Salesforce、AIForceエージェントプラットフォームを「SIForce」に改称 — トランプ氏の「スーパー・インテリジェンス」路線に歩調合わせ
重要ポイント
- •Salesforceは2026年10月10日、AIエージェントプラットフォーム「AIForce」を「SIForce」に改称した。「SI」はSuper Intelligence(超知能)の略。
- •改称は、トランプ大統領が連邦機関に対し広報で「Artificial Intelligence」に代わり「Super Intelligence」を使用するよう指示した2026年9月29日の大統領令に続くもの。
- •Salesforceの発表の約1週間前、イーロン・マスク氏はSpaceXAIがSpaceXSIになると述べており、Salesforceは政権の推進用語を採用した最も著名な企業の一つとなった。
- •改称はプラットフォーム名のみに影響し、Salesforceの社名、ティッカーシンボル、サンフランシスコ本社ビルは変更されない。
- •アナリストは、改称により連邦契約やパートナーシップでのSalesforceのポジショニングが強まる可能性があると指摘する一方、政府以外の企業顧客の間で評判面の懸念が生じる可能性もあるとしている。

Salesforceのマーク・ベニオフCEOは2026年10月10日、同社のAIエージェントプラットフォーム「AIForce」を「SIForce」に改称すると発表した。「SI」はSuper Intelligence(超知能)の略で、トランプ政権が現在「人工知能」に代わって使用を求めている用語である。この動きにより、Salesforceは政権の推進する用語を採用した最も著名な企業の一つとなった。
改称はプラットフォームのみに適用され、Salesforce自体は対象外だ。社名は変更されないため、ティッカーシンボルやサンフランシスコの巨大な本社ビルを更新する必要はない。
2週間足らずでAIからSIへ
動きは迅速だった。2026年9月29日、トランプ氏は連邦機関に対し、広報資料で「Artificial Intelligence」を「Super Intelligence」に置き換えるよう指示する大統領令に署名した。
2026年10月9日、トランプ氏は「artificial intelligence」という表現を使う人々を「THE ENEMY(敵)」と呼び、トーンを一段と強めた。
その翌日、ベニオフ氏はSIForceを発表した。その表明は決して曖昧なものではなかった。「スーパー・インテリジェンスの時代が到来した」
Salesforceが名乗りを上げた最初の大手企業ではない。Salesforceの発表の約1週間前、イーロン・マスク氏はSpaceXAIがSpaceXSIになると述べていた。これらの動きは、大統領令で導入された用語が主要テクノロジープラットフォームの名称に登場し始めたことを示している。
改称が単なる見た目以上の意味を持つ理由
SalesforceのAIForceプラットフォームは、AIエージェント — 企業に代わってタスクを実行するよう設計されたソフトウェアツール — を中心に構築されている。この製品ラインの改称により、Salesforceの看板自動化ソリューションは、政権が選んだ枠組みに直接沿ったものとなる。
大統領令は、連邦機関がこのテクノロジーについて語る方法を規定する。これらの機関への販売を目指すベンダーには、顧客と同じ言葉を話す理由がある。
Salesforceとテクノロジー業界全体にとっての意味
投資家にとって、調査結果は一つの可能性を示唆している。Salesforceは、AI政策をめぐる政治的潮流を乗り切り、そこから潜在的に利益を得るためのポジショニングを図っている可能性があるという。これには、連邦契約やパートナーシップにおけるより強な足場が含まれる可能性があるが、発表の中で改称が特定の取引と結び付けられている点はない。
また、調査結果は、「Super Intelligence」という枠組みを採用することで、Salesforceが政府の基準や要件に製品を適合させているというステークホルダーの信頼を高められる可能性があることも示唆している。
評判面の問題もある。Salesforceは政府調達者だけでなく、非常に幅広い企業に販売している。政治的指示に応じた形で基幹製品の名称が変更されること、しかも旧用語の使用者を「敵」とするレトリックと併せて提示されることに、不安を感じる顧客も出てくる可能性がある。
Salesforce以外にも、この変化は二つの面で注目に値する。他のエンタープライズソフトウェアベンダーがSpaceXやSalesforceに続いて政権の用語を採用するかどうか、そして大統領令の下で連邦機関の広報が実際にどう変化するかである。こうしたシグナルは、「Super Intelligence」が政治的なスローガンにとどまるのか、それとも業界の標準的な語彙として定着するのかを判断する材料となる。
現時点で、Salesforceの変更は単一のプラットフォームにとどまっている。名称の変更だけでは、プラットフォームの能力は変わらない。SIForceの真の試練は、その機能、採用、契約獲得が「スーパー」という言葉が示唆する野心に見合うものとなるかどうかだ。