ドレリー世界コンテナ指数、太平洋航路の上昇がアジア―欧州航路の下落を相殺し横ばい
重要ポイント
- •ドレリー世界コンテナ指数の総合値は、太平洋航路の上昇がアジア―欧州航路の下落を相殺し、40フィートコンテナあたり4,465ドルで安定して推移した。
- •上海―ロサンゼルスのスポットレートは5%上昇して40フィートコンテナあたり7,185ドル、上海―ニューヨークは3%上昇して9,587ドルとなり、来週は6件の空航海が発表された。
- •アジア―欧州航路のレートは下落し、上海―ジェノアは10%下落して4,368ドル、上海―ロッテルダムは5%下落して40フィートコンテナあたり4,092ドルとなった。
- •海運会社はサービスの復帰に伴いスエズ運河の通航を増やしており、2023年後半に始まったアフリカ周りの迂回を転換しつつある。
- •ホルムズ海峡付近での攻撃、台風サウデル後の中国港湾の混雑、9月上旬に1日34回の通航に制限されるパナマ運河の渇水制限など、混乱が続いている。

ドレリー世界コンテナ指数(WCI)は、指数連動契約における独立した世界的な基準として長年活用されており、2026年9月3日木曜日に評価された。
購買部門が短期契約を交渉する際や荷主が海上輸送コストを予算計上する際に広く参照されるベンチマークである総合指数は、太平洋航路の上昇がアジア―欧州航路の下落によって相殺され、40フィートコンテナあたり4,465ドルで安定して推移した。地域ごとに逆方向に大きく動くなかで総合指数が安定して推移できるのは、主に空航海を通じた海運会社の輸送力管理によるものであることを示している。
太平洋航路のレートが上昇
上海発ロサンゼルス行きのスポットレートは5%上昇して40フィートコンテナあたり7,185ドルとなり、上海発ニューヨーク行きは3%上昇して9,587ドルとなった。
ドレリーのコンテナ輸送能力インサイト(Container Capacity Insight)によると、来週は6件の空航海が発表されており、今週の2倍となり、輸送能力の減少を示している。空航海とは海運会社が計画されていた航海を取りやめることで、需要が弱まった際に輸送力を引き上げてレートを下支えする、あるいは需要が堅調な際にレートを守るための標準的な手段である。需要が粘り強く続くなかで海運会社による輸送能力管理が続くため、ドレリーは来週も運賃が安定すると予想している。
アジア―欧州航路のレートが下落
アジア―欧州航路では今週、スポットレートが下落した。上海発ジェノア行きは10%下落して40フィートコンテナあたり4,368ドル、上海発ロッテルダム行きは5%下落して4,092ドルとなった。
ドレリーのコンテナ輸送能力インサイトによると、空航海は今週の4件から来週はわずか1件に減少し、市場に輸送能力が追加される見通しだ。貨物需要が軟化するなか、ドレリーは来週、スポットレートが緩やかに下落すると予想している。太平洋航路で輸送力の引き上げが焦点となる一方でアジア―欧州航路では航海が再開されるという、航路間での輸送能力の移動は、地域の需要とレート状況に応じて海運会社が船舶を再配船する様子を示している。
スエズ運河の通航が拡大
海運会社はスエズ運河経由の通航を増やしており、サービスの復帰に伴い輸送能力が急増する見通しだ。往航で喜望峰経由に迂回することは多大なコスト負担とリードタイムの延長を伴い、海運会社を大きく不利な立場に置く。スエズ航路への本格的な復帰はアジアと欧州を結ぶ最短航路を回復させるものであり、2023年後半にアフリカ周りの大規模な迂回が始まって以来、海運会社や荷主が注視してきた転換点である。
続く混乱
中東の地政学的リスクは高止まりしており、商船への攻撃が続くことでホルムズ海峡へのさらなる混乱が加わっている。台風サウデルの襲来後も中国の港湾は制約が続いており、最近の一連の台風による深刻な混雑に拍車をかけている。一方、パナマ運河では渇水による制限により、9月上旬は1日34回、下旬は32回の通航に制限され、ネオパナマックス船の通航枠は1日9枠に上限が設けられている。このパナマ運河の制限は、2023年以来、アジアと米国東海岸を結ぶ重要な結節点を周期的に逼迫させてきた渇水に伴う通航削減のパターンを続けるものである。
より広範なレートカバレッジ
ドレリーのオンラインサービス「Container Freight Rate Insight(CFRI)」は、世界6,700の港湾ペアを対象とした海上スポット市場の運賃を提供しており、毎月更新(うち2,450は隔週更新)される。
出典:Drewry(Hellenic Shipping News経由、2026年9月5日)