ラリー・カルプによるGE再建:崩壊寸前から総価値6,890億ドルへ
重要ポイント
- •ラリー・カルプは2018年にGEのCEOに就任した。当時、同社の時価総額は960億ドルにまで下落していた。
- •GE Aerospace、GE Healthcare、GE Vernovaの現在の合計評価額は6,890億ドルである。
- •カルプの就任以降、この3社は年率約30%のリターンを生み出しており、S&P 500の記録の約2倍である。
- •カルプの再建アプローチは、工場の現場における「現場(gemba)」や「改善(kaizen)」などのリーンマネジメントの実践を重視した。
- •カルプは、運営改善の取り組みにおいて、最前線の労働者や組合代表者と直接対話する人物として描かれている。

FortuneのCEO Dailyにニューヨークから寄稿したショーン・タリーは、ラリー・カルプによるGEの立て直しを、現代ビジネス史上最も劇的な企業再建の一つと評した。
「GEがチャプター11(破産保護)を申請すると確信していました」と、ネルソン・パルツが最近タリーに語った。「そしてラリーがやって来て、これまで読んだことも目撃したこともないような最も驚異的な救済を成し遂げたのです」
パルツが言及したのはカルプのことである。カルプは2018年にGEのCEOに就任した。当時、同社の時価総額は960億ドルにまで下落しており、2000年9月のピークから80%以上の下落だった。今日、カルプの再構築の下で誕生した3社——彼が率いるGE Aerospace、GE Healthcare、GE Vernova——の合計評価額は6,890億ドルに達している。
これらの企業を合わせると、時価総額で米国の大手工業企業の中で上位に位置し、1.5兆ドルのテスラに次ぐ規模となる。全体では16位にランクされ、Visa、J&J、エクソンモービルなどを上回る。カルプの就任以降、この3社は年率約30%のリターンを生み出しており、S&P 500の記録の約2倍である。
この変化の規模はタリーの記事の中心テーマである。GEの回復は単一の財務操作としてではなく、会社をより焦点を絞った公開企業に分割し、同時に運営規律を経営の中心に据えるという長年にわたる再構築として描かれている。
カルプがいかにしてこの再建を主導したかを理解するため、タリーは、カルプがシンシナティ近郊のGE Aerospaceの役員オフィスに彼を招かなかったと述べている。代わりに、カルプは「現場に行く(go gemba)」ことを選んだ。これは、実際の作業が行われる場所、つまり工場の現場を指す日本語の言葉である。
カルプはタリーをマサチューセッツ州リンにある歴史的な工場に案内した。同工場はF-16戦闘機やアパッチヘリコプターなどの軍用機のエンジンを製造している。GEのポロシャツと安全靴を身につけたカルプは、作業チームが毎朝集まり、必要な工程に重要な部品を届ける方法を見つけることで、操業指標を「赤」から「緑」に変える部屋を指し示した。
カルプは、本社で作成されるフローチャートやプレゼンテーション資料は、実際の操業内で何が起きているかを覆い隠す可能性があると述べた。彼の見解では、企業がうまく機能しているかどうかを理解する最善の方法は、工場の現場で直接作業を観察することである。
この重視は、「現場(gemba)」や「改善(kaizen)」といった言葉に関連するリーンマネジメントの実践を反映している。これらは、実際の作業を直接見ること、そしてプロセス、品質、フローに対する継続的な改善を行うことに焦点を当てる。タリーの記述によれば、これらの手法は専門用語としてではなく、カルプが戦略と日々の実行を結びつけるために用いる経営の共通言語として扱われていた。
タリーは、カルプについて最も際立っていたのは、洗練さ、多様性、そして労働者とのつながりの組み合わせだと書いている。彼はカルプを、トランプ大統領に税率政策を説得したり、上院で証言したりできる一方で、最前線の従業員とも強い信頼関係を維持できるリーダーとして描写した。
彼のアプローチに詳しい人々によると、カルプが工場で「改善(kaizen)」セッションを行う際、彼は組合代表者に時間をかけて、生産性の向上がどのように達成されているか、そしてそれが労働者にとって何を意味するかを説明する。彼の主張は、売上の増加が最終的により多くの雇用を支えることができるというものである。
ダナハーの元マネージャーで現在はCEOを務める人物は、カルプがダナハーを経営していた頃の初対面に衝撃を受けたことを振り返った。ミシガン州サギノーにある工場での1週間にわたる改善セッションで、元マネージャーはカルプが日本からの先生(sensei)と一緒に床に線を引き、エンジニアや溶接士と並んで機械をある工程から別の工程へ移動させるのを手伝ったと述べた。
「彼は毎日チームスターのリーダーたちと話し、彼らとの関係を築いていました。彼は彼らの理解と協力を求めていたのです」と元マネージャーは語った。
この経験は、リーダーが自ら従業員と直接働く意欲を持ち、部下にも同じ実践的コミットメントを求めることの重要性をマネージャーに示した。
Fortuneの元の記事はFortune.comに掲載された。CEO Dailyへのお問い合わせは、Diane Brady(diane.brady@fortune.com)まで。