トランプ氏がイラン攻撃を否定、投資家がリスクプレミアムを解消し原油価格が下落
重要ポイント
- •原油価格は、米国によるイラン攻撃の観測や供給混乱への懸念が上昇局面を牽引したリスクプレミアムを投資家が解消するなかで下落している。
- •トランプ氏はTruth Socialで、米国がテヘランと生産的な協議を行っており、中間選挙前にはイランを攻撃しないと述べ、緊張緩和のきっかけとなった。
- •イランのアラグチ外相は、イランの提案に対する米国側の回答を検討しており、今後数日以内に返答する見込みだと述べた。
- •イランの輸出は米国の制裁により制限されているため、外交的な好転は原油価格の大幅な下落につながる可能性がある一方、悪化した場合の影響は主に原油の下値支えになるとみられる。
- •テクニカル面では、日足で原油はやや反落しており、買い手は110.00の抵抗線へ向けてチャネルサポートを注視し、売り手は80.00、次いで68.00への下抜けが必要となっている。

原油価格は、中間選挙前に米国によるイラン攻撃の可能性が報じられた際に市場が織り込み始めたリスクプレミアムを投資家が解消するなかで、下落している。この反転は昨日の緊張緩和に続き、トランプ氏がTruth Socialで、米国がテヘランと生産的な協議を行っており、中間選挙前にはイランを攻撃しないと述べたことを受けたものだ。
この一連の動きは、新しい情報が入るたびに将来の期待を織り込み直す市場の仕組みを示す好例となった。緊迫化リスクは報復や供給混乱への観測から原油を大きく上昇させたが、緊張緩和はその期待を反転させ、投資家はヘッジや投機的な買いポジションを解消した。イランがこのダイナミズムの中心にあるのは、同国が主要OPEC産油国であるためであり、供給をめぐる報道だけで原油価格を動かす十分な材料となりうる。
今後の見通しについて、イランのアラグチ外相は昨日、イランの提案に対する米国側の回答を検討しており、今後数日以内に返答する見込みだと述べた。イランの原油輸出は長らく米国の制裁によって制限されており、外交交渉は主に供給への影響という観点から見られている。交渉が好転すれば供給改善への期待から原油価格の大幅な下落につながる可能性がある一方、悪転した場合の影響は現時点では限定的だが、原油の下値を支える要因になるとみられる。
原油テクニカル分析 – 日足
日足チャートでは、トランプ氏の投稿後の緊張緩和を受けて、原油(WTI CFD)がやや反落している。価格がチャネル下限まで押し戻した場合、チャネル下方にリスクを限定したうえで買いが再び入り、110.00の抵抗線を目指す展開が想定される。一方、売り手は価格がさらに下抜けることを期待しており、80.00を第一の目標に、68.00のサポートまでの下落売りを積み増す可能性がある。
原油テクニカル分析 – 4時間足
4時間足チャートでは、下降トレンドラインのブレークにより、96.77の水準までの上昇の道が開けた。価格がそこに到達した場合、水準上方にリスクを限定したうえで売りが入り、チャネル下限への押し戻しを狙う展開が想定される。一方、買い手は上方向のブレークを 待って買いを増やし、次の110.00の抵抗線へ向かう展開を狙うことになる。
原油テクニカル分析 – 1時間足
1時間足チャートでは、トランプ氏の投稿後に投資家が先述のリスクプレミアムの解消を進めたことで、価格がマイナーな上昇トレンドラインを下抜けた。89.50付近にもう一つのトレンドラインがあり、これがサポートとして機能する可能性がある。ここでも買いが入る可能性が高く、チャネル下限下方にリスクを限定したうえで、96.77の水準に向けた押し上げを継続する展開が想定される。一方、売り手はチャネルの下抜けを待つ必要があり、これが新安値への扉を開くことになる。チャートの赤線は本日の平均日中レンジを示している。
今後の注目材料
今週は本日、ミシガン大学消費者信頼感調査で締めくくられる。これは米国家計の信頼感とインフレ期待を測る月次指標だが、市場を大きく動かす発表とはみられていない。引き続き焦点は米イラン情勢の動向となる。
出典: InvestingLive