ブロードコム、AIチップ好況で過去最高の四半期もガイダンスを嫌気し株価は揺れる
重要ポイント
- •ブロードコムの2026会計年度第3四半期の売上高は前年比86%増の296億ドルとなり、カスタムAIアクセラレータとネットワークチップの需要が牽引した。
- •AI半導体売上高は第3四半期に221%増の167億ドルとなり、第4四半期は前年比236%増の217億ドルを見込んでいる。
- •同社はAI半導体事業が2027会計年度に1,150億ドル、2028年には約2,300億ドルに達する可能性があると予測しており、その実現はハイパースケーラー支出の持続にかかっている。
- •カスタムチップの顧客にはOpenAI、Anthropic、Googleが含まれ、Metaも供給開始が見込まれる。2028年までの導入計画を把握しているという。
- •市場予想を上回ったものの、第4四半期の売上高見通し348億ドルがアナリスト予想とほぼ同水準だったため株価は売り圧力に直面し、AIへの高い期待が浮き彫りとなった。

ブロードコム、AIチップ好況で過去最高の四半期も株価は揺れる
ブロードコムは2026会計年度第3四半期に強い業績を達成し、売上高は前年比86%増の296億ドルとなった。カスタムAIアクセラレータとネットワークチップへの需要急増が業績を牽引した。(情報源:Broadcom、Reuters、Wall Street Journal、Yahoo Finance)
AI売上高が221%急増
ブロードコムのAI半導体売上高は当四半期に前年比221%増の167億ドルとなった。同社は第4四半期のAI半導体売上高がさらに加速し、前年比236%増の217億ドルに達すると見込んでいる。ブロードコムのAI事業は2つの主要部門で構成される。汎用GPUの代替として特定のクラウド顧客向けに設計するカスタムアクセラレータ「XPU」と、大規模なAIサーバークラスターを接続するTomahawkやJerichoなどのネットワークスイッチチップである。
2,300億ドルのAI機会
ブロードコムはAI半導体事業が2027会計年度に1,150億ドルに達し、2028年には再び倍増して約2,300億ドルになる可能性があると見ている。この見通しは、ハイパースケーラーやAI研究企業が数千億ドル規模のデータセンター構築に投資するなど、大手テクノロジー企業のAIインフラ支出が急拡大していることを反映している。この支出ペースが維持されるかどうかが長期目標の鍵となる変数であり、投資家はクラウドプロバイダーの設備投資計画を確認材料として注視している。
OpenAI、Google、Anthropicが需要を牽引
ブロードコムは、OpenAI、Anthropic、Googleなどの主要AI開発企業からのカスタムチップ需要の恩恵を受けており、Metaもブロードコム製カスタムチップの供給を受け始めると見込まれている。同社は2028年まで続く主要なAI導入計画を把握していると述べている。カスタムチップモデルにより、ブロードコムは市販GPUの代替を求めるクラウド大手の主要サプライヤーとなっており、Nvidiaと並ぶAIインフラ構築の主要な恩恵企業の一つとなっている。
なぜ株価は下落したのか
市場予想を上回ったにもかかわらず、ブロードコム株は業績発表後に売り圧力に直面した。懸念の中心は、第4四半期の売上高見通し348億ドルが、データセットによっては一部アナリスト予想をわずかに上回るか下回る水準にとどまった点で、投資家はより大きな上振れを求めていた。この反応は、AI関連銘柄のバリュエーション上昇が市場のハードルを引き上げたことを示している。株価が数年間で急騰した後、市場予想と同等かそれをわずかに上回るガイダンスだけでは市場を満足させられなくなっている。
強い業績、高い期待
ブロードコムの調整後1株当たり利益は3.32ドルで、アナリスト予想の3.22ドルを上回り、第3四半期の売上高も市場予想を上回った。しかしAIへの期待がすでに極めて高いなか、投資家はさらに強いガイダンスと、ブロードコムが急速なAI成長を維持できる証拠を求めているとみられる。今後の注目ポイントは、Metaのカスタムチップ量産のペース、新規顧客プログラムの発表、そしてAI売上高が同社の2027・2028会計年度目標に沿って推移するかどうかである。