ロシア、米関税の脅威にもかかわらずインドへの石油供給継続を約束
重要ポイント
- •ロシアのデニス・アリポフ駐インド大使は、ロシアはインドが必要とする量の石油を供給する用意があり、米国の関税の脅威にもかかわらず主要供給国であり続けると述べた。
- •米上院で86対11で可決された法案は、ロシア産石油・ガスの最大の購入国への100%関税発動を認める内容だが、下院では膠着状態にあり、11月の中間選挙前に成立する可能性は低い。
- •ロシアはインドの最大の石油供給国となり、中東産原油に取って代わり、世界第3位の原油輸入国・消費国であるインドに大幅なコスト削減をもたらしている。
- •ロシア産原油を大量に購入しているインドと中国は、米国の関税措置案の影響を最も受ける国となる。
- •インドのロシア産石油輸入は8月に7月の過去最高から減少し、ロシアの輸出インフラへのウクライナの攻撃、中国との競争、タンカーや貿易業者への米制裁が圧力となっている。

ロシアのインド駐在大使、デニス・アリポフ氏はアジア国際ニュース(ANI)のインタビューで、ロシアがインドの主要な原油供給国であり続けることを改めて表明した。同インタビューで大使は、ロシア産石油を輸入する国々に関税を課すことを目指す米国の法案についても批判した。
ロシアは近年、インド最大の石油供給国となっている。これは、米国、英国、欧州連合(EU)がロシア産石油の輸入を禁止し、ウクライナ侵攻後にロシアへの制裁圧力を強めたことを受けた変化である。大半が国営であるインドの製油所は従来、原油の大半を中東から調達してきたが、割引価格のロシア産原油への転換はこうした従来の貿易フローを一変させ、世界第3位の原油輸入国・消費国であるインドに大幅なコスト削減をもたらした。
米国議会では、故リンゼイ・グラム上院議員が提出した、いわゆる「地獄の法案」と呼ばれる対ロシア制裁法案の成立が目指されている(The Hill)。同法案は、ドナルド・トランプ大統領にロシア産石油・ガスの最大の購入国に対して100%の関税を課す権限を与える内容だ。法案は上院で86対11の賛成多数で可決されたが、下院では審議が膠着状態にある。共和党内の意見対立に加え、トランプ大統領に新たな関税権限を与えることへの民主党の懸念が背景にある。アナリストによれば、法案が11月の中間選挙前に下院を通過する可能性は低いという。ロシア産原油を大量に購入しているインドは、中国と並び、こうした措置の影響を最も受ける国の一つとなる。
こうした状況を踏まえ、アリポフ氏は、ロシアは現在も、そして今後もインドの主要な石油供給国であり続けると述べた。
「われわれはインドが必要とする量の石油を供給する用意がある。残念ながら、制裁や関税を課す国々は誠実な協力ではなく圧力戦術の道を選んでおり、そのためにこれらの国々はわれわれ以上にインドに良い石油取引条件を提示できないのだ」とアリポフ氏はANIに語った。
「ロシア産石油が排除されれば、世界は対応できない。エネルギー市場はそれを許容できない。ロシア産石油はインドやその他の国々のために市場に残り続ける。われわれはインドへの石油供給に意欲があり、インドもその石油の購入を望んでいる」と大使は述べた。
一方、インドのロシア産原油輸入は、8月には7月の過去最高水準から減少したとみられている。ロシアの輸出インフラへのウクライナの攻撃や、ロシア産原油をめぐる中国との競争により、インドのロシア産石油の取込みが減少したためだ(OilPrice.com)。また、米国のロシアのタンカーや貿易業者に対する制裁により、 deliveries が一時混乱し、製油所が代替調達先を探さざるを得なくなったケースもあり、インドは別の意味でも圧力に直面している。
Oilprice.comのチャールズ・ケネディによる報道。