SLB、AIデータセンター好況に34億ドルの賭け
重要ポイント
- •SLBはKelvionの買収に現金約34億ドルを支払い、7億ドルの債務を引き受ける。取引完了は規制当局の承認を条件に2027年上半期の見通し。
- •Kelvionは2026年に23億〜24億ドルの収益を見込んでおり、そのうち12億〜13億ドルは最大かつ最も成長の速い市場であるデータセンター部門から。
- •この買収により、SLBの供給するデータセンター容量1ギガワットあたりの獲得可能収益は2倍以上になり、3年以内に年間1億2,000万ドルのEBITDAシナジーを期待。
- •SLBは2028年までに、統合したデータセンターソリューション事業で45億〜50億ドルの収益と7億〜8億ドルの調整後EBITDAを目指す。
- •7月のLiberty Energyとの戦略的提携(モジュール型データセンターインフラと発電能力の統合)に続き、この買収は油田サービス以外への多角化をさらに進めるもの。

世界最大の油田サービス企業が、AI電力ブームを支えるインフラ分野への拡大に34億ドルを投じる。SLBは月曜、ドイツの冷却機器メーカーKelvionを買収すると発表した。同社によると、この買収により供給容量1ギガワットあたりの収益機会が2倍以上になる。
SLBはKelvionの買収に現金約34億ドルを支払い、さらに7億ドルの債務を引き受ける。取引は規制当局の承認を条件に、2027年上半期に完了する見通しだ。SLBは3年以内に年間1億2,000万ドルのEBITDAシナジーを見込んでいる。
Kelvionは今年、23億〜24億ドルの収益を生み出す見込みで、そのうち12億〜13億ドルをデータセンター部門から得る。データセンターは現在、同社にとって最大かつ最も成長の速い市場となっている。同社の熱交換器および熱管理システムは、ヒートポンプ、再生可能エネルギー、カーボンキャプチャー、産業プロセスといったエネルギー市場にも活用されている。AIアクセラレータが各ラックに集中的に発熱を生みさせるなか、冷却はデータセンター建設者にとって重大な制約となっており、熱管理はデータセンターインフラ支出の中で最も急成長している分野の一つとなっている。
この買収により、SLBが供給するデータセンター容量1ギガワットあたりに狙える収益は2倍以上になる。SLBは、既存のData Center Solutions事業の収益が2024年から2026年の間に年率90%超で成長し、年末までに累積供給容量が2GWを超えると予想している。
SLBはプレスリリースで、2026年にデータセンター事業とKelvionの合算で20億ドル超のデータセンター収益と、プロフォルマベースで約3億ドルの調整後EBITDAを生み出すと予想している。同社は2028年までに、統合したデータセンターソリューション事業から45億〜50億ドルの収益と7億〜8億ドルの調整後EBITDAを目指している。
SLBはKelvion買収より前からデータセンターインフラ分野への進出を進めており、エンジニアリング能力とハイパースケーラーとの関係を活かして油田サービス以外の新事業を構築してきた。この動きは、顧客がエネルギー転換期に支出を抑制するなかで、油田サービス企業が掘削関連業務以外への多角化を図るより広範な動きを反映している。7月にはLiberty Energyと戦略的提携を結び、SLBのモジュール型データセンターインフラとLibertyの発電能力を組み合わせた。Kelvionの買収は、このインフラ事業に冷却と熱管理を加えるものだ。
Charles Kennedyによる Oilprice.com 執筆記事