Google DeepMind、コーディングとエージェント向けの最も高性能な主力モデル「Gemini 3.7 Flash」を発表
重要ポイント
- •Gemini 3.7 Flash は2026年8月13日に発表され、前モデルの Gemini 3.6 Flash からわずか3週間後の投入となった。
- •DeepSWE v1.1 では65.3%、FrontierCode 1.1 Main では43.6%を記録し、いずれも 3.6 Flash を上回った。
- •導入価格は2026年12月31日まで入力100万トークンあたり$0.75、出力100万トークンあたり$3.75で、2027年1月1日からは倍額になる。
- •160以上の国で利用可能な Gemini Spark は、Google AI Pro および Ultra の加入者向けに、初日から Gemini 3.7 Flash を使用し始めた。
- •モデルには、化学・生物・放射線・核(CBRN)およびサイバー攻撃の悪用を対象とした更新済みの Frontier Safety 保護策が搭載されている。

Google DeepMind、コーディングとエージェント向けの最も高性能な主力モデル「Gemini 3.7 Flash」を発表
Google DeepMindは、Gemini 3.7 Flashの提供開始を発表した。同社はこれを、コーディングおよびエージェント主導のワークフロー向けとしてはこれまでで最も高性能な主力モデルと説明している。発表は2026年8月13日、Geminiチームを代表して Senior Director of Product Management の Tulsee Doshi により行われた。
この発表は Gemini 3.6 Flash のリリースからわずか3週間後のもので、DeepMindがほぼ毎月のFlash系アップデートを続けている流れを引き継ぐ。リリース間隔の短さは、フロンティアモデル提供企業がより速いサイクルで段階的だが測定可能な改善を投入している業界の傾向を反映しており、その背景には数か月単位の研究マイルストーンよりも開発者からのフィードバックがあることが多い。Google DeepMindによると、3.7 Flashは開発者のフィードバックとアルゴリズムの革新を直接反映したものであり、同社はその成果を今後のモデルにも引き継ぐ方針だという。新モデルはソフトウェアエンジニアリング、知識労働、Web開発の各ワークフローで大幅な改善を実現し、導入価格は3.6 Flashの当初コストの半額となっている。
複雑なワークフローでの知能向上
3.7 Flashは、デバッグや問題解決といったコーディング作業で、前モデルの3.6 Flashを大きく上回る。初回生成時のコード正確性が向上しており、実運用レベルのコード生成性能でも改善が見られる。これは FrontierCode 1.1 Main で43.6%(3.6 Flashは34.4%)、DeepSWE v1.1 で65.3%(3.6 Flashは49.0%)という結果に表れている。
Web開発では、3.7 Flashはより機能的なレイアウトや機能が揃ったアプリを、より少ないプロンプトで生成する。UI生成では、スクリーンショット、画像、完全なデザインシステムなどの参照入力に対して高いデザイン忠実度と整合性を示す。Arena.aiの WebDev Arena では、3.7 FlashのEloスコアは1588で、3.6 Flashの1538を上回った。
金融、法律、バイオサイエンスのような知識集約型分野では、3.7 Flashは推論と正確性が改善されている。複雑な文書を処理する能力を検証する評価であるGDP.pdfベンチマークでは、3.6 Flashの22.0%に対して34.0%と大きく上回った。また、実際の業務ワークフローをどれだけ効果的に完了できるかを測る AutomationBench でも、3.6 Flashの17.0%に対して30.4%を記録した。
Google DeepMindは、3.7 Flashで可能になるいくつかの活用例も紹介した。Nano Bananaと組み合わせてテキストプロンプトから完全にプレイ可能な3Dゲームを生成する例、Gemini Omniを使ってサブエージェントを統括し、1回の実行でインタラクティブなランディングページを作成する例、3エージェントのグラフループ内でマルチモーダル理解を用いてロボティクスモデルを学習させる例、静的なPDF、たとえば年次報告書を、ライブチャートと集約インサイトを備えたインタラクティブなWeb体験に変換する例などが含まれる。
開発者体験と価格
同社によると、Gemini 3.7 Flashは3.6 Flashに比べて開発者体験が明確に向上している。行き詰まりへの適応がより良く、必要に応じて意図を明確化し、指示への忠実性も高い。また、複数ステップの計画やツール呼び出しの実行により丁寧に取り組むため、エンジニアリングワークフロー全体での手動監督や再試行が減る。
3.7 Flashは2026年末まで、入力100万トークンあたり$0.75、出力100万トークンあたり$3.75の導入価格で利用できる。Google DeepMindは、この価格設定がモデル性能の向上と相まって、開発者や顧客が本番対応のエージェントを費用対効果高くスケールさせることを可能にすると述べた。初期の顧客フィードバックでは、3.7 Flashの性能と精度が高く、低コストで3.6 Flashを大きく上回る結果が得られているという。
導入価格は2026年12月31日で終了し、2027年1月1日からは入力100万トークンあたり$1.50、出力100万トークンあたり$7.50が適用される。
Gemini Sparkへの統合
Gemini Spark は、160以上の国の Google AI Pro および Ultra の加入者向けに提供されており、2026年8月13日から Gemini 3.7 Flash を使用し始めた。Google I/O で初公開された Spark は、24時間365日稼働し、ユーザーの指示の下で代わりに行動する個人用AIエージェントとして説明されている。このモデル更新により、Google Workspace アプリでのツール利用が改善され、複雑で複数スキルを要するワークフローにおいて、精度と出力品質が向上し、知識労働に対する Spark の効率が高まる。3.7 Flash により、Spark はファイルの統合、メールの下書き、ステータス文書の更新をより効率的に行える。
安全性への配慮
Google DeepMindは、Frontier Safety の保護策の網羅性と堅牢性を継続的に改善していると述べた。Gemini 3.7 Flash には、化学・生物・放射線・核(CBRN)およびサイバー攻撃の各領域における悪用に対する更新済みの保護策が含まれており、同社の bioresilience と cyber program に関する方針に沿って、正当な利用ケースも可能にしている。詳細は 3.7 Flash model card を参照。
本日から利用可能
- 開発者: Google Antigravity で agent-first のワークフローを試すか、Google AI Studio および Android Studio を通じて Gemini API で本日から開発を始められる。開発者ガイドも用意されている。
- 企業: Gemini Enterprise Agent Platform と Gemini Enterprise アプリで 3.7 Flash にアクセスできる。
- 個人: 対応国における Google AI Pro および Ultra の加入者向け Gemini アプリ内の Spark から利用可能。
Source: Google DeepMind Blog