Google DeepMindのGemini 4 Argonエージェントが27時間でMinecraftのエンダードラゴンを撃破
重要ポイント
- •Gemini 4 Argonの4体のエージェントが27時間14分の自律的な協働の末にMinecraftのエンダードラゴンを撃破。DeepMindはこれを汎用AIエージントによるゲームの初の完全自律クリアと位置づけた。
- •エージェントはオープンソースのMineflayer JavaScriptライブラリを通じて動作し、キー入力や視覚的なゲームプレイの解釈ではなく、合計約63,313行のコードからなる2,783個のプログラムを作成・実行した。
- •最初の10分以内に分業が形成され、エージェントは移動、資源収集、生存を自動化する42個の再利用可能なヘルパー関数を作成しながら共有メモリを維持した。
- •ジ・エンドでドラゴンにメンバーを繰り返し倒された後、エージェントは体力を回復させる10個のクリスタルを特定し、土ブロックを積み上げて到達・破壊することに成功した。
- •この実行では約24,000回のモデル呼び出しで約13.5億の入力トークンが処理され、API導入価格で約520ドル、標準価格で1,040ドルのコストがかかった。

Google DeepMindの研究者らは、Gemini 4 ArgonのAIエージェント4体がMinecraftを自律的に完遂し、27時間を超える継続的な協働の末にゲームの最終ボスを撃破できることを実証した。
木曜日に公開された研究論文によると、エージェントは2,783個のJavaScriptプログラムを作成・実行し、229件のメッセージを交換し、エンダードラゴンを倒すまでに605回死亡したという。
この実行は、敵対的な生物の与えるダメージが軽減されるイージー難度の、ランダム生成されたMinecraftサバイバルワールドで行われた。研究者らはエージェントに単一の目標のみを与え、役割の割り当てやゲーム戦略の開発は行わず、試行中の介入も一切しなかった。DeepMindはこの結果を、専用のゲームツールや事前設定されたワールド構成を用いず、汎用AIエージェントによるMinecraftの初の完全自律クリアと説明している。
エージェントは協調し、独自の戦略を構築
各エージェントは、プログラムがゲームと相互作用できるオープンソースのJavaScriptライブラリ「Mineflayer」を通じてMinecraftのキャラクターを操作した。キー入力や視覚的なゲームプレイの解釈ではなく、エージェントはコードを書いてワールド内を移動し、資源を収集し、装備を作成し、敵と戦った。
最初の10分以内に分業が生まれた。あるエージェントは物資を収集し、別のエージェントは道具と探索に集中し、残りのエージェントはゲームのより危険な環境に備えた。エージェントはまた、共有メモリを維持し、位置、戦略、過去の失敗から得た教訓を記録した。実行の過程で、移動、資源収集、生存を自動化する42個の再利用なヘルパー関数を開発した。
あるエージェントは、要塞へと飛行経路が指し示すゲーム内アイテム「エンダーアイ」2個の動きを追跡し、その軌跡が交わる地点を特定することで、隠された要塞の位置を計算した。この推定は実際のポータル部屋から43メートル以内の精度だった。
チームは「ジ・エンド」に進入した後、ドラゴンにメンバーを繰り返し倒され、大きな困難に直面した。突破口となったのは、ドラゴンの体力を継続的に回復させる10個のクリスタルを特定したときだった。エージェントは土ブロックを積み上げてクリスタルに到達して破壊する戦略を編み出し、最終的にボスを撃破した。
実行全体には、6回のサーバー再起動を含めて27時間14分かかった。
長時間の自律的協調の試練
この実験は、限定的な人間の監督のもとで複数段階のタスクを計画・実行するシステムである「エージェント」へとAI業界全体が向かう大きな流れの中で行われた。依存関係のある長期の作業にわたって信頼性の高いパフォーマンスを維持することは、依然として中心的な課題である。
ゲームの完遂にとどまらず、この実験は、汎用AIシステムが継続的な人間の指導なしに数千の依存タスクにわたって協調できるかを検証した。4体のエージェントは合計で約63,313行のJavaScriptを生成し、1日を超える活動を通じて共有戦略を維持した。
研究者らによると、エージェントは約24,000回のモデル呼び出しで、約13.5億の入力トークン(モデルが読み取るテキストとコードの単位)を処理し、1,600万の出力トークンを生成した。Gemini 4 ArgonのAPI導入価格では、ゲームの完遂には約520ドルかかり、標準価格では1,040ドルに上る。モデルはトークン量に応じて課金されるため、コストはエージェント実行の長さと複雑さに直接比例する。
研究者らは、この結果が、AIシステムが長期間にわたって計画、協調、失敗からの回復を行う必要がある複雑なソフトウェア工学や企業ワークフローに関連する能力を実証していると主張した。ただし、実行は管理されたゲーム環境で、視覚的な操作ではなくゲーム情報へのプログラムによるアクセスを用いて行われた。研究者らはまた、タスクの予測可能性が低く、ミスのコストが大きい現実世界の環境に、こうした能力が直接移転するかどうかは、この実験では確立されていないことを認めている。
この留保が今後の注目点を示している。それは、後続の研究が、この種の長時間の監督なしの協調が、行動の取り返しが難しく、誤りが現実の結果をもたらすゲームエンジンの外でも機能することを示せるかどうかである。
それでもなお、この発見は、目標を維持し、ツールを構築し、長い一連の行動にわたって自律的に協働できるAIシステムの進歩を示している。