Amazon(AMZN)株、AI投資が記録的な420億ドルのキャッシュ流出を招き下落
重要ポイント
- •Amazonは9月までの12か月間で420億4,000万ドルのフリーキャッシュフロー流出を記録。過去最大の赤字で、2022年6月の過去最高235億ドルのほぼ2倍。
- •Amazon Web Servicesは第3四半期に約460億ドルの売上高を計上し、前年比39%増の約5年ぶりの高成長を達成。営業利益率も約14%と過去最高を記録。
- •Amazonの設備投資は7月から9月で約770億ドルに達し、前年同期の350億ドルの2倍以上。2026年の総設備投資は約2,200億ドルに達すると見込まれる。
- •長期債務は9月末時点で約1,730億ドルに増加(2025年末は約660億ドル)、同じ期間に現金残高は約870億ドルから約560億ドルへ減少。
- •Amazonの5年債を保証するCDSのコストは8月初め以降約50%上昇しており、インプライド・デフォルト確率は約5%から約7%に上昇。

Amazon(AMZN)の株価は2.22%下落して238.37ドルとなった。人工知能(AI)への記録的な投資が同社のキャッシュフローに圧力をかけたためだ。同社は9月までの12か月間で420億4,000万ドルのフリーキャッシュフロー流出を報告しており、これは過去最大の赤字となった。その一方で、AWSの売上成長が加速し、経営陣が積極的な支出計画を維持する中、同社はクラウドインフラの拡大を続けている。
今回の決算は、AmazonのAI投資の規模を浮き彫りにした。クラウド事業は数年で最も高いペースで成長している一方、その成長を支えるデータセンター拡張が記録的なキャッシュ赤字を生み出している。
Amazon、過去最大のフリーキャッシュフロー流出を記録
Amazonの最新四半期決算は、フリーキャッシュフロー状況の急激な悪化を明らかにした。同社は2026年9月までの12か月間で420億4,000万ドルの流出を記録しており、現在の財務指標の公表開始以来最大のキャッシュフロー赤字となった。フリーキャッシュフローとは、営業コストと設備投資を差し引いた後に残る現金のことであり、企業が外部資金ではなく自己資源で拡大を賄えるかを測る広く注目される指標である。
Amazonのキャッシュフロー状況は直近の四半期で急速に弱まっていた。今回の数値は、2022年6月に記録した過去最大の流出額235億ドルをほぼ2倍にするもので、当時の減少は倉庫インフラと配送能力への大量投資に続くものだった。3か月前の時点で、同社のフリーキャッシュフロー流出額は80億ドル未満にとどまっていた。
Amazonがデータセンターなどのインフラを拡大するにつれ、設備投資は急増した。7月から9月の不動産・設備への支出は約770億ドルに達し、前年同期の350億ドルを大幅に上回った。一方、同社はこの四半期に営業活動で約420億ドルを生み出しており、3か月間のキャッシュフロー不足は約330億ドルとなった。
AWSの成長がAmazonの巨額AI投資を支える
支出増加にもかかわらず、Amazonのクラウド事業は第3四半期により強い売上成長を実現した。Amazon Web Servicesは約460億ドルの売上高を計上し、前年比39%増と、約5年ぶりの高い成長率を記録した。AWSの営業利益率も約14%と過去最高を更新しており、クラウドコンピューティングが同社の全体的な営業パフォーマンスに果たす役割が際立っている。
同部門は拡大するコンピューティングインフラを通じて、大手AI顧客の獲得を続けている。6月時点で、Anthropicのコンピューティング契約はAWSの受注残高の約5分の1を占めており、Amazonのクラウドサービスを活用する主要AI開発者からの需要の規模を反映している。受注残高とは契約済みの将来ビジネスを示すものであり、クラウド部門の成長軌道を支える確定需要を測る指標となる。アンディ・ジャシー最高経営責任者(CEO)は、2027年と2028年の両年でAWSの成長率が40%を超えるとの見通しを示している。
Amazonは多額の資金需要にもかかわらず、インフラ拡大を維持する計画だ。同社は2026年の設備投資が約2,200億ドルに達すると見込んでおり、その大部分はAWSを支援するもので、経営陣は2027年にもさらに高い支出を予想している。
債務増加と株価低迷が圧力に
Amazonは拡大するインフラ需要を賄うため、借入への依存を強めている。9月末時点の長期債務は約1,730億ドルに達し、2025年末の約660億ドルから大幅に増加した。同じ期間に、同社の現金残高は2025年末の約870億ドルから約560億ドルへ減少した。
信用市場もAmazonの財務の変化を織り込み始めている。ブルームバーグのデータによると、同社の5年債のデフォルトを保証するクレジット・デフォルト・スワップ(CDS)のコストは8月初め以降、約50%上昇した。この価格に基づく計算では、5年債のインプライド・デフォルト確率は約7%となり、以前の約5%から上昇しており、信用市場での懸念の高まりを反映している。
株価も貸借対照表と並んで圧力を受けている。Amazon株は木曜日に約4%下落し、7月30日以来の安値で引けた。Alphabetを含む主要テクノロジー企業の全般的な弱含みに加え、四半期の売上高・利益、およびホリデーシーズン四半期の利益見通しがいずれも市場予想を下回った後、時間外取引でも下げを拡大した。
今回の下落は、巨額のAIインフラ予算を抱えるテクノロジー企業への圧力の高まりに追い打ちをかける形となった。Amazonにとって中心的な課題は、AWSの加速する売上と記録的な利益率が、2026年に約2,200億ドル、2027年にはさらに増加する支出計画に追いつけるかどうかである。注目すべき指標には、この資本計画の実行状況、経営陣が2027年と2028年に示す40%超の成長軌道にクラウド成長が沿うかどうか、今後の四半期における債務負担と現金残高の推移が含まれる。それでもなお、Amazonは記録的なキャッシュフロー流出にもかかわらず計画された投資スケジュールを維持しており、次回の財務実績は、AWSの成長が同社の拡大するインフラコストをどれだけ効果的に支えているかを示すことになる。
出典:Blockonomi