日銀の日見氏、利上げに関する市場予想へのコメントを回避
重要ポイント
- •日銀の審議委員である日見氏は、次回利上げに関する市場の予想についてコメントを控え、日銀は次の対応を決める前に経済シナリオの実現可能性とリスクを勘案すると述べた。
- •同氏は、中東紛争、AI需要、為替動向を今後の利上げのペースとタイミングを左右する要因として挙げた。
- •日見氏は、日銀が基調的なインフレ率を2%で安定させられるとの確信を示し、経済・物価に関する自身の見立ては7月以降ほとんど変わっていないが、基準シナリオの実現可能性はやや高まった可能性があると述べた。
- •市場では、来月の利上げ確率が約66%と織り込まれており、10月の会合までに25ベーシスポイントの利上げがすでに織り込まれている。
- •USD/JPYは今週159.00を再び上回り、円が弱含みの中、日本当局への圧力が再び高まっている。

日本銀行の政策担当者である日見氏は、次回の利上げに関する市場の予想についてはコメントしないと述べ、日銀は次の政策対応を検討する際に、経済シナリオの実現可能性とそれに伴うリスクを評価すると付け加えた。政策金利を決定する日銀政策委員会の9人のメンバーの一人として、日見氏は政策決定に対する議決権を持っており、会合の合間に委員の考え方がどう変化しているかを探る手がかりとして、その公開発言は注視されている。
同氏によれば、その評価では中東紛争、AI需要、為替変動の影響が考慮される。これらは今後の利上げのペースとタイミングを決定する要素となる。AI需要への言及は、地政学や通貨動向と並んで、技術主導の投資が政策論議を形作る要素に加わったことを示している。
日見氏は、適切な政策運営により基調的なインフレ率を2%で安定させられるとの確信を示し、そのための望ましい利上げのペースとタイミングについては毎回の会合で議論されると述べた。この発言は、2024年3月に8年間続いたマイナス金利政策を終了して以降、政策正常化を進める日銀のもとで、追加利上げの調整が政策当局者の間で繰り返し議論されるテーマとなっている最中に出されたものだ。
自身の見通しについては、日見氏は、経済と物価に関する個人的な見立ては7月の会合以降大きく変わっていないものの、基準シナリオが実現する可能性は7月以降やや高まっている可能性があると指摘した。
同氏は、金融環境が過度に緩和的であれば日銀が利上げペースを速める可能性があるという見解には同意したが、利上げの判断は金融緩和の程度だけで下すことはできないと注意を促した。
これらの発言により、日銀は次の政策対応について明確な指針を示さないままとなった。現状では、トレーダーは来月の利上げ確率を約66%と織り込んでおり、10月の会合までに25ベーシスポイントの利上げがすでに織り込まれている。これは政策当局者が考慮すべき状況となっている。
これとは別に、円の防衛を強化するための日米共同介入には、日銀も役割を果たすという暗黙の了解が含まれていたとの見方が出ている。日本における為替介入は財務省が決定し、日銀がその代理人として執行するため、為替に関する了解の中での日銀の役割を示唆する話は特に注目を集める。
USD/JPY(ドル/円)が今週159.00台を再び上回ったことで、円の継続的な軟調に対処する日本当局には再び圧力がかかっている。日見氏が挙げた要因――中東紛争、AI需要、為替動向――が今後の政策会合に向けてどのように展開するかが、追加利上げのペースとタイミングを巡る議論の方向性を左右していくだろう。