Chainlink共同創業者Sergey Nazarov、トークン化株式の急拡大を予測
重要ポイント
- •Chainlink共同創業者Sergey Nazarovは、2026年9月25日のフィラデルフィア連邦準備銀行でのパネル討論において、オンチェーン市場の拡大に伴いトークン化株式の取引量が大幅に増加すると予測した。
- •SECのイノベーション・エグゼンプションは、米国証券法規の下でトークン化された米国株式のオンチェーン取引を明確な期間内で認める5年間の枠組みである。
- •Nazarov氏は、世界の株式価値とフローの大半を占める米国株式市場が、世界的な主導地位を維持するためにこの技術的移行を必要としていると主張した。
- •同氏は2026年8月のCFTC関連円卓会議やSWIFT主催のSibos 2026カンファレンスなど、他の主要イベントでもトークン化を推進しており、取引に参加するAIエージェントを支援するトークン化システムについて論じた。
- •ChainlinkのData Feedsとクロスチェーン相互運用性プロトコルは、コーポレートアクションや決済オペレーションに適用されており、バックオフィスプロセスを効率化して機関投資家の採用を支援している。

Chainlinkの共同創業者であるSergey Nazarov氏は、株式市場がますますオンチェーンに移行すると考えている。同氏は2026年9月25日、米連邦準備制度を構成する12の地域準備銀行の1つであるフィラデルフィア連邦準備銀行でのパネル討論においてこの予測を述べた。
Nazarov氏は、オンチェーン市場の拡大に伴い、トークン化株式の規模が大幅に増加するとの見解を示した。同氏の見方は、直近の規制動向、すなわち発言の直前に承認された枠組みであるSEC(米国証券取引委員会、米国証券市場の連邦規制機関)の「イノベーション・エグゼンプション」に一部基づいている。
イノベーション・エグゼンプションの概要
イノベーション・エグゼンプションは、トークン化された米国株式のオンチェーン取引を認める5年間の枠組みであり、米国証券法規の下でその取引が運用される明確な期間を設定するものである。
トークン化株式とは、ブロックチェーン上のトークンとして表される株式のことである。所有権は証券会社の内部台帳のみに記録されるのではなく、理論上はリアルタイムで取引を決済できる共有デジタルネットワーク上に記録される。
Nazarov氏によれば、この免除はオンチェーン取引への大幅なシフトを促し、より形式化されたリアルタイムかつ効率的な市場インフラの構築に寄与する可能性があるという。同氏はまた、米国株式市場が世界の金融システムにおける株式価値とフローの大半を占めていることを強調し、その市場が世界的な主導地位を維持するためにはこの技術的移行が必要であるとの見解を示した。
繰り返される主張
フィラデルフィア連銀でのパネル討論は単発の登壇ではなかった。ここ数ヶ月、Nazarov氏は複数の目度の高いイベントで同様の主張を展開している。
2026年8月、米商品先物取引委員会(CFTC、米国のデリバティブ市場を規制する機関)に関連する円卓会議において、同機関のイノベーション諮問委員会への関与を通じて、株式のトークン化がオンチェーンで大きな価値を生み出す可能性があると述べた。
また、SWIFTが主催する年次銀行・決済カンファレンスであるSibos 2026では、トークン化システムが取引プロセスに参加するAIエージェントを支援する仕組みについて論じた。
これらの登壇を通じて、Nazarov氏はトークン化の主な利点として次の3点を挙げている:
- 流動性の向上: 資産をより容易に売買できる。
- コンプライアンスコストの低減: 規則をインフラ自体に組み込むことができる。
- 24時間取引: オンチェーン市場は従来の取引時間の制約を解消できる。
Chainlinkの役割
Chainlinkは、トークン化市場が利用しうるインフラを開発しており、ブロックチェーンと外部データやシステムを接続するオラクルネットワークとして運用されている。同社はトークン化株式のユースケース向けに2つの主要製品を実装している。
1つ目はData Feedsで、価格などの外部情報をブロックチェーンに提供する。2つ目はクロスチェーン相互運用性プロトコル(Cross-Chain Interoperability Protocol、CCIP)で、異なるブロックチェーン間の通信と資産移転を可能にする。
Chainlinkはこれらのツールを、コーポレートアクションや決済オペレーションなどのプロセスに適用している。コーポレートアクションには、配当支払いや株式分割などの出来事が含まれる。調査サマリーによれば、これらの製品はバックオフィスプロセスを効率化することで、機関投資家の採用への道をすでに切り拓きつつある。