米10月非農業部門雇用者数は16.5万人増と予想の6.5万人増を大幅に上回り、失業率は4.1%に低下
重要ポイント
- •10月の非農業部門雇用者数は16.5万人増となり、市場予想の+6.5万人の2倍以上となった。9月分は+2.9万人から+6.0万人に上方修正され、2か月分の純修正額は+8.4万人となった。
- •失業率は4.2%から4.1%に低下し、平均時給は前月比+0.4%、前年比+3.1%の上昇と、いずれも市場予想を上回った。
- •経済的理由によるパートタイム雇用が33.9万人増の484万人となり、U6就業不全雇用率は7.9%に上昇した。そのほとんどは「仕事や事業の不振」によるもので、企業が労働時間を削減していることを示している。
- •アナリストは、賃金上昇によりFRBが注意深く見ることを迫られ、12月9日のFOMC会合前に発表される最後の雇用統計を踏まえると利上げの可能性が高まったと指摘した。
- •米2年債利回りは4.5ベーシスポイント上昇し4.52%、USD/JPYは72ピップス上昇し158.38となった。建設関連の雇用は、前年比10.1万人増の非住宅系データセンター関連と、前年比3.6万人減の住宅系請負業者とで大きく二極化した。

米非農業部門雇用者数は10月に16.5万人増となり、市場予想の+6.5万人を大きく上回った。主要指標のほぼすべてが予想を上回る結果となった。非農業部門雇用者数は、米政府が毎月公表する企業の雇用統計であり、労働市場を測る最も注目される指標の一つで、FRBの金融政策における重要な判断材料となっている。
前月分は、9月の報告で初発表された+2.9万人から+6.0万人に上方修正され、2か月分の純修正額は+8.4万人となった。民間部門雇用者数は予想の+6.4万人に対し15.9万人増となり、9月の民間分は+4.6万人から+7.8万人に修正された。製造業は予想の+5,000人に対し1.9万人増、政府部門は前月の1.7万人減から6,000人増に転じた。雇用者数ではなく就業している個人を数える家計調査では、就業者数が46.3万人増加した。
失業率は4.2%から4.1%に低下し、4.2%で横ばいとの市場予想を上回る結果となった。端数処理前の数値は4.141%で、前月の4.1753%から低下した。働く人、または積極的に求職している人の割合を示す労働参加率は61.8%から61.9%に上昇し、U6就業不全雇用率は7.6%から7.9%に上昇した。U6は、失業者数に希望的求職断念者や非自発的パートタイム労働者を加えた、最も広範な労働力未活用の公式指標である。
賃金上昇率も予想を上回った。平均時給は前月比で予想の+0.3%に対し+0.4%上昇し、前年比でも予想の+2.9%に対し+3.1%上昇した。平均週労働時間は34.4時間で予想どおり横ばいだった。賃金上昇は、物価圧力の高まりを示す指標としてFRB当局者が注視している項目の一つである。
アナリストは今回の発表を「総じて予想上回り」と評し、賃金上昇はFRBに「再考を迫る」ものだと述べた。12月9日のFOMC会合(当局者が金利について採決を行う政策決定会合)前にあと1回の雇用統計が発表されるが、今回の結果により利上げの可能性が高まったと主張した。次回の雇用統計は、会合前に委員会が受ける最後の雇用統計となる。
軟調を示唆する主な兆候はU6の上昇だった。経済的理由によるパートタイム雇用は33.9万人増の484万人となり、増加のほとんど(35.6万人)は「仕事や事業の不振」に起因しており、企業が労働時間を削減していることを示している。この区分には、労働時間を減らされた労働者やフルタイムの仕事を見つけられなかった労働者が含まれ、労働市場の遊休を測る注目指標とされている。
米2年債利回りは4.5ベーシスポイント上昇し4.52%となり、USD/JPYは72ピップス上昇し158.38となった。短期国債利回りはFRBの金融政策見通しに特に敏感であり、市場が雇用統計をどう消化しているかを示す代表的なバロメーターとなっている。S&P500先物は小幅高を維持したが、解説では株式市場は現時点でマクロデータ以外の要因に注目しているとされている。
9月の全般的な軟調さを踏まえると、10月の強さが必ずしも勢いを示すものではないが、統計には明確な悪化の兆候は見られない。特に、10月のNFP前の雇用関連データの多くも強かったことを考慮すればなおさらである。
建設部門では、データセンターとそれ以外の間に明確な二極化が見られた。非住宅系専門下請業者は前年比10.1万人増となった一方、住宅系専門請負業者は前年比3.6万人減となり、10月単月では1.52万人減少した。データセンター建設は近年、クラウドおよびAIインフラへの投資とともに拡大しているが、住宅建設は借入コストに非常に敏感である。分析では、利上げがこの格差の解消にはつながらないと指摘された。