション(緑の転換)を進める世界中の政府を支援することにもなり得る。
グリーンボンドは、再生可能エネルギー、クリーンな輸送、汚染削減など、環境に配慮したプロジェクトに資金を提供するものであり、持続可能性と気候変動対応を重視する投資家を引き付けたい政府や企業の手段となっている。企業がより厳格な環境・社会・ガバナンス(ESG)の実務を事業に組み込むにつれ、市場も拡大してきた。
グリーンボーン戸は税額控除や免除などの税制上の優遇措置を持つことが多く、投資家にとってより魅力的なものとなっている。気候ボンド基準委員会(Climate Bonds Standard Board)など、個々のグリーンボンドが設計どおりの環境効果をもたらすことを確保するため、複数の公式機関がこの分野を監督している。
2012年には世界で合計26億ドルのグリーンボンドが発行されたが、この数字は近年劇的に増加し、2023年には5,750億ドルに達した。このうち政府が発行したのは1,900億ドルだった。より多くの企業がESGの実務を採用し、複数の政府がグリーントランジションを目指す中、グリーンボンドへの需要は今後も増加すると見込まれる。海洋・水関連プロジェクトのために長期的な環境効果を目的として資金を調達するブルーボンドの発行も近年増加している。
格付機関ムーディーズの報告によると、2026年第2四半期のグリーンボンドの世界発行額は1,930億ドルに達し、主に欧州の発行体に牽引されて記録的な四半期となった。欧州がグリーンボーン戸発行で主導的な役割を果たしていることは、EUがNextGenerationEU復興プログラムを通じてEUタクソノミーに基づくグリーン投資に資金の相当部分を充て、世界最大のグリーンボンド発行体となっていることと整合している。ムーディーズの報告全体では、グリーン、ブルー、ソーシャル、サステナビリティ、サステナビリティ・リンクド、トランジションボーン戸を含むラベル付きサステナブルボンドの世界発行額は、2026年第2四半期に前年同期比4%増加した。
こうした成長にもかかわらず、グリーンボンドが世界の債券市場に占める割割合は約3%にとどまっている。エネルギー経済・金融分析研究所(IEEFA)の報告によると、このセクターの低調な普及は、規制の複雑さ、高い発行コスト、グリーンウォッシング、そして「グリーン」「サステナブル」の定義の不整合に主に起因する。それでも、同セクターは世界的なグリーントランジションに沿って大幅な成長の潜在力を秘めている。
IEEFAのサステナブルファイナンス・コンサルタントであるラバニヤ・プラカシュ・ジェナ氏は次のように説明した。「グリーンボンドのラベリングは、その信頼性、透明性、有効性の中心にある。しかし、グリーンボンドはその効力を損ないうる重大な課題、とりわけグリーンウォッシングに直面している」
ジェナ氏はさらに付け加えた。「堅牢なモニタリングと報告の仕組みの欠如がグリーンウォッシングを悪化させており、グリーンボンドが本来の目的である真に持続可能なプロジェクトへの資金提供を達成するためには、この問題への対応が重要だ」
このことは、グリーンボンドのより包括的な定義が確立され、より良いモニタリングと評価の方法が実施されれば、特にグリーントランジションの時期において、グリーンボンドがより魅力的になりうることを示唆している。こうした改善は、報告義務を支えるデータ、技術的専門知識、信頼できる検証サービスへのアクセスがより大きい高所得地域であれば、より実現しやすいだろう。規制当局はこの方向に動いており、2024年後半に施行されたEUグリーンボンド基準は、EUタクソノミーに整合した自主的な枠組みを発行体に提供し、市場全体の信頼性と比較可能性を強化している。
英国では、シンクタンクのCommonwealthが、「ソーラーボンド」構想を通じた太陽光パネルへの普遍的な権利を政府に提供するよう求めている。同構想では、住宅用太陽光発電システムを、国民貯蓄投資、すなわちプレミアムボンドとして知られるモデルに類似した形で資金調達することを提案しており、貯蓄者は構想への資金提供の見返りに現金に対する利子を受け取ることになる。同シンクタンクによれば、これにより消費者は年間約250ポンドのエネルギー料金を削減できるという。
オックスフォード大学環境変動研究所のエネルギー政策・政治経済学上級研究員でCommon Wealthレポートの主執筆者であるドナル・ブラウン氏は、住宅に付随するローンによって世帯が敬遠すべきでないと指摘した。ブラウン氏は次のように説明した。「引っ越しても、ローンと融資は住宅に残り、複雑な手段調査も一切ありません。これは誰もが対象となる国が支える商品です。定額料金の債務不履行率は極めて低く、返済を結びつける安全な方法です」
この構想により、屋上太陽光設置の初期費用を負担できない世帯も、民間のローンプログラムに伴う高いプレミアムなしに太陽光発電の恩恵を受けられるようになる。ソーラーボンドの仕組みは、米国などでインフラ資金調達に既に使われている地方債と類似しており、理解しやすい。成功すれば、この構想は他国政府への青写真となり、住宅用太陽光発電のより広い普及を促す可能性がある。
グリーンボンドは引き続き債券市場全体の中では小さな割合にとどまるものの、成長の潜在力は大きい。グリーンボンドは、企業のESG実務、高まる消費者の持続可能性への関心、政府のグリーントランジション目標に沿って、今後も人気を高めていくと期待されている。
Felicity BradstockによるOilprice.com向け記事