Lynq、機関投資家向け決済ネットワークをAvalanche専用L1へ移行完了
重要ポイント
- •Tassat Groupが運営する機関投資家向け決済ネットワークLynqは、B2C2、Crypto.com、FalconXを含む30社超の機関パートナーを迎えた2025年7月の商用開始に続き、2026年4月29日にAvalanche専用レイヤー1への移行を完了した。
- •移行では状態の完全な連続性が維持され、これまでに2.5兆ドル超の取引を処理してきたネットワークの残高と取引履歴がそのまま引き継がれた。
- •専用のパーミッション付きL1を運用することで、Lynqはバリデータの承認とネットワークパラメータについて、より広範なAvalancheメインネットのガバナンス決定に左右されない独立した権限を持つ。
- •プラットフォームは現在、数秒以内の決定論的ファイナリティで取引を決済り、伝統的金融で一般的な数時間から数日の決済サイクルとは対照的である。
- •トークン化国債製品TFNDによるLynqのYield-in-Transit機能により、決済パイプライン内の資産が2秒ごとに利回りを生み出しながら、決済可能な状態を維持できる。

Tassat Groupが運営する機関投資家向け決済ネットワークLynqは、Avalanche専用レイヤー1への移行を完了し、2026年4月29日に移行を終えた。このアップグレードは、プラットフォームの機関クライアントの拡大に伴い、より高速な取引ファイナリティと強化されたバリデータガバナンスを提供するものであり、2025年7月に30社超の機関パートナーをネットワークに迎えた商用開始に続く、Lynqの展開における第二の主要フェーズとなる。
今回の移行はゼロからの再構築ではなかった。Lynqは移行期間を通じて状態の完全な連続性を維持し、残高と取引履歴はそのまま引き継がれ、日常の運用に混乱は生じなかった。これまでに2.5兆ドル超の取引を処理してきたネットワークにとって、シームレスな切り替えは極めて重要な要件だった。決済ネットワークは機関マネーフローの中心に位置しており、わずかな停止でも接続するすべてのカウンターパーティーが停滞するためである。
専用L1がもたらす変更点
サブネットや共有チェーンではなく専用のAvalanche L1上で運用されることで、Lynqは機関参加重視するレベルのコントロールを手にした。パーミッション付き環境により、ネットワークは独自のバリデータを管理し、ネットワークパラメータを設定できる。より広範なAvalancheメインネットのガバナンス決定に左右されることはない。バリデータの承認とパラメータの変更はLynq自身の管轄内で決定され、ネットワークの運用ルールが外部のガバナンス変動にさらされることなく、参加者にとって安定した既知のものとして維持される。
実務上の結果は、数秒以内の取引の決定論的ファイナリティである。伝統的金融では、資産クラスとカウンターパーティーに応じて、決済には数時間から数日を要することがある。決定論的ファイナリティとは、取引が確認された時点で不可逆的に決済が完了することを意味し、確率的に最終的であると見込まれるだけの状態とは異なる。つまり、原則として取り消され得る状態ではなく、完了した送金である。大規模なフローを決済する機関にとって、この区別は確率的な確認に内在する残余の不確実性を取り除くものである。
パートナーロスターと規模
Lynqの機関パートナーリストには、暗号資産市場インフラの著名な名前が複数含まれる。世界最大級の暗号資産リクイディティプロバイダーであるB2C2がプラットフォームに参画しており、機関向けサービスを拡大しているCrypto.comも加わっている。さらに機関向けプライムブローカーのFalconXが、30社を超えるパートナーの中の代表的な名前を締めくくっている。この構成は、リクイディティ提供、プライムブローキング、取引所側の機関向けサービスにまたがり、機関決済が通常関わるカウンターパーティーのタイプを網羅している。
2025年7月の商用開始は18カ月の開発期間を経て実現した。専用L1への移行はその約9カ月後、2026年4月29日に到達した。
Yield-in-TransitとTFND
Lynqのアーキテクチャによって実現した注目すべき機能の一つがYield-Transitであり、決済パイプライン内の資産が遊休状態になるのではなく、継続して利回りを生み出す仕組みである。このメカニズムは、2秒ごとに利回りを生成しながら、基礎資産を決済可能な状態に保つトークン化国債製品TFNDによって支えられている。トークン化国債製品は政府債務をチェーン上で移転可能なトークンとして表現するものであり、これを決済レイヤーに組み込むことで、移動中の資本が動きながら収益を生み続けることができる。これは、資産を決済に充てることと資産を運用することの間の伝統的なトレードオフに対応するものである。
Avalancheエコシステムにおける位置づけ
2026年6月、LynqはAvalanche Payments Collectiveの創設メンバーとなり、Avalancheエコシステム全体で支払いインフラがどのように発展していくかの形成において中心的な役割を果たす意図を示した。
機関投資家向け決済をめぐる競争環境はますます激化している。機関がいったん決済レイヤーに統合すると、切り替えコストは一般的に高く、すでにLynqへ参画を決めた30社超のパートナーは、新規追加ごとに再現がますます困難になるネットワーク効果を生み出している。移行が完了した今、Lynqの今後の方向性を示す次の指標は観察可能なものである。すなわち、新規パートナー追加のペースと、Payments Collectiveにおける創設メンバーとしての役割の実質である。