ニュース株式DualEntry、「AIエージェント as a Service」という新しいERPの価格モデルを提唱

DualEntry、「AIエージェント as a Service」という新しいERPの価格モデルを提唱

著者: Globalfintechseries·

重要ポイント

  • •DualEntryは、企業がユーザー単位のソフトウェアライセンスではなく、AIエージェントが完了した会計業務に対して支払うモデル「Agents as a Service」を提唱している。
  • •共同創業者のBenedict Dohmen氏は、SaaSがソフトウェア予算しか競っていなかったのに対し、AIエージェントは労務予算を競うと主張している。
DualEntry、「AIエージェント as a Service」という新しいERPの価格モデルを提唱

エージェント型エンタープライズリソースプランニング(ERP)プラットフォームを展開するDualEntryは、従業員のアクセス数ではなく、AIエージェントが完了した業務に対して企業が支払うという新しいエンタープライズソフトウェアモデルを提唱している。

同社が「Agents as a Service(AaaS)」と呼ぶこの概念は、過去20年間にわたりエンタープライズソフトウェアの多くを形作ってきたユーザー単位の価格モデルに挑戦するものだ。ERPでは長らくユーザーごとのライセンス供与が標準であり、SAP、Oracle、Microsoftといった大手ベンダーは指名ユーザー単位でアクセスを販売してきた。従来のERPシステムが財務チームが会計業務を行うためのツールを提供するのに対し、AIエージェントは、請求書の処理、取引の消し込み、不一致の調査、承認用の仕訳の準備といった業務タスクを担うことができる。このようなモデルでは、ソフトウェア支出はユーザーライセンスではなく、完了した会計業務に紐づくことになる。

「SaaSが競っていたのはあくまでソフトウェア予算だった。エージェントは労務予算を奪い合うのです」と、DualEntryの共同創業者Benedict Dohmen氏は述べる。

DualEntryによると、この転換はすでにカスタマーサポート分野で形になりつつあり、Intercomなどの企業は従来のソフトウェアサブスクリプションに加えて、AIエージェントに対する成果ベースの価格設定を提供している。例えばIntercomは、AIエージェントが解決した顧客対応1件ごとに課金しており、顧客が支払う金額を座席数ではなく提供された成果に紐づけている。同社は、企業がERPシステムとその運用に必要な人材の双方に多額のコストをかけている財務分野に、同様の機会があると見ている。

しかし、会計業務を自律的に完了させるには、既存のソフトウェアにAIモデルを接続するだけでは不十分だ。エージェントには取引の背後にある財務コンテキスト全体へのアクセスが必要であり、承認・期間ロック・監査証跡は、そのアクションが従業員によるものかエージェントによるものかにかかわらず、強制力を維持しなければならない。ERPが企業の財務報告のシステムオブレコードとして機能する以上、こうしたコントロールはとりわけ重要になる。

DualEntryのアプローチは、エージェントをERPの財務アーキテクチャ内に配置するものであり、エージェントが会計業務を準備する一方で、承認と判断の責任は人間が担う。この構成では、エージェントは人間のユーザーを規律するのと同じコントロールの下で動作し、財務記録は既存のレビュープロセスに服することになる。

同社は、モダンなERPシステムが少人数の財務運営を支えられることの例として、顧客の事例を挙げている。Slashは2人の財務チームで6億ドルの年間経常収入を管理し、Graphiteは月末締めを20日から1日に短縮した。

このモデルが実際にどう展開するかは、依然として未知数である。既存のERP大手ベンダーが自社の成果ベースの選択肢で応じるか、購入側が「完了した会計業務」をどう定義・測定するか、そして機械が作成した仕訳が一般化するにつれて監査・レビューの実務がどう適応するかは、この分野の未解決の課題だ。

DualEntryは、次世代のERPはソフトウェアを使用する人数よりも、完了した業務量によって評価されるようになると主張している。Dohmen氏の言葉を借りれば、「SaaSはすべての会計士にログインを与えた。AaaSはすべての会計士にチームを与えるのです」。