ニュース暗号資産Elliptic、警察官なら誰でも数秒で暗号資産ウォレットを読み解けるAIツール「Pulse」を公開

Elliptic、警察官なら誰でも数秒で暗号資産ウォレットを読み解けるAIツール「Pulse」を公開

著者: Decrypt·

重要ポイント

  • •Ellipticは、最前線の法執行機関の担当者が暗号資産のウォレットアドレスやトランザクションハッシュの平易な財務サマリーを数秒で得られるAIツール「Pulse」を公開した。
  • •本ツールは、ブロックチェーンの専門知識を持たない担当官が現場で、暗号資産関連の事件をエスカレーションすべきか判断できるよう支援することを目的としている。
  • •AIの推論や事件番号に紐付けられた担当官の現場メモを含む完全分析は、ワンクリックでEllipticのスクリーニング・フォレンジック追跡ツールや各機関独自のワークフローに転送できる。
  • •Pulseは、Ellipticの調査者向けプラットフォームと同じインテリジェンスで動作し、同社によれば世界の暗号資産取引量の99%以上をスクリーニングし、65以上のブロックチェーンをカバーする。
  • •Ellipticは人間による監視を軸に本製品を位置づけ、最終判断は担当官に留保されると述べた。今回の公開は、NasdaqやDeutsche Bankなどを含む投資家による今年初めの1億2000万ドルの資金調達に続くもの。
Elliptic、警察官なら誰でも数秒で暗号資産ウォレットを読み解けるAIツール「Pulse」を公開

ブロックチェーン分析企業のEllipticは、最前線の法執行機関の担当者が、暗号資産のウォレットアドレスやトランザクションハッシュの平易な財務サマリーを数秒で受け取れる人工知能(AI)ツールを公開した。専門知識は不要で、最終判断は担当官に留保される。

同社の狙いは、デジタル資産に接するあらゆる担当官が、訓練を受けた調査官だけでなくウォレットレベルのインテリジェンスを活用できるようにすることだという。水曜日に発表されたこのツールは、ウォレットアドレスやトランザクションハッシュに類する入力を受け付け、迅速にサマリーを生成する。Ellipticは、容疑者の携帯電話、詐欺被害者のレシート、捜索や逮捕、薬物中毒現場などで暗号資産が見つかった場合に、事件をエスカレーションすべきか最前線の担当者がその場で判断する助けになると説明した。この位置づけは、同社首脳自身が述べた課題を物語っている。デジタル資産は今やあらゆる種類の機関で現れる一方、それを読み解く専門知識は専門部隊に集中してきたという現状だ。

事件のより深い捜査が必要な場合、ワンクリックで、AIの推論や事件番号に紐付けられた担当官の現場メモを含む完全な分析が、Ellipticの既存のスクリーニング・フォレンジック追跡ツールや各機関独自のワークフローに転送される。事件を引き継ぐ捜査官もブロックチェーンの専門家である必要はなく、現場向けサマリーはより深いフォレンジック調査へと自動的に結び付けられる、というのが同社の考えだ。

「あらゆる法執行機関、専門部隊だけでなく全体で暗号資産を目にするようになった今、Pulseを構築しました」と、Ellipticの最高技術責任者(CTO)であるJackson Hull氏は述べた。

現金と異なり、公開ブロックチェーン上の暗号資産は恒久的かつ公開で閲覧可能なトランザクションの痕跡を残す。分析ツールは、技術的な訓練を受けていないユーザー向けにこの痕跡を解釈するよう設計されている。Pulseは、ロンドンに拠点を置くEllipticが、世界の暗号資産取引量の99%以上をスクリーニングし、65以上のブロックチェーンをカバーするという調査者向けプラットフォームを支えるのと同じインテリジェンス上で動作する。平易な言語での出力は、専門的な解析を要するデータセットではなく、担当官が現場で対応できる形に生の痕跡を変換することを意図している。

Ellipticはまた、今月公開したエージェント型AI向けガバナンスフレームワークを踏まえて本製品を位置づけ、人間による監視、モデルの透明性、そしてAIではなく担当官が最終判断を保持することを強調した。この姿勢は、同ツールが結論ではなくサマリーを生成するものとして描かれていることを示しており、AI生成の出力が正式な事件対応に組み込まれる中で重要な区別となる。

今回の公開は、Ellipticの多忙な時期に続くものだ。同社は今年初め、NasdaqやDeutsche Bankなどを含む投資家から1億2000万ドルを調達した。同社の調査はまた、Telegramマーケットプレイスに関連する米シークレットサービスによる暗号資産の凍結から、数十億ドル規模のマネーロンダリングに関連するインフラの司法省による押収、さらにはイラン中央銀行が米ドル連動型ステーブルコインUSDTを取得したという調査結果に至るまで、大規模な法執行アクションにも反映されてきた。この実績は、Ellipticが狙う市場を裏付けている。ブロックチェーンデータへのアクセスよりも、最初の接点でそれを解釈する能力こそが当面の課題となる市場だ。暗号資産が日常の警察業務にすでに現れている以上、今後の問いは実践的なものになる。数秒のサマリーが、より深い捜査を要する適切な事件を確実に選別できるかどうかだ。