クシュナー氏、新刊書でUAEとの関係をめぐり「イラン・コントラ事件」級の疑惑が浮上
重要ポイント
- •フィンタン・オトゥール氏によるニューヨーク・タイムズの書評は、マシュー・コール氏の著書の主張が事実であれば、イラン・コントラ事件以降で最も深刻な、法律と監視を回避した米国外交政策の事例に当たると論じている。
- •コール氏は、クシュナー氏がUAEのムハンマド・ビン・ザーイド大統領と協力して中東全域の米国政策に影響を与え、約20億ドルの銀行口座へのアクセスを与えられたと主張している。
- •著書の疑惑はいずれも証明されておらず、コール氏の最重要情報源は匿名のままである。クシュナー氏の弁護士は主張を虚偽とし、書籍の一部を掲載したバニティ・フェアに対する法的措置を警告している。
- •クシュナー氏は外交経験がないにもかかわらずトランプ氏の第1期で上級顧問として中東政策を担当し、現在はスティーブ・ウィトコフ特使とともにガザやウクライナを含む紛争解決という幅広い任務を担っている。
- •今年2月、クシュナー氏は米国の対イラン開戦直前にジュネーブでイランの交渉担当者と会談し、その後、彼らの交渉姿勢を欺瞞的だと評した。

ドナルド・トランプ米大統領の義理の息子であるジャレッド・クシュナー氏をめぐる疑惑が、ロナルド・レーガン政権時代のイラン・コントラ事件以来となる、法律の枠外で行われた米国外交政策の最悪の事例だとの論評を一部の評論家が展開している。
調査報道ジャーナリスト、マシュー・コール氏の最近の著書「Princes and Thieves」について、ニューヨーク・タイムズの月曜日の書評で、フィンタン・オトゥール氏は次のように書いた。「コール氏の主張が正しければ、クシュナー氏とUAEのムハンマド・ビン・ザーイド大統領(一般にM.B.Z.として知られる)との政治的・金的な関係は、1980年代のレーガン政権下でのイラン・コントラ事件以降、法律と民主的な監視の枠外で行われた米国外交政策として間違いなく最悪の事例に当たるだろう」。ビン・ザーイド氏は2022年からアラブ首長国連邦を率いており、同国は数十年にわたり湾岸地域で米国の安全保障パートナーである7つの首長国からなる連邦国家を統括している。
オトゥール氏はこの疑惑を歴史的文脈の中に位置づけた。「イラン・コントラ事件では、政府当局者がイランに武器を秘密裏に売却し、その収益を、議会の明示的な命令に反して、ニカラグアの暴力的な右翼反政府勢力の資金に充てた。コール氏が主張しているのは、それ以上に重大な内容だ。すなわち、クシュナー氏がUAEと協力して中東全域の米国政策に影響を与え、その過程で約20億ドルの銀行口座へのアクセスを与えられたというものである」と彼は書いた。イラン・コントラ事件は1986年に発覚し、議会の調査やレーガン政権の複数の高官に対する刑事訴追につながり、大統領による外交政策の限界をめぐる議論では今も繰り返し言及される基準点となっている。
ただし彼は、コール氏の疑惑はいずれも合理的な疑いを超えて証明されたものはないと強調した。「コール氏の最も重要な情報源は匿名のままだ」とオトゥール氏は書いた。「彼の注記には『直接の知識を持つ秘密情報源』や『会議に出席した情報源への著者インタビュー』といった帰属表記が繰り返し現れる」。さらに、クシュナー氏はコール氏の著書への取材を辞退したこと、クシュナー氏の弁護士がコール氏の主張を「狂っていて、虚偽で、名誉毀損だ」と評し、書籍の一部を掲載したバニティ・フェアに対して先週法的措置を警告したことも指摘した。その法的措置が実行に移されるか、著書の主張を裏付けるさらなる資料が明らかになるかは、今後の動向次第だ。
「コール氏の誠実さを評価すべきは」、オトゥール氏は続けた。「5年間の調査を経てなお、『イスラエル、サウジアラビア、カタール、とりわけアラブ首長国連邦の指導者たちとのクシュナー氏の関係や合意については、多くが未知のままだ』と彼自身が認めている点だ。我々が手にしているのは、これらの取引に関する不完全で論争のある記録である」。
クシュナー氏はまた、外交官としての型破りなコミュニケーション手法についても批判を受けており、一部の専門家は、敏感な国際交渉の技術への理解が欠如していると指摘する。クシュナー氏は外交経験のないまま政権入りし、家族の不動産ビジネスを経営し、ニューヨーク・オブザーバーを所有した後、トランプ氏の第1期通じて上級顧問を務め、中東政策を担当した。
「今年2月、米国がイランとの戦争に踏み切る直前の時間、ジャレッド・クシュナー氏はジュネーブでイランの交渉担当者と会談を行った。地域を混沌に陥れ、世界経済を揺るがす紛争を回避する最後の機会だった」と、記者のデレク・フィルキンス氏は9月に報じた。会談後、クシュナー氏は相手側の交渉担当者を、自分の時間を割く価値がないと一蹴した。「トリックだらけだ」と彼は記者団に語った。「彼らは基本的にあらゆる場所で我々とゲームをしている。実に、実に怪しい」。
「ドナルド・トランプ氏のあどけない風貌の義理の息子であるクシュナー氏は、近年、並外れた任務を与えられてきた」とフィルキンス氏は付け加えた。「大統領特使のスティーブ・ウィトコフ氏とともに、ガザ、ウクライナ、そして戦争が起きうるほぼあらゆる場所での戦争終結を担っている。45歳のクシュナー氏は、外交の技術をほとんど重視していない」。