オラクル、ニューメキシコのAIデータセンター向けガスパイプラインの高速審査をFERCに要請
重要ポイント
- •オラクルは、ニューメキシコ州ドニャアナ郡のAIデータセンターキャンパス「Project Jupiter」に燃料を供給する計画のGreenパイプラインの連邦審査を迅速化するよう、FERCに申立てを行った。
- •ニューメキシコ州土地管理局が州信託地を通るルートを2度却下した結果、パイプラインの運転開始予定日は2026年8月15日から2027年2月1日にずれ、州は約24万9,000ドルの料金を失った。
- •全長17.8マイルのパイプラインは、1日最大4億立方フィートの天然ガスを、2.45〜2.5GWのオンサイト電力を供給するBloom Energyの燃料電池に輸送する。
- •オラクルは暫定供給策として圧縮天然ガスのトラック輸送を検討しており、ユタ州とテキサス州の小規模施設での実績があるが、コストはパイプライン輸送の約4倍になる可能性がある。
- •オラクルの試算では、Project Jupiterはピーク時約5,800件の建設雇用を創出し、建設フェーズ中はドニャアナ郡に最大11億ドルの年生産額をもたらし、総経済効果は130億ドル超に達する。

オラクルは、ニューメキシコ州南部にある同社の人工知能(AI)データセンターが依存する天然ガスパイプラインについて、連邦エネルギー規制当局に審査の迅速化を要請した。
この申立ては、連邦エネルギー規制委員会(FERC)に提出された。FERCは独立した連邦機関で、パイプライン審査では通常、環境分析とパブリックコメント期間が設けられる。対象は計画中のGreenパイプラインで、サンタテレサ近郊のドニャアナ郡にあるオラクルのデータセンターキャンパス「Project Jupiter」の電源へ燃料を供給するものである。
オラクルの要請内容
オラクルの政府活動担当上級副社長ジョシュ・ピットコック氏が、2026年10月13日付の書簡でこの要請を行った。その論点は時期に集中している。オラクルは、遅延の継続がプロジェクトの日程、潜在的な雇用創出、そして地域にもたらされる幅広い経済的便益を脅かしていると主張している。
業界標準から見れば、このパイプラインは小規模だ。全長は約17.8マイルで、1日最大4億立方フィートの天然ガスを輸送するよう設計されている。このガスは従来型の発電所ではなく、燃焼ではなく化学反応によって電気を生成するBloom Energyの燃料電池に供給される。同システムはカリフォルニア州サンノゼのBloom Energy製で、近年は他のデータセンター事業者にも採用されており、モジュール式設計により単一の大型ントを必要とせず段階的に容量を追加できる。Project Jupiterは、これらの燃料電池から2.45〜2.5GWの電力を得る計画だ。
スケジュールがずれた理由
パイプラインは当初2026年8月15日の運転開始が予定されていたが、現在の予定日は2027年2月1日にずれている。
遅れの原因はルートをめぐる対立だ。当初提案された経路は州信託地を通過しており、ニューメキシコ州土地管理局が2度にわたり却下した。この却下には代償も伴った。州は約24万9,000ドルの料金を失った。
その後、計画担当者はルートを大部分連邦地に変更した。これにより州有地をめぐる争いは収まったものの、連邦審査というより長い道のりという新たなハードルが生じ、現在はプロジェクトの日程の中心にあり、まさにオラクルがFERCに短縮を求めている部分である。
ルート変更後も反対は収まっていない。環境擁護団体や州当局者は、パイプラインの生態影響についてより包括的な評価を求めている。
トラック輸送という選択肢
オラクルは日程をすべてFERCに委ねているわけではない。同社は、パイプライン完成前に運転を開始できるよう、圧縮天然ガスをトラックで搬入する暫定案を検討している。
この手法はオラクル内でも前例があり、ユタ州とテキサス州の小規模施設ですでに採用されている。難点はコストだ。調査結果で示された推計によれば、圧縮ガスのトラック輸送はパイプライン輸送の約4倍のコストがかかる可能性がある。
経済的論拠
オラクルは、このプロジェクトがピーク時約5,800件の建設雇用を創出すると試算している。建設フェーズ中、ドニャアナ郡の年生産額は最大11億ドルに達する見込みで、同社はProject Jupiterの生涯を通じた経済効果を130億ドル超と試算している。オラクルは地域の経済支援策にも資金を投入している。
大きな文脈
このプロジェクトは、テクノロジー企業の電力調達におけるより広範な転換を反映している。AIワークロードがデータセンターの電力需要を記録的水準まで押し上げる中、多くの地域では大規模な新規需要の系統接に数年を要する場合があり、オンサイト発電は事業者がその待ち時間を回避する手段の一つとして浮上している。地域系統に頼る代わりに、オラクルは燃料電池によるオンサイト発電を計画している。これは系統のボトルネックを回避する一方で、燃料供給のボトルネックに置き換えるものであり、このパイプラインがその証左だ。
ニューメキシコ州にとっては、州はすでに信託地ルートを2度却下し料金を失ったが、プロジェクトが進めば数千件の建設雇用と郡レベルの多大な生産額という恩恵も得られる可能性がある。
今後の焦点は3つの問いだ。FERCがオラクルの迅速化要請に応じるか、2027年2月1日の運転開始日が維持されるか、そしてオラクルが高いコストを押してトラック輸送案に踏み切るかどうかである。