ニュース株式Stifel、Microsoft(MSFT)の目標株価を530ドルに引き上げるも「保有」評価を維持

Stifel、Microsoft(MSFT)の目標株価を530ドルに引き上げるも「保有」評価を維持

著者: Coincentral·

重要ポイント

  • StifelはMicrosoftの目標株価を450ドルから530ドルに引き上げた一方で「保有」評価を維持しており、ウォールストリートの32件の「買い」評価と1件の「保有」評価の中で少数派となっている。
  • M365 Copilotの採用は2026年度下半期に加速し、週次エンゲージメントはOutlookやTeamsに匹敵する水準に到達。顧客は試験導入から本格導入へ移行しつつある。
  • Azureの成長率は2026年度第4四半期に前期の39%から43%に上昇し、2027年度第1四半期のガイダンスは45%に設定された。
  • Microsoftは座席数プラス従量課金の価格モデルを採用しており、成果連動型の価格設定は当面期待されていない。
  • Microsoftは2027年度に3つの事業セグメントを2つに統合し、AIインフラとクラウド生産性をめぐる事業評価をより的確に反映する。
Stifel、Microsoft(MSFT)の目標株価を530ドルに引き上げるも「保有」評価を維持

Microsoft(MSFT)株は510ドルで取引されています。今週、同社アナリストが経営幹部と会合を持ったことを受け、Stifelは目標株価を450ドルから530ドルへ引き上げました。しかし目標価格の引き上げにもかかわらず、Stifelは「買い」への格上げではなく「保有」評価を維持しています。アナリスト全体ではMicrosoftに対して「強い買い」のコンセンサスが形成されており、買い相当の評価を見送る数少ない大手の一つとなっていることから、このスタンスは注目されます。

アナリストのBrad Reback氏は、条件が変わらない限り今後の上昇余地は限定的との見方を示しました。Azureの成長が有意に再加速するか、資本支出の伸びがAzureの成長率を下回るまで鈍化しなければ、株価の再評価(リレーティング)は期待できないとしています。この動向は、大手クラウド事業者の資本支出をめぐる投資家の議論を反映したものです。クラウド収益が加速する一方で、巨額のAIインフラ投資がフリーキャッシュフローを圧迫しています。Reback氏の最大の懸念は競争圧力です。Googleがシェアを拡大しており、MicrosoftとOpenAIの提携関係はかつてほどの優位性をもたらさなくなっています。Google CloudやAmazon Web ServicesもAIワークロードの獲得に激しく競争している状況です。

会合にはMicrosoftの上級財務幹部が出席し、収益化戦略、データセンターの効率性、AI製品の展開などが話題になりました。

中心的なテーマはM365 Copilotでした。経営側によると、2026年度下半期に採用が急加速し、週次のエンゲージメントは現在、OutlookやTeamsといったコアツールに匹敵する水準に達しています。Reback氏は、顧客が小規模な試験導入から本格導入へ移行しつつあると指摘しました。これは重要な変化であり、更新レポートにおける楽観論の大半を支える要因となっています。試験導入を有償かつ継続的な利用につなげられるかどうかが、AI投資が継続的なソフトウェア収益に転換されるかを左右するため、AI生産性ツールの企業への本格普及は業界全体の重要な問いとなっています。

Copilotと価格戦略

経営側は価格アプローチについても説明しました。Microsoftは座席数プラス従量課金モデルを採用しており、成果連動型の価格設定は当面期待されていません。E5、M365 Copilot、E7を含むM365のプレミアムアップセルが、穏やかな収益加速を牽引しています。座席数の増加が低価格帯に偏る中、経営側はプレミアムアップグレードによるユーザーあたり平均収益の方が、単純な数量より重要だと述べました。このアプローチは、従来の座席課金に従量制要素を上乗せするというソフトウェア業界全体の潮流と一致しています。

Reback氏は、経営側が価格設定について選別的に対応し、Microsoftが明確な製品優位性を持つ分野で主に値上げを進める計画だと強調しました。

資本支出については、経営側は迅速な収益化につなげるため、データセンターの効率改善に注力していると説明しました。Reback氏は、これにより今年初めに自身が予想していたよりも利ざや圧迫が抑えられる可能性があると指摘しています。

Azureとウォールストリート全体の見方

Azureの成長率は2026年度第4四半期に43%に上昇し、前期の39%から加速しました。2027年度第1四半期のガイダンスは45%に設定されています。多くのアナリストがMicrosoftのAI需要を最も明確に示す指標とみなすのがAzureの成長であり、Stifel自身の格上げシナリオもここに懸かっています。

BofA Securitiesは、Azureの加速と同社のAI成長戦略を理由に、Microsoftの目標株価を600ドルへ引き上げました。KeyBancは、Microsoftの recent segment reporting restatement を受け、「増持」評価と600ドルの目標株価を維持しています。

Microsoftはまた、2027年度に向けて3つの事業セグメントを2つに統合します。これは特にAIインフラとクラウド生産性の観点で、経営陣が事業をどう評価しているかをより的確に反映することを目的とした動きです。

また、別の動きとして、Microsoftが出資するアブダビのAI企業G42が数十億ドル規模の資金調達ラウンドを検討していますが、最終決定には至っていません。

ウォールストリート全体では、MSFTに対して32件の「買い」評価と1件の「保有」評価による「強い買い」コンセンサスが形成されており、Stifel自身がその少数派に位置しています。平均目標株価571.41ドルは現在水準から14.4%の上昇余地を示唆しています。MSFT株は年初来わずか4%の上昇にとどまっており、この鈍い伸びが、AI勢いをすでに株価に織り込んだか否かをめぐってアナリストの見解が分かれる一因となっています。