MiCA規制の本格化で、ユーロ建てステーブルコイン取引においてUSDCがUSDTを逆転
重要ポイント
- •Kaikoのデータによると、USDCのユーロ建てステーブルコイン取引に占めるシェアは56%に上昇し、2024年1月の10%から急増した。
- •主要取引所がMiCAのステーブルコイン規定に基づき欧州経済領域の顧客向けUSDt取引に制限を課したことで、USDCへの資金シフトが加速した。
- •Tetherの世界の流通量は依然としてUSDCの約2.5倍であるものの、USDCはユーロ建て流動性で首位に立ち、注文板の厚みは競合の約1.4倍に達している。
- •調査結果の約2週間前、欧州銀行監督局(EBA)はMiCAに基づきUSDCをEU初の「重要な電子マネー・トークン」に指定し、同ステーブルコインをEBAの直接監督下に置き、発行者に追加要件を課した。
- •GENIUS法の米国での実施は、Circleに有利な同様の変化をもたらす可能性がある。OCCの準備金・償還規則は2027年1月18日に発効し、未承認のステーブルコイン発行者に対するプラットフォームレベルの制限は2028年7月から始まる。一方、Tetherは米国市場向けの別トークン「USAT」を投入している。

暗号資産分析会社Kaikoの最新レポートによると、EU規制が域内対応のステーブルコインを次第に優遇する中、CircleのUSDCがユーロ建てステーブルコイン取引においてTetherのUSDtを逆転した。
Kaikoのデータによると、USDCのユーロ建てステーブルコイン取引に占める割合は、2024年1月のわずか10%から56%に上昇した。この変化は、主要取引所がEUの包括的な暗号資産枠組みである暗号資産市場規制(MiCA)に基づき、欧州経済領域の顧客向けUSDT取引を制限したことで加速した。MiCAのステーブルコイン関連規定は2024年半ばに発効している。
Kaikoのデータはさらに、USDCとユーロの取引ペアがUSDCとUSDTのペアを逆転したことも示している。取引活動のみならず、USDCはユーロ建て流動性でも首位に立ち、その注文板の厚みは現在、競合の約1.4倍に達している。それでもなお、世界規模ではTetherがより大きなステーブルコインであり続けており、流通量はUSDCの約2.5倍である。
Kaikoは、ユーロ建てステーブルコイン取引ペアについて「欧州の顧客にとっての主要な出入り口(オンランプおよびオフランプ)」であり、暗号資産市場への出入りの際にユーロを米ドル連動のステーブルコインと交換することを可能にすると述べた。こうしたゲートウェイがますますMiCA規制対応のトークン経由で処理される中、ユーロペアの構成比は、新規則が欧州の取引をどう再形成しているかを示す最も明確な指標の一つとなっている。
これらの調査結果は、欧州銀行監督局(EBA)がMiCAに基づきUSDCをEU初の「重要な電子マネー・トークン」に指定してから約2週間後に発表された。この指定により、同ステーブルコインはEBAの直接監督下に置かれ、発行者には追加の規制要件が課されることになる。
米国のステーブルコイン規制がCircleとTetherの均衡を変える可能性
Kaikoは、米国がGENIUS法(2025年7月に署名された連邦ステーブルコイン法)に基づき同様のアプローチでステーブルコイン規制に取り組んでいると指摘し、米国の取引所でも欧州で観察されたのと同じ取引活動の変化が生じる可能性があるとしている。
10月21日、通貨監督庁(OCC)は同法に基づく最初の最終規則を発行し、監督下にあるステーブルコイン発行者に対する準備金および償還要件を定めた。発効日は2027年1月18日。2028年7月からは、米国のプラットフォームも、同法の承認要件を満たさない発行者のステーブルコインを提供することへの制限に直面する。
こうした規制変更は、欧州と米国の双方で認可を追求してきたCircleに有利に働く可能性がある。一方Tetherは、米国市場向けの別のステーブルコイン「USAT」を投入するという異なるアプローチを採っている。OCCの準備金・償還規則は2027年1月まで拘束力を持たず、プラットフォームレベルの制限は2028年7月に続くため、米国で同様の資金シフトが起きるとしても、その展開には数年単位の時間軸がかかる見通しだ。これは、大西洋の両側でステーブルコイン規則が定着する中で注目すべき重要な規制日程の一つである。