テザー、Q3に15億ドルの純利益を計上、USDTの余剰準備金は79億5000万ドルに上昇
重要ポイント
- •テザーは2026年第3四半期に15億ドルの利益を計上し、第1・第2四半期と同水準の実績となり、年初9か月間の累計は45億ドルに達した。約1,350億ドルの米国債担保からの利子収入が主要な収益源とされている。
- •余剰準備金は四半期で38億5000万ドル増加して79億5000万ドルとなり、主にテザー保有の10万ビットコインの約24億7000万ドルの含み益と、金の約4%上昇による約7億ドルの評価上昇がけん引した。
- •USDTの時価総額は約0.5%下落して約1,830億ドルとなったが、ユーザーベースは6%増加し、過去最高の7億2,700万人に達した。
- •米議会は、イランの不正資金流動に関する説明責任の強化と、トランプ政権の一部人物とのテザーの関係に関する透明性の向上を求めた。
- •これを受けてテザーは、制裁対象団体に関連するUSDTの凍結を強化し、詐欺対策と人身売買の生存者支援に注力するFASE財団の創設パートナーとなった。

AMBCryptoが公表した数値によると、テザーは2026年第3四半期に15億ドルの純利益を報告し、年初9か月間の累計利益を45億ドルへと押し上げた一方、余剰準備金は79億5000万ドルに上昇した。余剰準備金とは、ステーブルコイン発行体が流通トークンの担保に必要な額を上回って保有する緩衝資産であり、大量の償還請求が発生した際に最初に充当される資金である。パオロ・アルドイーノ最高経営責任者(CEO)は、地政学的環境の変化により財務的な備えがますます重要になっていると述べ、現在80億ドル近くに達する同社の準備金を、不確実性の高い時期における償還への対応とインフラ支援の基盤と位置づけた。
ビットコインと金の評価額が準備金の増加をけん引
テザーの余剰準備金は第3四半期に38億5000万ドル増加し、その大部分はビットコインと金の保有資産の評価上昇によるものとされる。これらの利益は主に含み益であり、市況が悪化した場合には価値が下落する可能性がある。
第3四半期中にビットコインは約58,000ドルから83,000ドル超へ反発した。報告書の数値によれば、この価格上昇により、テザーが保有する10万BTCの価値は24億7000万ドル増加した。金も準備金の増加に寄与し、第3四半期に約4%上昇して約7億ドルの価値を上乗せした。この評価上昇は、テザーが現物金の保有量を3.4トン削減する中で発生したものである。準備資本の残りの増加分は、同社のその他の事業からもたらされた。
テザーの財務的な耐性を評価するうえで、実現済みの収益と資産の評価上昇の区別は重要である。含み益は上昇局面では報告上の準備金を押し上げる一方、ビットコインや金の価格が下落すれば縮小する可能性もある。緩衝資産には米国債担保に加えてこうした市況に敏感な資産が含まれるため、その規模は営業収益のみではなく金融市場の価格に連動して変動する。
9か月間で45億ドルの利益
資産の評価上昇が余剰準備金に大きく寄与したものの、テザーの第3四半期の純利益15億ドルは、2026年第1・第2四半期の実績とほぼ同水準だった。同社は第1四半期に15億ドル、第2四半期にも15億ドルの利益を報告しており、年初9か月間の累計利益は45億ドルとなった。
米国債からの利子収入が主要な収益源とされた。報告書は、USDT担保の裏付けとなる資産の価値を約1,350億ドルと試算している。この金利連動型の収益は、今四半期に準備金を押し上げた価格上昇とは別の要素であり、決算上の利益と準備金の増加が必ずしも連動しない理由でもある。テザーが2026年末まで四半期の利益ペースを維持すれば、通年で約60億ドルを生み出す可能性があるが、これは報告された実績に基づく予測であり、確定した年間成果ではない。
USDTの時価総額は小幅低下も、ユーザー数は過去最高
USDTは第3四半期を約1,830億ドルの時価総額で終え、世界最大のステーブルコインの地位を維持した。四半期中の時価総額の下落率は約0.5%だったが、報告書はBinanceのハッキング事件に一部起因するとされる2%のより大きな下落にも言及している。その追加的な下落の個別の計測期間については、情報源は明示していない。
時価総額の弱さにもかかわらず、USDTの普及は拡大を続けた。提示された数値によると、テザーのユーザーベースは第3四半期に6%増加し、過去最高の7億2,700万人に達した。時価総額の小幅低下と過去最高のユーザー数の乖離は、流通トークンのドル建て価値とトークンを利用する人々の数という、ステーブルコイン業界が別々に追跡する2つの指標の違いを浮き彫りにしている。
規制の監視とコンプライアンス措置
テザーは第3四半期に規制当局の監視にも直面した。報告書によると、米議会はイランの不正資金流動に関する説明責任の強化と、トランプ政権の一部人物との同社の関係に関する透明性の向上を求めた。
不正行為への懸念への対応として、テザーは制裁対象団体に関連するUSDTの凍結努力を強化している。また同社は、詐欺の防止と人身売買の生存者の支援に注力する新組織であるFASE財団の創設パートナーとなった。
こうした措置が第4四半期に規制圧力を緩和するかどうかは不透明である。報告書は、民主党支配下の議会による監視が継続する可能性も指摘している。
テザーの最新の決算は、力強い報告利益、拡大した余剰準備金の緩衝、過去最高のUSDTユーザー数の組み合わせを示している。しかし、準備金の増加の一部が含み益に依存しているため、緩衝資産の価値はビットコインと金の価格に連動して変動する可能性がある。第4四半期には、この緩衝が価値を維持できるか、議会の監視が正式な規制措置につながるかが明らかになるだろう。
出典:AMBCrypto(Hokanews経由)。