バイナンスCFO Kaiser Ngが5年で退任、Justin Yekが財務部門の指揮を継承
重要ポイント
- •Kaiser Ngが5年間務めたバイナンスCFOを辞任し、2026年11月8日にXへの投稿でその決定を発表した。
- •直近でAirwallexの財務担当バイスプレジデントを務めていたJustin Yekがバイナンスの新CFOに就任した。
- •バイナンスは、Ngの退任は計画的な6か月の移行に基づくもので、10月29日に公表した63億ドル相当の暗号資産損失とは無関係であると述べた。
- •Ngは、AI、Web3トークン化、およびスポーツ、音楽、GPU、ロボティクス、金、コレクティブルなどの実世界資産を含む複数の事業を計画している。
- •在任期間中、Ngは財務チームをバックオフィス機能から、ビジネスアイデアと収益機会を主体的に生み出す部門へと転換したと述べた。

バイナンスの最高財務責任者(CFO)を5年間務めたKaiser Ngが退任し、直近ではAirwallexの財務担当バイスプレジデントを務めていたJustin Yekが同社の財務部門の指揮を引き継いだ。
Ngは2026年11月8日にXへの投稿で退任を発表し、自身の事業を複数立ち上げるため会社を離れると述べた。その計画は、人工知能(AI)、Web3トークン化、スポーツ、エンターテインメント、ロボティクスに及ぶ。同氏は、暗号資産業界が直面する課題にもかかわらず、バイナンスでの時間を自身のキャリアで最も実りある時期の一つだと述べた。
投稿の全文は以下の通り:
After five years as CFO of Binance, I have decided to go build something of my own. The past ten years in the digital asset exchange space have felt surprisingly short, because I enjoyed what I was doing. Having passion for what you do is so important, and I will come back to this point. 8am to 2am became a work habit. When I felt exhausted past midnight, I would just look up at the Kobe Bryant's statue standing in the corner of my office, and go right back to the grind! It has been the privilege of my career to help steward the finances of the world's largest digital asset exchange through a period that tested our industry in every way: bull and bear cycles, Operation Choke Point 2.0, and a regulatory landscape that evolved as quickly as the technology itself. Finance is seldom the loudest function in a company, but it is where trust is earned. Over these five years, we transformed Finance from a pure back-office function into one that consistently generates new ideas and revenue opportunities for the company. We became amazing problem solvers. Finance understood the products and metrics as well as the business units themselves. Proud of what we have built together, and I am pleased to hand the keys to Justin, our next CFO. I want to take this opportunity to thank CZ, Yi, Richard, and the leadership team for their confidence and, above all, the amazing Binancians around the world whom I had the honor of working with. You are the reason the company stands where it does today. Binance is in very capable hands. The company continues to grow and evolve with the successful launch of TradFi assets and AI-powered user interfaces. I'd like to express my gratitude to MGX for the trust; to our home regulator Abu Dhabi Global Market and all regulators we work closely with; and to our business partners, including BlackRock, Circle, Franklin Templeton, Mastercard, our banking partners and payment channels, as well as our advisors and auditors. Special thanks to Grant Thornton Singapore and everyone who has supported Binance. As for what comes next, well, there isn't just one project but several that I am passionate about particularly in sports and entertainment, from basketball and music, to GPUs, robotics, gold and collectibles. Bringing these real-world assets onto the blockchain through tokenization is a massive opportunity for the industry, and a big unlock for everyone. I welcome anyone with a passion in these areas to message me and potentially join my team. Even better if you love Kobe ;) Moving from the CFO's chair to the founder's is a leap, and I take it with humility. I deeply believe it is where I can make a greater contribution to AI and Web3. For now, thank you, Binance, for five remarkable years.
