メモリ価格急騰見通しでMicron株が上昇
重要ポイント
- •Susquehannaは、今四半期のDRAM契約価格が50%以上上昇し、NANDフラッシュ価格が60%上昇すると予想している。
- •Gartnerは、世界の半導体売上高が2026年に約1.6兆ドル、2027年に約1.9兆ドルへ達すると予測している。
- •Micronは長期供給契約により、メモリ価格上昇分を顧客に転嫁できる範囲が限定されている。
- •AIサーバーは従来型サーバーより多くのメモリを使用し、Gartnerは2026年の半導体売上高の36.5%をAIデータセンターが占めると見込んでいる。
- •Micronの9月22日見込みの決算では、1株当たり利益31.26ドル、売上高507.8億ドルが予想されている。

Micron Technology (MU) の株価は火曜日の寄り前取引で2.03%上昇し、928.80ドルとなった。メモリチップ価格の上昇期待と、半導体業界全体の成長見通しが支えとなった。
月曜日に公表されたSusquehannaの分析によると、DRAMの契約価格は今四半期だけで50%以上上昇し、NANDフラッシュ価格は60%上昇すると見込まれている。どちらも Micron Technology, Inc. の中核製品である。DRAMはPC、スマートフォン、サーバーの作業用メモリを担い、NANDフラッシュはソリッドステートドライブや多くの最新機器に使われる記憶装置技術である。
業界全体の見通しも同様に強い。Gartnerは、世界の半導体売上高が2026年に約1.6兆ドルへと92%増加し、2025年の8,090億ドルから大きく伸びると予想している。同社は2027年の売上高が約1.9兆ドルに達すると見ている。
その拡大を主導するとみられるのがメモリだ。今回の予測は、長く好況と不況を繰り返してきた市場にとって大きな転換を示している。2023年には供給過剰がメモリ価格を急落させ、業界各社の収益を圧迫した。業界の価格追跡データによると、個人向けメモリチップ価格は過去12か月で6倍超上昇した。メモリ業界全体の売上高は2025年の2,201億ドルから2026年には8,373億ドルへ急増すると予測されている。Gartnerは、メモリが今年の半導体売上高全体の54%を占めるとみており、2025年の27%から大幅な上昇となる。
DRAM売上高は2026年に246.6%増、NANDフラッシュ売上高は371.9%増が見込まれている。こうした数字により、MicronはSamsungやSK hynixとともに、現在の価格上昇局面の中心に位置づけられている。3社は世界のメモリ生産を支配しており、価格上昇時の直接的な恩恵を最も受けやすい一方、過去の景気後退局面が示したように、価格下落時の影響も最も大きい。
長期契約が上昇余地を抑制
Micronが上昇分のすべてを取り込むとはみられていない。メモリチップはコモディティであり、メーカーは従来、大口顧客との交渉による長期契約と、日々価格が決まるスポット市場の両方で販売してきた。同社は主要顧客との長期供給契約を結んでおり、一定期間の保証マージンと引き換えに、価格転嫁できる上昇分に上限が設けられている。
William Blairのアナリストで、同株にOutperform評価を付けるSebastien Naji氏は、逼迫した供給とtake-or-pay契約について、「このサイクルにおける利益創出力の低下は、少なくともより緩やかなものになる」と指摘した。言い換えれば、Micronは下値の保護を得る一方で、その代わりに上値の一部を手放しているということだ。「このサイクル」という表現は、供給が需要に追いついた後に業界が急激な下降局面に入ってきた歴史を反映しており、こうした契約はそのリスクを和らげるためのものだ。
それでも、Micronの事業のかなりの部分はスポット価格や短期価格にさらされており、現在の上昇局面から意味のある恩恵を受ける可能性がある。
AIインフラも需要を押し上げている。AIサーバーは従来型サーバーよりもはるかに多くのメモリを搭載しており、GartnerはAIデータセンターが2026年の半導体売上高の36.5%を占め、2030年には53%超に達すると予想している。
テクニカル面と決算見通し
テクニカル面では、Micronは20日移動平均を上回って取引されている一方、50日単純移動平均の962.88ドルを約3.4%下回っている。相対力指数は48.54で、モメンタムは中立的だ。主要な抵抗線は1,012ドルにある。
次の大きな材料は、9月22日見込みの決算発表だ。アナリストは1株当たり利益31.26ドルを予想しており、前年同期の3.03ドルから大幅増となる見通し。売上高は507.8億ドルが見込まれ、前年の113.1億ドルから伸びると予想されている。
同株のコンセンサス評価はBuyで、アナリストの平均目標株価は1,525ドルとなっている。
最近のアナリストの動きも強気だった。New Street Researchは8月14日にMUをBuyへ格上げし、目標株価を1,250ドルとした。KeyBancは7月にOverweight評価と1,750ドルの目標株価を維持した。Citigroupは8月にBuy評価と1,150ドルの目標株価を据え置いた。