投資家が株式とAIへ資金を移す中、Bitcoinは出番を待つ
重要ポイント
- •Glassnodeは、資金が株式、AI関連資産、コモディティへ移る中でBitcoinが大きく見過ごされていると述べた。
- •ミシガン大学のConsumer Sentiment Indexは5月に過去最低の44.8まで低下した。
- •米国現物Bitcoin ETFは13営業日連続の純流出を記録し、総額は約44億ドル、うちBlackRockのIBITが約33億ドルを占めた。
- •S&P 500、Nasdaq、Dowはいずれも5月に上昇した一方、Bitcoinは約83,000ドルから約60,000ドルへ急落した。
- •Bitcoinの下落は6月初旬に一段と強まり、米国とイランの緊張が原油価格、インフレ期待、米国債利回りを押し上げた。

Bitcoinは5月から6月初旬にかけて約83,000ドルから約60,000ドルへ25%以上下落した一方、米国株は過去最高値を更新した。
オンチェーン分析企業Glassnodeが8月17日に示したデータによると、この乖離は、資金が株式やAI関連資産へ流れる一方で、Bitcoinへの需要が弱まっていることを浮き彫りにしている。
Glassnodeは、他のリスク資産が上昇する中でBitcoinへの需要が弱く、「rotaton」の中でBitcoinが「significantly neglected」となっていると述べた。
株高が進む一方で消費者心理は過去最低に
この乖離は、消費者心理の悪化と株式市場の堅調さを背景に生じた。
Glassnodeのデータによると、5月の米国株式市場に関する指標でConsumer Confidenceは3,000を下回った。別途、ミシガン大学のConsumer Sentiment Indexは5月に過去最低の44.8まで低下した。
「Consumer Confidence recently hit an all-time low as the stock market continued to make new highs. This weak sentiment is pushing money out of cash and into equities, AI, and commodities. bitcoin:native has been significantly neglected by this rotation pic.twitter.com/av4RA3Ibtw — glassnode (@glassnode) August 17, 2026」
この低下は、インフレへの懸念や、中東で激化する紛争が経済に与える影響への不安が消費者心理を圧迫したことと重なった。
一方で、米国株は逆方向に動いた。S&P 500は6週連続の週間上昇の後、5月1日に7,230.12で取引を終え、5月29日には7,580.06の新高値で引け、年初来では約11%上昇した。Nasdaqは同期間に年初来約16%、Dowは約6%上昇した。
Bitcoin ETFは大規模な流出を記録
その一方で、Bitcoinはまったく異なる動きをたどった。
価格は5月から6月初旬にかけて25%以上下落し、約83,000ドルから約60,000ドルまで下がった。
米国の現物Bitcoin ETFはその月、13営業日連続で純流出を記録し、2024年1月の開始以来最長の連続流出となった。総流出額は約44億ドルに達し、そのうちBlackRockのIBITだけで約33億ドルを占めた。
Bitcoinと株式が乖離した理由
Bitcoinの下落は6月初旬に加速した。米国とイランの緊張の高まりで原油価格が上昇し、インフレ期待は4月の3.5%から3.9%に上昇、米国債利回りも5%以上上昇して、リスク資産への圧力が一段と強まった。
同時に、株式相場の上昇は大手AI・半導体企業に集中していた。堅調な企業決算と、人工知能インフラへの継続的な投資が、テクノロジーセクターの一部に対する投資家需要を下支えした。
その結果、株式は資金を引きつけ続けた一方で、Bitcoinは価格下落と大幅なETF流出に見舞われるという異例の乖離が生じた。
この対比が重要なのは、Bitcoinの市場パフォーマンスが現物取引だけでなく、ETFを通じた機関投資家の資金フローにますます左右されているためでもある。こうしたフローが弱まると、市場全体の売り圧力を相殺する広範な需要の存在を示す証拠は乏しくなる。
この意味すること
この乖離は、Bitcoinのマクロヘッジとしての役割や、暗号資産市場を支える需要の源泉について疑問を投げかける。
ETFからの流出が続き、構造的な需要が薄いままであれば、広範な市場が上昇を続けてもBitcoinはリスクオフ局面の圧力にさらされ続ける可能性がある。