ニュース株式AI支出懸念がハイテク株を直撃、ドル・米金利・金がそろって下落

AI支出懸念がハイテク株を直撃、ドル・米金利・金がそろって下落

著者: ForexLive·

重要ポイント

  • •アマゾンの決算がAIインフラ支出への懸念を再燃させ、S&P500先物は1.1%安、ナスダック先物は2.4%安となった。
  • •株式・米国債利回り・金・ドルの同時下落は、投資家がキャッシュ確保のために資産を売却する幅広いリスク回避の兆しを示している。
  • •金は1.2%安の3,971ドルと7月以来の安値を付け、4,000ドル割れが安定するかどうかがデレバレッジの深さを測る指標とみられている。
  • •ユーロ圏第3四半期GDPは予想を上回り、ドイツは+0.2%の成長となったが、フランスの縮小とフランス・スペイン・イタリアの高インフレがECBの政策ジレンマを深めた。
  • •日銀の植田和男総裁は利上げ路線を維持する姿勢を示し、インフレ制圧の宣言は政府の判断に委ねた。
AI支出懸念がハイテク株を直撃、ドル・米金利・金がそろって下落

市場は今週、多数の中央銀行関連イベントの行き来を消化しながらも、より強く意識していたのはテクノロジー株の再燃した売りだった。欧州市場は中程度の動きのあるセッションとなった。

前日発表されたアマゾンの決算はAI支出への懸念を再燃させ、ハイテク株を大きく揺さぶった。この反応は、投資家が大型ハイテク企業のAIインフラ支出をいかに厳しく見極めているかを浮き彫りにしている。中心にある問いは、多額の支出が見合うリターンを生むのかという点だ。米株式先物は前日の下落からさらに沈み、S&P500先物は1.1%安、ナスダック先物は2.4%安となり、ネガティブなリスク環境が広範な市場に波及している。

先週と同様の動きで、投資家は安全資産への逃避で債券に傾き、米国債利回りは全面的に低下した。10年債利回りは8ベーシスポイント下落して4.908%となったが、この利回りの低下が現時点で株式市場に大きな安心感を与えていないことを裏付けている。特に、その理由がハイテク株自体の神経質な動きに大きく起因している点が背景にある。

株式・米国債利回り・金の三者が同時に下落したことは、この日の異例の性格を浮き彫りにし、すべての資産がそろって下落する中で何が市場を怯えさせているのかという問いを投げかけた。通常であれば、利回りの低下は株式を下支えし金を支援し、安全需要はドルを支えるはずだが、今回の同時下落は、投資家がキャッシュ確保のために売れるものを売る幅広いリスク回避の特徴を示している。

米国債利回りは、米伊緊張が続く中で原油価格が下支えされている状況でも低下した。この緊張により、WTI原油はこの日2.2%高の104.25ドルまで上昇した。

ハイテク株の売りが強まるにつれ、ドルと金も同時に下落し、投資家の退避先は限られている。欧州各地でインフレ指標が加速する中、ユーロ/ドルは1.1200へと小動きで上昇した。ドイツでは10月に物価圧力が一段と落ち着く見込みだが、フランス・スペイン・イタリアではインフレの証拠が強まり、第3四半期GDPデータからは成長の減速も見られている。

金は1.2%安の3,971ドルとなり、売り手が価格を7月以来の安値へと押し下げ、4,000ドル割れの本格化を試す展開となった。ハイテク株が重い売り圧力にさらされる中、マージンコール(追証)や強制決済への懸念が要因として意識されており、3月と同様に金を下押ししている可能性がある。金が安定するか、4,000ドル割れを深めるかは、デレバレッジ(レバレッジ解消)がどれだけ深いかを測る一つの指標となる見込みだ。

データ面では、ユーロ圏第3四半期GDPは市場予想を上回ったものの、その改善には各国で明暗が分かれた。ドイツの第3四半期GDP速報値は前期比+0.2%と予想の+0.1%を上回った一方、フランス経済は縮小し、欧州中央銀行(ECB)の成長懸念を深めた。スペインの第3四半期成長はやや鈍化し、イタリアのGDP速報値は予想の+0.1%に対し0.0%と横ばいとなった。

インフレ指標もECBの頭痛の種となった。ドイツの州レベルのインフレは10月に落ち着いたものの、フランスでは物価圧力が再び強まり、ECBは板挟みの状況に置かれた。物価抑制を狙った政策手段が、すでに弱含む経済活動にさらなる負担をかけるリスクを抱える、政策上のジレンマだ。スペインのインフレは5%近辺の高止まりが続き、イタリアの10月CPI速報値は前年同月比+5.4%と、予想の+4.6%を大幅に上回った。

日本では、日銀の植田和男総裁が、最新のマクロ経済の動向に対応して中央銀行は利上げ路線を維持すると述べた。また、インフレ制圧宣言について言及を控え、それは政府が判断することだとした。この発言は、日銀がどれだけ早く追加利上げに踏み切るかへの注目を集め続けている。

セッション概況:

  • 円とスイスフランが主導、米ドルは下位
  • WTI原油 2.2%高の104.25ドル
  • 金 1.2%安の3,971ドル
  • 米10年債利回り 8ベーシスポイント低下の4.908%
  • 欧州株は概ね安い、ナスダック先物 -2.4%
  • ビットコイン(BTC) 1.8%安の77,448ドル

今週の最終盤に向けては、米国市場でハイテク株がどれだけ持ちこたえるかが焦点だ。金の4,000ドル水準の維持と、リスク回避が深まった場合のドルの動きも、デレバレッジ圧力を占う追加の手がかりとなる。ここから売りがさらに激しくなれば、ハロウィン週末に向けてこうした神経質な動きがより広範な市場へ波及する可能性がある。

出典: investingLive