日本銀行、予想通り政策金利を1.00%に据え置き 議決は8対1で高田氏が反対
重要ポイント
- •日銀は8対1で短期政策金利を1.00%に据え置き、約15年ぶりの高水準を維持した。高田審議委員は、より機動的な政策対応を求めて反対した。
- •日銀は2026年度の実質GDP見通しを+0.6%に上方修正した一方、コアCPI見通しは+2.5%に引き下げ、2027年度のCPI見通しは+2.4%に引き上げた。
- •日銀は、企業の賃金・価格引き上げを背景に基調インフレが2%目標に近づいているとして、物価リスクは上振れ方向にあると述べた。
- •日銀は、中東紛争を為替、経済活動、インフレへの波及リスクとして注視していると明言し、エネルギー輸入への依存を踏まえた。
- •この政策決定は、USD/JPY取引で当局介入が報じられる中で行われ、日米の金利差拡大と米国債利回り上昇が円安圧力を続けている。

高田審議委員が反対
2026年度の実質GDPを前回の+0.5%から+0.6%へ上方修正
日銀、物価リスクは上振れ方向と判断
日本銀行は前回会合での利上げを受け、短期政策金利を1.00%に据え置いた。市場では完全に予想されていたが、反対票が出たことはやや意外だった。
高田氏は、海外動向や変化する世界の金融環境を背景に、需要主導の物価上振れリスクがあるとして、状況は新たな局面に入り、より機動的な日銀が必要だと主張した。
2026年度のコアCPI見通しは、4月時点の+2.8%から+2.5%に引き下げられた。
基調的なインフレ率は2%に近づいており、企業は賃金と価格の引き上げを一段と進めている。
日銀は、中東紛争について、為替、経済、物価への波及に注意深く目を配る必要があると指摘した。
見通しはやや整理しづらい。短期のコアCPIは下方修正された一方、2027年の数字は+2.4%に小幅上方修正され、成長率見通しも全般的に引き上げられた。これは、利上げ局面が終わった中央銀行の姿ではなく、時間を買っている中央銀行の姿に近い。
植田総裁率いる日銀は、いつものように段階的な正常化を示唆しつつ、選択肢を残している。声明文では、経済・物価・金融情勢に応じて利上げを続けると繰り返した。新味はないが、実際の反対票と上振れ方向のリスク表現を合わせると、メッセージは十分明確だ。
不確定要素は地政学だ。中東への明示的な言及は、日銀が政策の柔軟性を確保したいことを示している。原油高は日本にとってインフレ要因だが、世界景気の下振れは逆方向の影響をもたらす。
本日はUSD/JPYで当局介入が伝えられており、消化すべき材料は多い。日本にとっての問題は、米国債利回りが上昇しており、30年債利回り5.20%は、資金の一部がUSDへ流れる中で競争しにくいことだ。