ビットコインの次のソフトフォークは「Great Consensus Cleanup」になる可能性が高い、開発者のマット・コラロ氏が語る
重要ポイント
- •提案の共著者であるマット・コラロ氏は、Great Consensus Cleanupがビットコインの次のソフトフォークになる確率を80%と見込んでいる。
- •BIP-54はビットコインのコンセンサスルールにおける4つの脆弱性――ポイズンブロック、タイムワープバグ、マークル可変性、重複コインベース取引――に対処する。
- •LayerTwo Labsの共同創設者兼CEO、ポール・ストーク氏は、このメンテナンス重視のアップグレードを「何もしない憂鬱な清掃作業」と一蹴した。
- •ストーク氏がアトランタで開催されたTABconfで調査した開発者らは、クリーンアップのアクティベーションは早くても2027年9月以降で、多くの予想は2028年以降を指している。
- •コラロ氏は、BIP-54が今後のソフトフォーク向けに再利用可能なデプロイの指針を確立し、Taprootの2021年のアクティベーション以降続く政治的・社会的摩擦に対処できると考えている。

ベテランのビットコイン開発者マット・コラロ氏は、2019年に最初に提案された「Great Consensus Cleanup」がビットコインの次のソフトフォークになる確率は80%だと述べている。これは「誰もが問題だと認識している」事項に対する実務的な修正だという。
BIP-54として正式化されたこのアップグレードは、ネットワークのコンセンサスルールにおける4つの長年の弱点を対象としている。ポイズンブロック、タイムワープバグ、マークル可変性、そして重複コインベース取引だ。同提案の共著者であるコラロ氏によれば、いずれも緊急とはみなされていないが、現実の問題だという。
すべての人がメンテナンス重視のソフトフォークを前進とみなしているわけではない。LayerTwo Labsの共同創設者兼CEO、ポール・ストーク氏は、これを「憂鬱な」清掃作業として一蹴している。
何年もかけて準備されてきたクリーンアップ
量子耐性をめぐる議論が注目を集める一方で、多くの専門家は、ビットコインの次のソフトフォークは実務的なクリーンアップになる可能性が高いとみている。対象となるのは、ネットワークの難易度調整メカニズムの脆弱性からマイナー間のサービス拒否(DoS)攻撃の経路に至るまでの修正だ。Great Consensus Cleanup(BIP-54)として知られるこの2019年の提案は、これまで後回しにされてきた変更を通じて、ビットコインのコンセンサス設計における「ガラクタ」を解消することを目指しているとコラロ氏は説明する。
ソフトフォークとは、すべてのフルノードがどのブロックやトランザクションを有効と判断するかを決める共通の基準であるビットコインのコンセンサスルールに対する後方互換性のある変更で、古いソフトウェアでも受け入れられる形でルールを厳格化するものだ。これらのルールの欠陥はネットワーク上のすべてのノードに同時に影響するため、修正には単一のソフトウェアのパッチ適用ではなく、エコシステム全体でのアップグレードの調整が必要となる。
「本当に片付ける必要がある問題のリストは山ほどある」と同氏は、先日MARA Foundation TVに出演した際に語った。「これらの問題はすべて、ビットコインに悪影響を及ぼしうる現実の懸念だが、『もう終わりだ』といった話ではない」
提案に対する正式なタイムラインは設定されていないものの、コラロ氏はMARA Foundationのヘッドであるイザベル・フォクセン・デューク氏との対話の中で、Great Consensus Cleanupがネットワークの次の取り組みになる確率は80%だと述べた。また、これまでソフトフォークを経験していないビットコイン開発者にとっての実践的な訓練になるとも位置づけている。
対象となる4つの脆弱性
コラロ氏によれば、BIP-54の中核は「誰もが問題だと認識している事項を修正する」ことだ。この提案が対象とするのは、次の4つの具体的な脆弱性である:
- ポイズンブロック: 競合他社に対して一時的な優位性を得ようとするマイナーは、パフォーマンスのボトルネックを悪用する特別に細工されたブロックをマイニングし、意図的にすべてのノードの検証速度を低下させる可能性がある。
- タイムワープバグ: ビットコインの2週間の難易度調整期間における抜け穴により、マイナーの過半数のハッシュレートを支配するマイナーがブロックのタイムスタンプを操作し、新しいブロックの発行速度を人為的に加速できる。
- マークル可変性: 64バイトのトランザクションが内部のマークルツリーノードと偶然同じデータサイズであるため、攻撃者は理論上、証明を偽造して軽量クライアントに偽のトランザクションを受け入れさせることができる。
- 重複コインベース取引: 重複したトランザクションIDを許していた歴史的な設計上の仕様が、将来のブロック高で再び表面化し、既存のコインを上書きしたり台帳の会計処理を混乱させたりする脆弱性を生み出す。
「どこか憂鬱」
メンテナンス重視のソフトフォークを成功とみなさない人もいる。LayerTwo Labsの共同創設者兼CEO、ポール・ストーク氏は、Xへの投稿の中で、BIP-54のアクティベーションについて「何もしない清掃目的のメンテナンスフォークなので、どこか憂鬱だ」と述べた。
アトランタで開催されたTABconfで開発者らを調査したストーク氏は、ビットコインの「最も優秀な人々」の間でも、Great Consensus Cleanupがビットコインの次のソフトフォークになるとの見方が主流であり、最も早い予想でも2027年9月、多くは2028年以降を指摘していると述べた。
アクティベーションをめぐる政治性
2021年のTaprootのアクティベーション以降、ビットコインのコミュニティはプロトコル変更をめぐる数年にわたる停滞に直面してきた。この摩擦はしばしば「硬直化(オッシフィケーション)」という枠組みで語られ、OP_CAT(BIP-347)やOP_CHECKTEMPLATEVERIFY(BIP-119)といったより大きなプロトコル変更は、エコシステム全体の合意形成に苦戦している。
ビットコインは歴史上、わずかしかソフトフォークをアクティベーションしていない――2017年のSegregated Witnessや2021年のTaprootなどだ――が、いずれも新しいルールが発効する前に、開発者、マイナー、ノード運営者による幅広い調整を必要とした。
コラロ氏によれば、ソフトフォークには常に技術的なハードルの克服が伴うが、近年では政治的・社会的摩擦が同じくらい大きな課題になっているという。ビットコインのコミュニティは、Taprootをどのようにアクティベーションすべきかをめぐって数か月にわたり議論を重ね、マイナーのシグナリング閾値とユーザーによる強制的なフラッグデーのどちらを重視するかで対立した。
コラロ氏は、BIP-54が今後のソフトフォーク向けのデプロイの手引きを確立できると主張している。「最近のすべてのソフトフォークでは、アクティベーションメカニズムをめぐる騒動もあった」と同氏は語る。「だから、その騒動を経験するためのソフトフォークを一度実施し、それをコピーして再利用することで、[今後のソフトフォークにおける]騒動の一部を未然に防げればと考えている」
その意味で、BIP-54は単なるコードのクリーンアップにとどまらず、ビットコインがソーシャルレイヤーで依然としてアップグレードについて合意できることを証明する試みでもあるのだ。
この記事は、量子コンピューティングと暗号学の交差点などのトピックを扱うコンテンツを制作しているMARA Foundationのシニアコンテンツマネージャー、アンドレ・ベガンスキー氏によって執筆された。同氏は以前、Decryptで勤務していた。