AlphabetとMicrosoftがクラウドで大幅増収、AI提携関係は複雑化
重要ポイント
- •Google Cloudの収入は2026年第3四半期に307億1000万ドルに達し、前年同期比103%増と、アナリスト予想の約295億7000万ドルを上回った。
- •MicrosoftのAzure事業は2027会計年度第1四半期に48%増の約331億7000万ドルに達し、OpenAI関連の四半期収入としてさらに100億ドルを計上した。
- •Alphabetは2026年第3四半期に90億7000万ドルのフリーキャッシュフロー赤字を計上し、AI関連設備投資513億6000万ドルは同期間のGoogle Cloud収入を上回った。
- •Anthropicは2033年7月までにGoogleへ約1145億ドル、Amazonに約1100億ドル、Microsoftに約449億ドルのコミットメントを行っており、2026年上半期の収入の約48%がこの3つのクラウドプロバイダー経由で生まれた。
- •Alphabet、Microsoft、Amazon、Metaの4社は、2026年に合計7000億ドル超をAIインフラに投じると見込まれている。

AlphabetとMicrosoftは、AI軍拡競争で「武器を売る」側がいかに利益を得られるかをウォール街に示した。Google Cloudは収入が前年比で倍増以上となり、MicrosoftのAzure事業は最新四半期で48%成長した。
ただし問題は、最大の顧客の一部が同時に最も激しい競合でもある点だ。Reuters Breakingviewsは、AIの次の課題を「企業のライバル兼パートナー(フレネミー)をいかに管理するか」と捉えており、最新の数字はその問題が高額化している理由を示している。
クラウド急成長を支える数字
Alphabetは2026年第3四半期のGoogle Cloud収入として307億1000万ドルを報告した。これは前年同期比103%の増加にあたる。アナリストは約95%の成長、つまり収入約295億7000万ドルを予想していたが、Googleはその水準を10億ドル以上上回った。
MicrosoftのAzure事業は2027会計年度第1四半期に48%成長し、収入は約331億7000万ドルに達した。さらにMicrosoftは、同四半期にOpenAIとの取り決めに紐づく収入として100億ドルを計上した。
クラウド部門はAIブームが計上収益に転換される場であり、モデル開発企業はシステムの学習・運用に必要な計算資源に支払う。これがAnthropicの巨大なコミットメントやMicrosoftのOpenAI収入の背景にある。ただし、成長は無償ではない。Alphabetは2026年第3四半期に90億7000万ドルのフリーキャッシュフロー赤字を計上し、同四半期のAI関連設備投資は合計513億6000万ドルに達し、同期間のGoogle Cloud収入を上回った。
パートナーであり供給者、そして競合でもある
これらの数字の背景にある関係は錯綜している。Reuters Breakingviewsによると、GoogleはClaude AIモデルの開発企業であるAnthropicの部分保有者であると同時に、同社への供給者であり、競合でもある。
Anthropicの契約上のコミットメントは、こうした結び付きの深さを物語る。同AI企業は2033年7月までにGoogleへ少なくとも約1145億ドルを拠出することを約束している。さらにAmazonに約1100億ドル、Microsoftに約449億ドルのコミットメントを行っており、主要クラウドプロバイダー3社すべてにビジネスを分散させている。
これらのプラットフォームはAnthropicの売上にとっても重要だ。2026年上半期の同社収入の約48%は、この3つのクラウドプロバイダー経由で生まれた。
MicrosoftとOpenAIの関係も同様のパターンに従っている。四半期あたり100億ドルのOpenAI関連収入は、新興企業であるOpenAIをMicrosoftの業績の主要な寄与者にしている。その一方で、両社は同じ企業購買者にAI製品を販売している。
7000億ドルの問題
出費を競っているのはAlphabetとMicrosoftだけではない。Alphabet、Microsoft、Amazon、Metaの4社は、2026年に合計で7000億ドル超をAIインフラに投じると見込まれている。
Alphabetの四半期決算は、この緊張関係を如実に示している。クラウド収入の103%増は、ほとんどの企業が提案資料の中でしか見られない種類の成長だ。それに90億7000万ドルのフリーキャッシュフロー赤字が伴うことは、その拡大の裏にある投資規模の大きさを浮き彫りにしている。
AI業界にとっての意味
Anthropicのマルチクラウド戦略は、AI開発企業が握る交渉力をすでに示唆している。コミットメントをGoogle、Amazon、Microsoftに分散させることで、いずれのプロバイダーもそのビジネスを独占できない。
また、競争の重なりにも注目が必要だ。Googleは自社のAIモデルを販売しながら競合のモデルをホストしている。MicrosoftはOpenAIの技術を提供しつつ、自社の能力を構築している。
次の四半期決算ラウンドは、クラウド収入、OpenAI関連収入、資本支出という同じ帳簿を更新し、こうした「フレネミー」が互いに支払う巨額の支払額と、競争のために投じる出資額の規模を改めて示すことになる。
Reuters Breakingviewsの解説に基づく。記事編集:Diego Almada Lopez。