トランプの最高裁への起死回生の一手の内幕
重要ポイント
- •トランプ政権は、郵便投票に関する大統領令の主要部分を差し止めた連邦控訴裁判所の命令を停止するよう、最高裁に緊急申立てを行った。
- •政府側の主要な法的主張は、その大統領令が各機関への内部方針にすぎず、まだ実施されていないため訴えは時期尚早だというものだ。
- •憲法は連邦選挙の主たる権限を州に与え、議会には二次的役割を、行政府には限定的役割を与えている。
- •トランプの政治活動委員会は2024年選挙以降4億ドル超を集めており、共和党系スーパーPACは民主党系のほぼ2倍の資金を手元に持つ。
- •トランプに有利な最高裁判断は、選挙手続きを州が統制するという近年の先例と矛盾することになる。

先週月曜日、連邦控訴裁判所が郵便投票を制限するトランプの大統領令の主要部分を阻止し差し止めた数日後、トランプは中間選挙を自らに有利に進めるため、再び最高裁に助けを求めた。ジョン・サウアー訟務長官は、その差し止め命令の停止を求める緊急申立てを提出し、控訴裁判所がトランプの「選挙の公正性を促進する」取り組みに時期尚早に「干渉した」と主張した。
憲法は連邦選挙の統制を州に与え、議会には二次的な役割を、行政府にはさらに限定的な役割を与えている。憲法第1条第2節および第10修正条項の下では、投票資格を決めるのは大統領ではなく州である。憲法第1条第4節の選挙条項もこの枠組みを補強し、州議会に連邦議会選挙の「時、所および方法」を定める権限を与える一方で、議会にはそれらの規則を変更する補完的権限を認めているが、その権限が広く行使されたことはほとんどない。
憲法設計上、行政府が連邦選挙で果たす役割は限られている。建国者たちは、連邦選挙の統制を行政府に委ねることは、狐に鶏小屋を守らせるようなものだと理解していたため、分権型の制度を構築した。トランプは、その設計を尊重せずに、その理屈をなぞるかのように、なおもそれを覆そうとしている。
トランプの選挙を巡る行動
2020年の選挙で敗れた後、トランプはジョージア州当局者に、11,000票超の追加票を「見つける」よう迫る音声が記録されていた。再び政権に戻って以来、彼は権力を中央集権化することを意図した一連の行動を通じて、連邦選挙の統制を州から奪おうとする前例のない試みを続けてきた。
ソース資料によれば、トランプは次のような方法でこれを進めようとしてきた。
- すでに下院を通過しているSAVE法案 — 正式名称はSafeguard American Voter Eligibility Act — を上院に可決させるよう圧力をかける。同法案は、現行のパスポートや出生証明書を持たない2,100万人超の米国人の投票を妨げる。
- 機密の有権者名簿の提出を拒む民主党系の選挙当局者を投獄すると脅す。
- 赤色州に対し、黒人有権者の多数派を解消し、テキサス、フロリダ、ミズーリ、テネシー、ルイジアナ、アラバマで以前は優勢だった民主党候補を破るためのゲリマンダーを求める。
- 女性や少数派の有権者を威圧するため、武装し顔を覆ったICE職員を投票所に配置すると脅す。
- ジョージア州フルトン郡の選挙事務所を捜索し、機密性の高い投票記録を大量に押収する。
- 自身が認めない宛先には米郵便公社が郵便投票を配達しないよう命じる。
こうした明白に違法な行為に加え、記事は、トランプの取り巻きたちが、自分たちの富に課税せず、彼らが嫌う企業・金融・AI・環境規制を執行しない候補者を当選させるために数億ドルを費やしていると指摘する。トランプの政治活動委員会は2024年選挙以降、4億ドル超を集めた。いっぽうで、共和党系スーパーPACは民主党系に比べ、手元資金がほぼ2倍ある。
記事はまた、イーロン・マスクが今秋の中間選挙で共和党候補を支える最大級の個人献金者の一人になっていると述べる。選挙買収に関する重罪の相当因果(probable cause)認定があるにもかかわらず、マスクは現時点で9,000万ドルを寄付しており、さらに増える見通しだという。
米郵便公社を武器化するトランプの大統領令
中間選挙まで100日を切っている。連邦議会の一般投票をめぐる世論調査では、民主党がわずかに優勢だ。しかし、共和党の多用なゲリマンダー、富裕層資金で膨らんだ資金調達優位、そして上記のとおり自由で公正な選挙へのトランプの執拗な攻撃が、11月に向けた政治情勢を左右している。
月曜日に示された政権の最高裁での主要な法的主張は、トランプの郵便投票に関する大統領令を争う本訴が時期尚早、あるいは未成熟だというものだ。政権は、その大統領令は各機関への単なる「内部政策指針」にすぎず、どのように実施するかは各機関に委ねられているため、現在の損害はなく、争うための当事者適格もないと主張している。トランプの緊急申立ては、同大統領令が「一般的な政策指針を示しているにすぎず、その実施方法について各機関に相当の裁量を残しつつ、適用法にのみ従って実施できると注意している」ため、差し止めは時期尚早だと述べる。
来たる11月の中間選挙の直前に有権者の大規模な混乱を引き起こそうとするトランプは、負ける見込みの連邦選挙について懐疑を広めるべくあらゆる手を尽くしている。自らの大統領令の下で各機関は「適用法にのみ従って行動できる」と最高裁に主張するのは、時間切れを狙う法的なパントにすぎない。何が「適用法に一致する」かは、誰が解釈するかに左右される。政権の主張によれば、州がトランプの指示の実施を始め、米郵便公社が投票用紙の配達を止めるまで、この反郵便投票大統領令は審査の対象にならない。その時点ではすでに選挙は進行中で、有権者ができることは何もなくなる。
トランプの大統領令を支持する判断は、州ではなく大統領が選挙を統制するという近年の最高裁判例から大きく逸脱することになる。ただし懐疑的な見方をする人々は、この緊急申立てがシャドードケットで審理待ちである点に注目するだろう。そこでは、理屈や先例が党派的結果にしばしば従属する。
サブリナ・ハーキは政治アナリストであり、第1修正と第14修正の弁護を専門とする25年以上の連邦裁判弁護士である。彼女は無料のSubstack「The Haake Take」を執筆している。