— Kaiser Ng (@kaizng) 2026年11月8日
バイナンス財務を牽引した5年間
在任期間中、同取引所は強気・弱気の市場サイクル、規制の変化、そしてNgが「オペレーション・チョークポイント2.0」と表現した状況——暗号資産業界内で、デジタル資産企業へのサービス制限を米国の銀行に迫ったとされる圧力を指す用語——を乗り越えてきた。同氏はまた、午前8時から午前2時まで働くこともある過酷なスケジュールについて触れ、オフィスに置かれたコービー・ブライアントの像が深夜の業務を支えてくれたと語った。
同氏が強調した成果の一つは、バイナンスの財務チームが従来のバックオフィス業務から、ビジネスアイデアや収益機会を主体的に生み出す部門へと進化したことだ。Ngによれば、チームはバイナンスの製品、ビジネス指標、商業業務を理解し、他部門とより緊密に協働できるようになり、事業部門そのものと同等に製品や指標を把握するに至ったという。
farewellメッセージでNgは、CZ、Yi、Richardおよび経営陣の信頼に感謝するとともに、世界中の「素晴らしいBinancians」に言及し、彼らこそが会社を現在の地位に至らしめた理由だと述べた。同氏は、TradFi資産の成功裏の投入とAI搭載ユーザーインターフェースをバイナンスの継続的な成長の証とし、会社は「非常に有能な手に委ねられている」と述べた。
さらにNgは、MGXの信頼、バイナンスの所轄規制当局であるアブダビ・グローバル・マーケット(ADGM)をはじめとする緊密に連携する規制当局、そしてBlackRock、Circle、Franklin Templeton、Mastercardを含むビジネスパートナー、銀行パートナー、決済チャネル、アドバイザー、監査人への感謝を表明した。特にGrant Thornton Singaporeに謝意を示した。
この感謝対象の広がりは、取引所CFOの職域がいかに拡大したかを物語っている。この座は現在、機関投資家、グローバル資産運用会社、決済ネットワーク、銀行パートナー、複数の管轄区域の規制当局にまたがっている。
後任にはJustin Yek
NgはCFOの座をJustin Yekに引き継ぐと述べた。ロイターは、Yekを財務セクターで長年の経験を持つ人物として紹介しており、直近ではグローバル決済・フィンテック企業Airwallexで財務担当バイスプレジデントを務めていた。
Ngによれば、バイナンスは直近の暗号資産流出事件の前に、この経営交代に6か月間をかけて準備していたという。今回の交代が公になったのは、10月29日にバイナンスが63億ドル相当の暗号資産損失を認めた1週間足らず後だったが、取引所側は、Ngの退任は「計画された」移行に基づくものであり、この事件とは関連がないと述べている。
このタイミングにより、Yekの着任は通常のCFO交代以上の注目を浴びることとなった。計画的な後継体制という会社の説明は、公表された損失を背景に展開しているものであり、Ngが語った収益創出型の財務機能がYekの下でどのように受け継がれるかは、この役割が担う機関パートナーと規制当局にとって自然な関心の的となる。
Ngの次の章:AI、Web3、トークン化
Ngの次の章は、単一事業ではなく複数のプロジェクトに及ぶ。同氏は、スポーツやエンターテインメント分野を中心に、バスケットボール、音楽、GPU、ロボティクス、金、コレクティブルなどの関心分野を名挙げし、AIとWeb3にも言及した。
トークン化を通じて、こうした実世界の資産をブロックチェーンネットワークに持ち込むことが可能になると同氏は確信しており、これを業界にとって大きな機会、すべての人にとって大きなアンロック、そして従来型資産へのアクセスを容易にする道であると述べた。同氏は、これらの分野に情熱を持つ人々に連絡し、チーム参加の可能性を協議するよう呼びかけ、CFOの座から創業者の座への移行は謙虚な気持ちで臨む飛躍であり、そこでこそAIとWeb3へのより大きな貢献ができると確信していると述べた。
同氏が選んだ方向性は、業界がすでに取り組んでいるテーマ——バイナンス自身がTradFi資産の投入を成長の証として挙げている——と重なり、Ngのトークン化への賭けに具体的な参考点を与えている。今後注目すべきは二点ある。Yekが受け継いだ財務組織をどのように導くか、そしてNgが発表した事業のどれが構想から製品へと進むかである。
この記事はもともとCrypto Ninjasが公開したものです。