ニュースマクロ植田氏が欠席、日銀の代表として田村委員がジャクソンホールへ

植田氏が欠席、日銀の代表として田村委員がジャクソンホールへ

著者: Investinglive·

重要ポイント

  • 植田和男日銀総裁は、日程の都合で今週のジャクソンホール会合を欠席する。
  • 代わって日銀審議委員の田村直樹氏が出席するが、これは日銀としては異例である。
  • 田村氏はタカ派とみなされ、インフレリスクに対応するための利上げを繰り返し主張してきた。
  • 植田氏の欠席により、ウォーシュFRB議長の初めてのジャクソンホール演説に対する総裁自身の反応は得られず、円や日本国債利回りへの影響が注目される。
  • Reuters調査では、大半のエコノミストが9月17日と18日の会合で日銀が政策金利を1.25%に引き上げると予想している。
植田氏が欠席、日銀の代表として田村委員がジャクソンホールへ

日本銀行の植田和男総裁は、日程の都合により今週のジャクソンホール会合を欠席し、代わって日銀の審議委員である田村直樹氏が米連邦準備制度理事会(FRB)の年次会合に出席すると、日銀は水曜日に発表した。

田村氏に会合中のメディア対応の機会はない。また、日銀では総裁や2人の副総裁ではなく、審議委員がこの注目度の高い会合で機関を代表するのは異例とされる。

元商業銀行の銀行員である田村氏は、日銀9人の政策委員会の中でもタカ派と見なされている。氏は、物価の上振れリスクに対処するため、数カ月ごとに利上げを行うべきだと繰り返し主張してきた。

植田氏の欠席により、市場は今週のFRBパウエル議長ではなく、FRBのケビン・ウォーシュ議長のジャクソンホールでの初演説に対する総裁本人の見解を得られなくなる。アナリストは、ウォーシュ氏の発言のトーン次第で円や日本国債利回りが変動する可能性があり、日本にとって重要な意味を持つと指摘している。

植田氏がジャクソンホールに出席しないことで、関心は来週、ノースカロライナ州アッシュビルで開かれるG20財務相・中央銀行総裁会議に出席するかどうかへ移っている。この会合は8月31日(月)から9月1日(火)まで開かれ、同じ都市で8月29日と30日に準備会合として財務・中央銀行の次官級会合が先に行われる。

日銀は、植田氏が閣僚級会合に出席するかどうかを明らかにしていない。ただし、米財務長官のスコット・ベセント氏は、アッシュビルで日銀総裁と会うことを楽しみにしていると公言しており、両者が会場の外で接触する可能性への市場の関心を高めている。

植田氏の公の場での発言予定を巡る不透明感は、日本の金融政策にとって重要な局面で生じている。今月前半の米日による為替介入と、その後のベセント氏の発言を受け、市場では9月の日銀利上げがほぼ完全に織り込まれており、6月の追加利上げに続く動きとなる。

今週公表されたReutersの調査では、回答したエコノミストの大半が、9月17日と18日の会合で日銀が政策金利を1%から1.25%に引き上げると予想しており、これは1カ月前の見通しから大きく変化した。

当面は、日銀の氷見野良三副総裁が木曜日に講演と記者会見を行う予定で、市場参加者は来月の利上げの可能性と時期について、そこで追加の手掛かりが示されるか注目するだろう。

植田氏自身の発言が少なくともアッシュビル会合まで先送りされる中、9月会合前に日銀が市場期待を形成する最も直接的な機会として、氷見野氏の発言の重要性は一段と高まっている。

田村氏をジャクソンホールへ送る判断自体も、日銀が9月17日と18日の会合で1.25%へ動くとの、エコノミストのほぼ一致した見方を踏まえれば、小幅ながらもシグナルと受け止められている。