パンテオン・タンクーズ、中国での2隻発注によりMR型新造船市場に復帰
重要ポイント
- •パンテオン・タンクーズは、中国のコスコ広東造船所で建造される5万dwt級MR型タンカー新造船2隻の契約と関連づけられているが、価格と引き渡し時期はまだ確認されていない。
- •今回の発注は、2019年に韓国のSTX Offshore & Shipbuildingが引き渡した6隻のシリーズ以来、同社にとって初の新造専用MR型建造プログラムとなる。
- •同社は現在14隻のMR型タンカーを運用しており、2016年と2017年に現代尾浦造船で建造されたやや小型の8隻は、就航から10年間近に達しつつある。
- •MR型の発注は、完了済みのLR2/アフラマックス・プログラム、2028年向けに発注済みのLNG二元燃料スエズマックス2隻、2027年引き渡し予定で建造中のVLCCを含む、中国中心の新造船計画に加わるものとなる。
- •さらにパンテオンは、旧STX大連施設で造船事業を再開した新興中国造船所・恒力重工における30.6万dwt級VLCC4隻(2028年・2029年引き渡し予定)とも関連づけられている。

アンナ・アンゲリコウシス率いるパンテオン・タンクーズ(Pantheon Tankers)は、中国での新規発注によりMR型新造船市場に再参入し、このセグメントからの長期の離脱に終止符を打った。
アテネに拠点を置く大手タンカー会社は、コスコ広東造船所(COSCO Guangdong Shipyard)で5万重量トン(dwt)級新造船2隻を対象とする新たなMR型建造契約と関連づけられている。価格や引き渡し時期に関する詳細は、なお独立した形では確認されていない。
MR(Medium Range、中型)タンカーは通常4.5万~5.5万dwtの範囲にあり、ディーゼル油、ガソリン、ジェット燃料などの貨物を輸送する、世界の精製石油製品貿易における標準的な主力船型である。2022年以降、ロシア産精製石油製品への制裁により多くの貨物流動がより長い航路へと移り、このセグメントの貿易パターンは塗り替えられた。
今回の発注は、2019年に韓国のSTX Offshore & Shipbuildingが引き渡した6隻のシリーズ以来となる、パンテオンにとって初の新造専用MR型建造プログラムである。
パンテオンは現在、14隻のMR型タンカーを運用している。STX建造の6隻に加え、4万~4.6万dwtのやや小型のMR型8隻はいずれも韓国の現代尾浦造船(Hyundai Mipo)で2016年と2017年に建造されたもので、最も船齢の高い船は就航からまもなく10年を迎える。
MR型への参入は、中国の造船所にますます集中しつつある大規模な新造船計画に新たなセグメントを加えるものとなる。コスコ広東は、揚州の施設も含む国家支援下のコスコシッピング(COSCO Shipping)重工業造船所ネットワークの一員であり、こうした吸引力の背景には、世界最大の造船国として近年、世界の新造船契約の最大シェアを獲得してきた中国の地位がある。
原油やLNG輸送にもまたがる事業を展開するギリシャのアンゲリコウシス・シッピング・グループの成品油タンカー部門であるパンテオンは、揚州のコスコシッピング重工業(COSCO Shipping Heavy Industry)で11.4万dwt級LR2/アフラマックス4隻のプログラムを最近完了したほか、コスコ系列の造船所で2028年向けに15.7万dwt級のLNG二元燃料スエズマックス2隻を発注済みである。
また同社は、原油タンカーの最大船型である超大型原油運搬船(VLCC)2隻を大連船舶重工(Dalian Shipbuilding Industry Co)で建造中であり、2027年の引き渡しが予定されている。
さらにパンテオンは、恒力重工(Hengli Heavy Industry)で30.6万dwt級VLCC4隻(2028年・2029年引き渡し予定)とも関連づけられている。恒力重工は、旧STX大連造船所を買収し、近年そこで造船事業を再開した、中国商船建造分野における新興勢力の一つである。
出典:Splash247