コストコの4.99ドルロティサリーチキン:教科書的な「ロスリーダー」の内側
重要ポイント
- •コストコは昨年、世界で1億5740万羽のロティサリーチキンを販売し、10年前のほぼ2倍となった。
- •米国の鶏肉小売価格がほぼ2倍になったにもかかわらず、4.99ドルという価格は2009年以降変わっていない。
- •コストコはネブラスカ州の加工工場を通じて供給チェーンの一部を所有しており、生の胸肉を1ポンド2.99ドルで販売することでロティサリーチキンの損失を補っている。
- •ロティサリーチキンはロスリーダーとして機能し、会費を支払うコストコ会員の忠誠心を強化している。
- •コストコの経営幹部は価格を説明するため議会に招かれたことがあり、コスト上昇の中での4.99ドルの価格の行方は注目される小売業界の意思決定となっている。

コストコは昨年、世界で1億5740万羽のロティサリーチキンを販売した。これは10年前のほぼ2倍にあたる。
この巨大小売業者の何百もの広大な店舗の奥にあるオーブンで焼かれる鶏肉は、米国の鶏肉小売価格がこの期間にほぼ2倍になったにもかかわらず、2009年以降ずっと4.99ドルという価格を維持している。
「4.99ドルですし、コストコの会員にとっては素晴らしい取引です。この価格で生産できるとは思えません」と、コストコのネブラスカ州の鶏肉加工施設の建設と管理を担当し、今年同社を退職したウォルト・シェーファー氏は述べた。
ロティサリーチキンは教科書的な「ロスリーダー(目玉商品)」となっており、倉庫型店舗で買い物する権利のために会費を支払うコストコの顧客の忠誠心を強化している。このモデルは米国小売業では異例であり、コストコはサプライヤーを価格だけで締め付けるのではなく、供給チェーンの一部を自社で所有することで単一の定価商品を守り、それが生み出す来店客と信頼が倉庫全体の他の商品で十分に元を取れると賭けている。
コストコはこの商品をネブラスカ州の自社加工事業で支えている。ロティサリーチキンは同工場で加工される鶏肉の一部にすぎず、工場では胸肉やもも肉などの他部位もカットし、6袋入りの「サドルパック」で店舗に納品している。例えば生の胸肉は1ポンド2.99ドルで販売されており、ロティサリーチキンの損失を補う役割を果たしている。
この戦略は政策担当者の注目も集めてきた。コストコの経営幹部はこの価格を説明するため、これまでに議会に招かれたことがあり、同社はこの鶏肉が「価値」というブランドの約束の中心にあると述べてきた。飼料・人件件・加工コストが上昇を続ける中で4.99ドルという価格が維持されるかどうかは、米国小売業で最も注目される価格決定の一つであり続けている。
本記事の元の報道は、フィナンシャル・タイムズのグレゴリー・マイヤーによるもので、Mike Rosenwald経由で発見され、Marginal Revolutionで共有された。