Walmart傘下のOnePay、当座口座へのUSDC直接入金機能を開始
重要ポイント
- •OnePayは2026年10月30日、米国の一部の顧客向けにUSDC入金機能を開始。ステーブルコインをドルに換算し、ほぼ瞬時に当座預金口座へ計上する。
- •ローンチ時は換算手数料が無料で、Tempo、Base、Solana、Ethereumを含む12のブロックチェーンからの入金に対応。
- •2025年にStripeが買収したBridgeプラットフォームが、コンプライアンス審査、入金アドレス管理、米ドルへの換算を担っている。
- •機能はUSDCで報酬を受け取るフリーランサーやギグワーカー向けに設計されており、取引所口座・売却注文・時間のかかる銀行出金という複数工程を1回の入金に置き換える。
- •今回の開始は、2025年1月に導入されたBitcoin・Ethereum取引や、2026年4月に開始したTempoブロックチェーンとの提携など、OnePayのこれまでのデジタル資産事業の延長線上にある。

Walmart傘下のモバイルフィンテック企業OnePayは、OnePay当座預金(Checking)口座へのUSDC直接入金の受け付けを開始した。Circleが発行し米ドルに連動するステーブルコインは自動的に米ドルへ換算され、瞬時にユーザーの既存の当座残高に計上される。
USDC入金機能の仕組み
この機能は2026年10月30日、米国の一部の顧客に向けて公開された。OnePayアプリ内でユーザーはUSDCの入金アドレスを生成し、そのアドレス宛てにステーブルコインを送金する。以降の処理はOnePayが担当し、資金の到着後、米ドルに換算されて顧客の当座残高に計上される。
ローンチ時点で、OnePayは換算手数料を一切徴収しない。入金は12のブロックチェーンから対応しており、明示されているネットワークにはTempo、Base、Solana、Ethereumが含まれる。
基盤となる仕組みは、Stripeが2025年に買収したステーブルコインインフラ企業のプラットフォーム「StripeのBridge」が提供しており、コンプライアンス審査の実施、入金アドレスの管理、米ドルへの換算処理を担っている。
実務上の結果はシンプルだ。ユーザーは、日常のバンキングにUSDCを取り込むために別途ステーブルコイン用口座を持つ必要がなくなった。ステーブルコインを送り込めばドルが出てくる仕組みで、顧客はその間の暗号資産残高を管理する必要がない。
想定される利用者層
最も明確な受益者は、USDCで報酬を受け取るフリーランサーやギグワーカーだ。従来の流れでは、取引所口座の開設、売却注文、時間のかかる銀行出金という手順が必要だった。OnePayはその一連の流れを1回の入金に圧縮する。
このタイミングは、ステーブルコイン利用の全体的な拡大とも合致している。ステーブルコインの取引高は2026年6月に約1.79兆ドルに達し、前年同期比125%の増加となった。規制環境も変化している。2025年7月に成立したGENIUS法は、米国で初の決済型ステーブルコインの連邦規制の枠組みを確立しており、こうした消費者向けの統合はその環境下で展開されている。
OnePayの着実な暗号資産展開
これはOnePayのデジタル資産分野への初動ではない。同社は2025年1月にBitcoinとEthereumの取引を開始し、2026年3月には取扱トークンを追加した。さらに2026年4月、OnePayは決済特化型ブロックチェーンのTempoとの提携を開始しており、同ネットワークは現在、USDC入金の対応チェーン一覧に名を連ねている。つまり新機能は、この以前の関係を直接土台にしたものだ。
OnePayの訴求は引き続き、手数料無料の当座預金・普通預金を軸としている。同社には数百万の顧客がおり、その多くはこのモデルと、Walmartとの結び付きに引かれている。
ステーブルコインと小売バンキングへの意味
Stripe絡みの側面も注目に値する。Bridgeがコンプライアンスと換算の主力を担うこの仕組みは、他の消費者向け金融アプリも参入できるテンプレートを示唆している。
現時点でこの機能は米国の一部の顧客に限られており、手数料無料の体系はローンチ時に適用される。対象が初期グループを超えてどの程度早く拡大するか、また無料体系がローンチ期間後も維持されるかが、注目すべき点となる。