ニュースマクロ富のショックは3世代以内に消散——1700年から2026年のイングランドを対象とする研究が判明

富のショックは3世代以内に消散——1700年から2026年のイングランドを対象とする研究が判明

著者: Marginal Revolution·

重要ポイント

  • •研究によれば、イングランドにおける富のショックは3世代未満で大部分が消散した一方、家族の相対的な富の地位は1700年から2026年にかけて5世代以上にわたって持続していた。
  • •研究者らは、1880年以前の家族規模のランダムで生物学的な変動を通じてショックの持続性を測定した。当時の出生は主に偶然に左右され、裕福な家庭では家族規模が各子どもの富を大きく左右していた。
  • •相対的な富の順位は多くの世代にわたって維持される一方、一過性のショックは消散したため、著者らは長期的な富が相続された富以外の源泉に主に由来すると結論付けている。
  • •論文は、19世紀と現代の富を結ぶつながりは富の移転だけではなく、富の蓄積と維持に関連する行動の家族内継承を反映していると論じている。
  • •この知見は、現代の富のうちどの程度が1900年以前の出来事に由来するかという問いに関わり、今日の富の格差が過去にどこまで根ざしているかを評価するうえで中心的なテーマである。
富のショックは3世代以内に消散——1700年から2026年のイングランドを対象とする研究が判明

経済史研究者のグレゴリー・クラーク氏とニール・カミンズ氏による新たな研究によると、イングランドにおける富のショックは3世代未満で大部分が消散した。一方で、家族の相対的な富の地位そのものは、1700年から2026年にかけて5世代以上にわたって持続していたことが明らかになった。

論文は経済史における長年の問いを取り上げている。富のショックは世代から世代へと受け継がれる中で持続し、さらには拡大するのか、それとも消散するのか。その含意として、現代の富のうちどの程度が1900年以前の出来事に由来するのか。これは、今日の富の格差が過去にどこまで根ざしているかを評価するうえで中心となる問いである。

富のショックの持続性を測定するため、著者らは1880年以前のイングランドにおける家族規模のランダムなショックに着目した。これは子どもたちに富のショックをもたらしたが、家族自身の選択ではなく偶然から生じた変動である。当時のイングランドでは出生は生物学的なくじ引きであり、裕福な家庭では家族の規模が各子どもの富に強く影響していたと論文は指摘する。

研究の結果、こうした生物学的に生じた富のショックは、3世代後には子孫の富に何の影響も与えていなかったことが判明した。言い換えれば、裕福な家庭の子どもたちの間で資源の配分を変えた家族規模のショックは、子孫の富に測定可能な痕跡を残さなかった。この結果は、一過性のショックと家格とを明確に区別するものである。家族の相対的な富の地位は5世代以上にわたって持続していたため、著者らは長期的には富が相続された富以外の源泉に主に由来すると結論付けている。

論文によれば、19世紀の富と現代の富との間に観測される結びつきは、富の移転だけでは説明できない。富が持続したのは、富の蓄積と維持に関連する行動が家族内で継承されたためだと論文は主張している。

クラーク氏とカミンズ氏はこれまでにも、歴史的なイングランドにおける富、地位、出生に関する研究を共著している。新たな論文はWiley Online Libraryで閲覧できる。この知見は、2026年10月22日に経済学ブログMarginal Revolutionで、National AffairsのKevin LewisによるFindingsまとめを通じて取り上げられた。