TSMC決算プレビュー:AIチップ需要が6期連続の過去最高益を実現する可能性
重要ポイント
- •アナリストはTSMCの第3四半期利益を前年比65%増の約7,460億NT$と予測しており、達成すれば6期連続の過去最高四半期益となる。
- •TSMCの第3四半期公式ガイダンスは、売上高446億〜458億ドル、粗利益率65.0%〜67.0%、営業利益率56.0%〜58.0%を示している。
- •9月売上高は前年同月比54.6%増の5,118.57億NT$に達し、1〜9月の売上高は同41.1%増の3兆8,987億2,700万NT$となった。
- •モルガン・スタンレーのアナリストCharlie Chanは、3ナノメートルチップの強い需要を背景に、TSMCが2026年の売上成長率予想を40%前半〜半ばのレンジへ引き上げると見ている。
- •TSMCは決算とともに第4四半期ガイダンスを発表すると見られており、年末に向けた需要についての初の正式な見通しとなる。

台湾半導体製造(TSMC)は、9月売上高が前年同月比54.6%増の5,118.57億NT$だったことを明らかにした翌月として、10月15日午前2時(米東部時間)に2026年第3四半期決算を発表する予定である。ロイターのプレビュー調査で回答したアナリストは、世界最大の受託チップメーカーが6期連続の過去最高四半期業績を達成し、AIチップ需要が引き続き強い中、純利益が65%増の約7,460億NT$に上昇すると見ている。TSMCは業界の主要設計企業の多く向けにチップを製造しており、その業績はAIハードウェア需要を測る指標として広く利用されるため、本決算は半導体業界カレンダーで最も注目される発表の一つに位置づけられている。
本レポートは、TSMCがすでに異例なほど野心的な収益性目標を掲げている四半期について、具体的な数字を裏付けるものとなる。会社側の公式な売上高・利益率見通し、直近の月次売上高、先進チップ需要に対する市場の期待を踏まえると、可もなく不可もない結果の余地はほとんどない。
10月15日の決算:予想と公式ガイダンスの比較
TSMCの投資家向けカレンダーでは、第3四半期決算の電話会議が10月15日に予定されている。前期四半期報告と併せて発表ガイダンスでは、第3四半期の売上高は446億〜458億ドル、粗利益率は65.0%〜67.0%、営業利益率は56.0%〜58.0%としている。四半期報告ごとに新たな見通しを提示する同社の慣行に基づき、TSMCは今回の決算とともに第4四半期ガイダンスを発表すると見られており、これは年末に向けた需要についての同社初の正式な見解となる。
これらの数値は報告済みの実績ではなく、会社側の目標である。一方、7,460億NT$という純利益推計は、ロイターがAOL経由で報じたアナリスト予測である。この区別は重要である。投資家は、TSMCが売上高および利益率のレンジを達成したかどうかに加え、最終利益が外部の期待に織り込まれた水準に達したかどうかを判断することになる。
6期連続の過去最高四半期益となれば、アナリストがAIチップ需要に帰する収益の勢いが継続することになる。10月の発表では、完了した四半期を超える需要と収益性について経営陣の見解が更新されるかどうかも注目されるだろう。
9月売上高が示す四半期末の需要シグナル
TSMCの月次売上開示は、正式な決算発表前に会社が報告する直近の売上の勢いを示す指標である。台湾上場企業では月次報告が標準的な慣行であり、投資家は四半期業績が確定する前に、極めて細かいほぼリアルタイムの視点を得ることができる。10月8日の月次売上報告によれば、9月売上高は前年同月比54.6%増の5,118.57億NT$に達し、1〜9月の累計売上高は前年同期比41.1%増の3兆8,987億2,700万NT$となった。
月次売上高は四半期決算の代替にはならない。四半期の最終的な粗利益率、営業利益率、純利益を確定させるものではなく、売上に伴うコストの動きも明らかにしない。それでも、コンセンサスが利益の大幅な前年比増を予想する今回の決算に先立ち、9月の数字は需要を測るタイムリーな指標となっている。
AIチップと3ナノメートル需要が成長見通しを支える
ロイターのプレビューは、AIチップ需要とコンセンサスの利益予想を結び付けた。この需要により、TSMCの最先端製造能力は投家にとって中心的な関心事となっている。先進的なAIアクセラレータは入手可能な最も先進的なプロセスノード上で製造され、その製造能力は少数の受託チップメーカーに集中している。純利益65%増という予測は会社側の予測ではなく外部推計であるが、当四半期に期待される成長の規模を示している。
ロイターの報道によれば、モルガン・スタンレーのアナリストCharlie Chanは、3ナノメートルチップの強い需要を背景に、TSMCが2026年の売上成長率予想を40%前半〜半ばのレンジへ引き上げると見ている。これは会社が言及する可能性についてのアナリストの見解であり、TSMCの改訂ガイダンスが確認されたものではない。
この区別が特に重要であるのは、通年見通しの上方修正は強い四半期実績とは異なる重みを持つためである。完了した四半期による上振れは直近の執行力を確認するものだが、上方修正は経営陣が年間の前提を変更するだけの持続的需要を見込んでいることを示すことになる。
売上成長が収益レバレッジに転化しているかを示す利益率
売上成長だけでは決算の評価は決まらない。TSMCは第3四半期について粗利益率65.0%〜67.0%、営業利益率56.0%〜58.0%のガイダンスを出しており、10月15日の評価対象において収益性は中心的位置づけとなっている。粗利益率は生産コスト控除後に残る売上の割合を捉えるものであり、このレンジは同社が最先端製造能力に対してどの程度の価格決定力を持つかを測る指標として読まれることになる。
参考として、TSMCは第2四半期経営報告によれば、2026年第2四半期の純利益率を55.6%と報告しており、前年同期の50.5%から上昇した。純利益率は第3四半期ガイダンスの粗利益率・営業利益率の指標と直接比較できないが、この上昇は、売上の拡大に伴い最終的な収益性も改善してきたことを示す直近の証左となっている。
10月15日のポイントは、TSMCが掲げたレンジと実績の比較であり、9月の54.6%という売上成長と、AIおよび3ナノメートルチップに対する報告された需要が、過去最高益の期待を維持できるかどうかが投資家によって評価される。