NvidiaのAI急成長が欧州半導体株を押し上げ、市場は横ばいで推移
重要ポイント
- •Nvidiaは四半期売上高が前年同期比で2倍以上になったと発表し、今四半期の売上高がアナリスト予想を上回るとの見通しを示した。
- •Nvidiaは2028会計年度の売上高成長率を約70%と予測しており、アナリストの予想は44%だった。
- •Nvidiaの決算発表を受け、ASML、STMicroelectronics、Infineon Technologies、BE Semiconductorsなどの欧州半導体株が上昇した。
- •欧州市場全体はほぼ横ばいだった一方、予想を上回る米国のインフレデータにより、年内の米連邦準備理事会(FRB)による追加利上げへの期待がくすぶり続けた。
- •米国とイランの外交努力の再開を伝える報道により供給途絶懸念が後退し、Brent原油は4取引日連続で下落した。

大規模な人工知能(AI)モデルの学習と運用に使われるプロセッサーの主要サプライヤーであるNvidiaは、四半期売上高が前年同期比で2倍以上になったと発表した。この決算を受け、欧州の半導体株は木曜日に上昇した一方、まちまちな経済指標と根強いインフレ懸念の中で、欧州市場全体はおおむね横ばいで推移した。
カリフォルニア州サンタクララに本社を置く同社は、今四半期の売上高がウォール街の予想を上回る見通しだと述べ、2028会計年度の売上高成長率は約70%になると予測した。アナリストは44%の成長を予想していた。Nvidia株は時間外取引で一時5.6%上昇し、数四半期ぶりとなる決算発表後のプラス反応を記録した。
NVIDIA Corporation, NVDA
欧州半導体株、Nvidia決算を受けて上昇
好調な決算は欧州の半導体セクターに波及した。ASMLは約2.5%上昇し、STMicroelectronics、Infineon Technologies、BE Semiconductorsはそれぞれ2%~4%上昇した。
これらの企業はチップ製造に使われる設備や部品を供給しており、大手テクノロジー企業によるAIインフラへの支出拡大が株価を下支えしてきた。オランダに本社を置くASMLは、最先端チップの製造に不可欠な極紫外線(EUV)リソグラフィ装置を製造する世界唯一のメーカーであり、BE Semiconductorは生産工程の後半で使われる組み立て・パッケージング設備を供給している。InfineonとSTMicroelectronicsは自社でチップの設計・製造を行っており、主に自動車および産業向けの顧客に供給している。投資家はこの流れの中で、半導体サプライチェーン全体の需要が持続する兆候を注視している。
欧州市場全体は慎重ムード
半導体株が上昇したものの、市場全体のムードは慎重だった。欧州で最も広く注目されている指数であるStoxx Europe 600は0.1%下落した。ドイツのDAXは横ばい、フランスのCAC 40は0.2%下落、ロンドンのFTSE 100は0.4%下落した。
予想を上回る米国のインフレデータを受け、トレーダーは警戒を緩められず、米連邦準備理事会(FRB)が年内に利上げする可能性があるとの見方が強まった。
ドイツの消費者マインドが改善
欧州の経済指標はまちまちな内容となった。9月に向けてドイツの消費者マインドは改善し、NIMとGfKが算出する指数は-26.6ポイントに上昇した。
今回の改善は所得期待と経済期待の好転に支えられたものの、消費者は支出に対して引き続き慎重だった。この数値は、欧州最大の経済大国であるドイツの民間消費が、賃金上昇が過去のインフレに追いつくにつれて緩やかに回復する可能性を示唆している。
投資家はさらに、フランスの生産者物価指数(PPI)や失業率、ユーロ圏の信用動向データにも注目していた。理事会による直近の政策協議の詳細な記録である欧州中央銀行(ECB)の金融政策会合議事録も、金利見通しを占う手がかりとして確認される予定だった。
Pernod Ricardが業績見通しを引き下げ
企業ニュースでは、フランスの酒類メーカーPernod Ricardが、今後数年間の売上成長率は予想レンジの下限になるとの見通しを示し、その要因として主要市場である米国の継続的な低迷を挙げた。Pernod Ricardは英国のDiageoに次ぐ世界第2位の酒類グループであり、米国は同社最大の単一市場である。
Brent原油は下落を続ける
原油価格は下落を続けた。Brent原油は0.5%下落して1バレル87.40ドルとなり、4取引日連続の下落となった。カタールの首相が米イラン外交協議を再開させるためテヘランに向かうとの報道が、ホルムズ海峡を通じた供給途絶への懸念を和らげた。同海峡はイランとオマーンの間に位置する狭い要衝で、世界の原油の約5分の1がここを通過している。
Euro Stoxx 50先物はプレマーケット取引で0.3%上昇し、欧州市場が小幅高で寄り付くことを示唆している。