最近読んだ5冊:J.G.バラード、クリスティアン・クラハト、ヴァルター・ケンポフスキ、近世民主主義、ケイティ・キタムラ
重要ポイント
- •Christopher PriestによるJ.G. Ballard研究の未完稿は、未亡人による追加素材を加えて死後に完成され、現在は英国版のみが入手可能である。
- •Christian Krachtの*Eurotrash*は、スイスとドイツ語文学に詳しい読者ほど楽しめる、娯楽性のあるスイスのロードトリップ小説として紹介されている。
- •1945年の東プロイセンを舞台に、ロシア軍の接近を描くWalter Kempowskiの*Alles Umsonst*は、Sebald以降で最良のドイツ語小説の候補となり得る作品と見なされている。
- •Lars Behrischの*Democracy's Double Helix*は、単一国家ではなく複数のヨーロッパ諸国を横断して、半民主的な意思決定の初期の起源をたどっている。
- •Katie Kitamuraの*Audition*は、簡潔で心理的に精密な散文と、フィクション上の謎解きを好む読者への訴求力が評価される短いサスペンス小説である。

最近の読書リストでは、文学的評伝、現代小説、歴史小説、政治史、サスペンスにまたがる5冊が取り上げられた。
最初は、Christopher PriestとNina AllanによるThe Illuminated Man: Life, Death and the Worlds of J.G. Ballardである。The Prestigeで最もよく知られる著名なSF小説家でもあったPriestは、この本を完成させる前に死去し、未亡人がPriest自身に関する部分を含む追加の素材を加えた。この本は、CrashやEmpire of the Sunなどの作品でスペキュレイティブ・フィクションに広い影響を与えた英国作家J.G. Ballardの、独特な虚構世界への有用な概説および入門書とされている。現時点では、英国版のみが入手可能である。
2冊目は、Christian KrachtのEurotrash, A Novelである。Krachtは1990年代以降、現代ドイツ語文学の重要な作家の一人であり、題名には当初ためらいがあったものの、この小説は、少し常軌を逸した80歳の母親とともにスイス各地を車で旅する、短く、楽しく、質の高いスイス小説として紹介されている。読者には、スイスに関する知識と、より広いドイツ語文学への一定の理解があると役立つとされる。
3冊目は、Walter KempowskiのAlles Umsonstである。Kempowskiは戦後ドイツを代表する文学的記録者の一人であり、第二次世界大戦中の日常生活に関する当事者の証言を集成した大規模なオーラルヒストリー・プロジェクトEcholotで知られる。2006年に刊行されたAlles Umsonstは、ドイツ語文学の重要な小説とされ、Sebald以降で最良のドイツ語小説となり得る候補として言及されている。1945年の東プロイセンにあるドイツ人の屋敷を舞台に、ロシア軍の接近による危機を描き、さまざまな登場人物がその差し迫った破滅にどう向き合うかを追う。その主題は、現実世界の多くの別の状況にも当てはまるとされている。英訳は存在するが、その翻訳の質についてはここでは評価されていない。いずれにせよ、この作品は重要で非常に優れたフィクションと位置づけられている。
4冊目は、Lars BehrischのDemocracy's Double Helix: Participation, Equality and Revolution in Early Modern Europeである。この本は、半民主的な意思決定の根が16世紀ヨーロッパに見いだせること、またその背景に軍事・財政上の連合を形成する新たな必要性が生じたことを論じる優れた研究とされている。単一の国に焦点を当てがちな類似研究と比べ、この本はより広い地理的範囲で問題を検討しているとされる。
最後の推薦は、Katie KitamuraのAuditionである。過去の小説にA SeparationやIntimaciesがあるKitamuraは、簡潔で心理的に精密な散文で知られている。Auditionは、謎とサスペンスを備えた短く読みやすい小説で、特にフィクションの中にパズル的要素を好む読者に向いていると説明されている。