上院民主党報告書:USDTがイランのシャドーバンキング網における「重要な資金調達の生命線」に
重要ポイント
- •上院小委員会の報告書は、イランおよびその代理組織に関連して制裁された846の暗号資産ウォレットのうち84%が、テザーのUSDTのみ、あるいはほぼUSDTのみで取引していたことを明らかにした。
- •調査担当者は、このネットワークがイランへの資金の出入り、イランリアルの支援、軍事装備や地域の代理組織に関連する取引の仲介に利用されたと述べた。
- •報告書は、2024年以前に米国およびイスラエルの対テロ当局が特定したウォレットを一貫して凍結しなかったとしてテザーを批判した。
- •リチャード・ブルーメンソル上院議員は調査結果を米財務省・司法省に回付し、テザーの制裁対応およびマネーロンダリング対策の管理体制への調査を求めた。
- •イラン関連のUSDT取引は2024年にウォレットの暗号資産取引の72%を占めていたが、2025年には67%に低下したものの、イラン中央銀行や原油販売の仲介が疑われるネットワークに関連するウォレットなど、最近制裁されたウォレットの間ではUSDTが依然として広く使われている。

テザーのステーブルコインUSDTが、国際制裁を回避して資金を移動するイランの暗号資産システムにおける主要な決済手段として、イランのシャドーバンキング網内で「重要な資金調達の生命線」になっていることが分かった。これは、米上院常設調査小委員会の民主党議員が発表した報告書によるものである。
報告書は、イランおよびイランの代理組織との関わりを理由に制裁対象または差し押さえ対象となった846の暗号資産ウォレットに関するブロックチェーン上の活動を分析した。その結果、これらのウォレットの84%がUSDTのみ、あるいはほぼUSDTのみで取引していたことが判明した。
調査担当者によると、このネットワークは、イランへの資金の流入・流出、イランリアルを支える取り組みへの支援、さらには軍事装備や地域の代理組織に関連する取引の仲介に利用されてきたという。
報告書はまた、2024年以前に米国およびイスラエルの対テロ当局が特定したウォレットを一貫して凍結しなかったとしてテザーを批判し、同社が一部の不正ウォレットの運用を引き続き許していると指摘した。
小委員会の筆頭民主党委員であるリチャード・ブルーメンソル上院議員は、この調査結果を米務省および司法省に回付し、テザーの制裁対応およびマネーロンダリング対策の管理体制に対する調査を求めた。
報告書は、その後テザーがイラン関連団体に結びつく一部のウォレットを凍結し、イランに関連するUSDTの活動が減少したことも認めている。報告書が引用したデータによると、イランに帰属するウォレットにおけるUSDT取引は、2024年の暗号資産取引全体の72%から2025年には67%に低下した。
しかし減少にもかかわらず、調査担当者は、イラン中央銀行に関連するウォレットや、イランの原油販売を仲介したとされるネットワークなど、より最近制裁されたウォレットの間ではUSDTが依然として広く使われていると述べた。こうした継続的な利用は、ステーブルコイン発行者が制裁対象ウォレットを特定・凍結する方法、および米当局がその管理の実効性をどう評価するかに注意が向けられ続けることを示唆している。
今回の調査結果により、制裁対象市場におけるドル連動型ステーブルコインの利用への注目が改めて高まり、暗号資産ネットワークが従来の銀行システムの外でドル建て流動性へのアクセスを提供しうることが浮き彫りとなった。