Strive、SATA優先株を通じた資金調達で191ビットコインを取得
重要ポイント
- •StriveはSATA優先株を通じて資金を調達し、191ビットコインを購入。2026年5月以降で最速の3日間の資金調達ペースを達成した。
- •SATAは額面100ドルの変動利率A系列永久優先株で、営業日に毎日分配される年率13%の配当を支払い、取締役会が配当率をリセットできる。
- •Striveが2025年12月に承認した5億ドルのATM(市場売出し)プログラムは、SATAが額面を上回って取引されている場合にのみ新株を発行し、その収入を直接ビットコイン購入に充てる。
- •2025年11月の超過応募となったSATAのIPOは1億4,930万ドルを調達し、2026年5月末から6月初頭にかけての約2,500 BTCの取得資金となった。
- •永久優先株には満期日がないためStriveは一括返済義務を回避できるが、ビットコイン価格の急落時でも配当支払いは続けなければならない。

Strive, Inc.(Nasdaq: ASST)は、優先株商品であるSATAを通じて191ビットコインの購入に必要な資金を調達し、2026年5月以降で最も高い3日間の調達ペースを記録した。この購入は、企業がビットコインを蓄積する方法はひとつではないことを示している。
マイケル・セイラー(Michael Saylor)流の、転換社債を発行してビットコインを購入するという戦略が大きな注目を集めるなか、Striveは異なる道を切り開いた。同社の手法は、額面100ドルの永久優先株と、毎日支払われる年率13%の配当に依拠するものだ。債券と株式の中間に位置する金融商品でありながら、実際にはビットコイン購入のエンジンとして機能している。
Striveは2025年のNasdaq上場企業Asset Entitiesとの合併を通じて株式公開市場に参入し、ティッカーシンボル「ASST」を引き継いだ。ビベク・ラマスワミー(Vivek Ramaswamy)が共同設立した同社は、以来、ビットコインの蓄積を企業戦略の中核に据えている。ビットコイン調達手段としての優先株はまったく新しいものではない。最大の企業ビットコイン保有者であるStrategyも、2025年に転換社債に加えて永久優先株の発行を導入している。Striveの特徴は、優先株を補完手段ではなく中核のエンジンとし、毎日の分配と、取締役会がリセットできる配当率を組み合わせた点にある。
SATAの仕組み
SATAはStriveの変動利率A系列永久優先株(Variable Rate Series A Perpetual Preferred Stock)である。保有者には現在年率13%の安定した利回りが支払われ、会社は調達資金をビットコインの購入に充てる。配当率は変動制であり、Striveの取締役会が調整できるため、市場環境が変化するなかでコストを管理する柔軟性が会社にもたらされる。
鍵となる仕組みは、ATM(At-The-Market、市場売出し)プログラムだ。SATAが額面の100ドルを上回って取引されているとき、Striveは新株を公開市場で直接発行し、プレミアムを確保できる。その資金はそのままビットコイン購入に充てられる。株価が額面を下回っているときは、発行を行わない。
Striveは2025年12月、この仕組みを通じたビットコイン取得の資金調達を目的として、5億ドルのATMプログラムを承認した。直近の3日間で191 BTC相当の資金を調達したことは、プログラムがフル稼働していることを示唆している。SATA株に対する投資家の需要は、株価を額面以上に維持するのに十分な強さを保っている。
Striveのビットコイントレジャリーの全体像
これがStriveにとってSATA資金による初めてのビットコイン購入ではない。同社は2025年11月、超過応募となったSATAのIPOを通じて1億4,930万ドルを調達し、この種のハイブリッド商品に対する投資家の需要が当初から本物であったことを示した。この初期調達が、2026年5月末から6月初頭にかけての約2,500 BTCという大幅な取得の資金源となった。この保有ポジションは、数十万ビットコイン規模の保有量を誇るStrategyには遠く及ばないものの、ビットコインを主要なトレジャリー資産として保有する上場企業の拡大を続けるリストに、同社を加えるものとなっている。
直近の191 BTC分は絶対額では小さいものの、そのペースが注目に値する。5月以降で最も高い3日間の調達ペースを記録したことは、ATMプログラムが停滞ではなく加速していることを示している。
毎日の配当構造も慣行から一線を画す。多くの優先株は四半期ごとに配当を支払うが、Striveは2026年6月16日から営業日における毎日の分配を選択し、保有者にとってほぼ連続した利回りの流れを生み出している。
優先株エクイティが企業のビットコイン方程式を変える理由
Striveの優先株というアプローチは、債務の満期問題を回避している。永久優先株に満期日はなく、会社が債権者への返済のために一括資金を用意しなければならない瞬間に直面することはない。資本コストは配当であり、これは取締役会が調整できる。
投資家にとってSATAは、間接的なビットコインエクスポージャーを提供する利回り商品という、珍しい選択肢である。保有者は年率13%の配当を受け取る一方で、発行会社は着実にビットコインを蓄積していく。ただし、この構造には明確なリスクがある。ビットコインの価格が大幅に下落した場合でも、Striveは増え続ける優先株基数に対する配当支払いから逃れられず、ビットコインが30%調整しても毎日の配当義務は停止しない。その一方で、債務の満期がないことにより、経営陣には転換社債の発行企業にはない余裕がもたらされる。このモデルが複利で拡大し続けるかを示す変数は、その設計自体に組み込まれている。5億ドルのATM承認枠のうちどれだけが未使用のままか、SATAが額面超えでの取引を続けられるか、そして優先株基数の拡大に伴い取締役会が配当率のリセットに動くかどうかである。