ニュースマクロClaudeが生成したLinuxエクスプロイト、Ubuntuがまだ修正していないカーネルの脆弱性を標的

Claudeが生成したLinuxエクスプロイト、Ubuntuがまだ修正していないカーネルの脆弱性を標的

著者: Decrypt·

重要ポイント

  • •AnthropicのClaude AIが、Linuxカーネルにバージョン4.4から存在し深刻度が10点満点中9.8の脆弱性CVE-2026-98432に対する、実用的なリモートエクスプロイトを生成した。
  • •実証された攻撃は約1時間で脆弱なサーバーのrootレベルの制御を獲得でき、失敗してもシステムをクラッシュさせることなく攻撃者は無制限に再試行できる。
  • •Red Hat、Debian、SUSE、Oracle Linux、Amazon Linuxは修正をリリース済みだが、Ubuntuのセキュリティトラッカーは16.04から26.10までの全リリースを脆弱と表示しており、旧バージョンの修正時期は未定である。
  • •Anthropicのエクスプロイトは公開されたmultipath TCPリスナーを必要とし、GoプログラムではGo 1.24以降デフォルトで有効になっているが、Go Security Teamは根底にある脆弱性がMPTCPに特有のものではないと警告した。
  • •このLinuxカーネルのエクスプロイトは、Claude MythosがMozillaのFirefoxの271件のバグ発見に貢献した実績に続く、AnthropicのAI支援による脆弱性研究の記録をさらに拡大するものだ。
Claudeが生成したLinuxエクスプロイト、Ubuntuがまだ修正していないカーネルの脆弱性を標的

Anthropicは、同社のClaude AIモデルが、パスワード不要で外部の第三者がインターネット経由でLinuxサーバーを完全に制御できる実用的なサイバー攻撃を作成したと発表した。その根底にある脆弱性はCVE-2026-98432として追跡されており、Linuxカーネルにはバージョン4.4から存在し、深刻度は10点満点中9.8と評価されている。

ソフトウェアベンダーの対応にはばらつきがある。Red Hatは11月1日(日)に修正パッチをリリースしたが、世界中で無数のサーバーを支えるOSの最も広く使われているディストリビューションの一つであるUbuntuは、自社のセキュリティトラッカーで16.04から26.10までの全バージョンを依然として脆弱と表示している。Go Security Teamは、最善の対策は修正済みカーネルへアップグレードすることだと述べ、この脆弱性がAnthropicの攻撃が利用した機能に限らないと警告している。サーバーを運用する者にとって、この状況は同一の深刻度9.8の脆弱性に対する修正の提供状況が、使用するディストリビューションによって異なることを意味する。

攻撃の仕組み

Anthropicは10月27日の研究記事で、Chrome、Safari、Android、Windows、Linuxの5つの標的を対象にこの攻撃を説明した。Claudeは初期のプロンプト入力後に、未公開の内部モデルを用いてLinuxのエクスプロイトを作成した。この攻撃は、コンピューターのメモリ内の隠れた場所を見つけるのに1時間未満、その後、rootとして知られる最高レベルのアクセス権でコマンドを実行するのにさらに約5分を要する。

この脆弱性の本質は競合状態である。システムのある部分が情報を破棄している間に、別の部分がまだその情報を使用している状態が生じるもので、AlmaLinuxによると、インターネット接続を開く特別に細工されたメッセージがこの状態を引き起こし得る。失敗しても攻撃者のコストはほとんどゼロだ。Anthropicは「この競合状態を助長する特性として、競合に負けた場合でもシステム全体をクラッシュさせることなくハンドシェイクだけが失敗するため、執念深い攻撃者は成功するまで無制限に再試行できる」と述べている。

Anthropicの攻撃は、単一の接続を複数のネットワーク経路で同時に伝送できるmultipath TCP(MPTCP)という機能を実行しているサーバーを必要とする。Go Security Teamによると、Goで書かれたプログラムはGo 1.24以降、この機能がデフォルトで有効になっている。ただし同チームは、露出はその単一の機能にとどまらないと注意を促している。「実証されたエクスプロイトは標的システムがMPTCPリスナーを公開していることを必要とするが、根底にある脆弱性はMPTCPに特有のものではない」

修正対応は不完全なまま

Red Hatは10月27日のAnthropicの研究記事から5日後の11月1日(日)に、アドバイザリーRHSA-2026:93412を含むRHEL 8、9、10向けの修正をリリースした。Debian、SUSE、Oracle Linux、Amazon Linuxも、少なくとも一部のバージョン向けにパッチを提供している。まだ更新できないユーザーのために、Red Hatは「この脆弱性への露出を低減できるが完全に防ぐことはできない」とする一時的なファイアウォールルールをセキュリティ情報で公開した。完全な解決策は現在も開発中である。

Ubuntuのトラッカーでは、22.04、24.04、26.04、26.10向けの修正が進行中と示されている一方、20.04、18.04、16.04は「Vulnerable(脆弱)」との表示のみで、いずれの修正にも公開日は示されていない。日付が表示されるまで、このトラッカーが各Ubuntuリリースの状況を確認する基準となる。

この一件は、AI支援による脆弱性研究におけるAnthropicの実績に加わるものだ。同社の以前のClaude MythosモデルはMozillaのFirefoxで271件のバグ発見に貢献しており、Decryptは4月にこれを報じている。今回のLinuxエクスプロイトは、その実績をブラウザコードからカーネル自体へと拡張するものである。